PMSのはなし

バズと娘は近くの公園へ。ひとりになりたいと言ったら連れ出してくれた。ありがたや。

月経前症候群

PMSの正式名称だ。月経前にホルモンバランスが乱れ心理的、肉体的に不快な症状が現れる。
私はこれが凄まじい。本当に。別人のようだとバスは言う。自分でもそう思う。

主な症状は気持ちの落ち込み、無気力、イライラ、食欲過多、体のだるさ、軽い腹痛と腰痛。
朝起きた瞬間に分かる不快感。
体の真ん中に重石を置かれているような、1人だけ地球の重力が3倍になったような、脳みそに1枚ビニール袋を被せられたような。どういう状況?と思うかもしれないが、本当にこの表現がぴったり当てはまる感覚。

バズ曰く、PMSが始まると表情が変わるらしい。口角が全く上がらず目がうつろ。いつもは出てくる「ぐぁー」とか「ででーん」とか、訳の分からないオノマトペが無くなるそうだ。
図らずも普段の私のおちゃらけ具合を知ることとなった。無意識って怖い。

婦人科への道

PMSが酷くなったのは24歳頃。暴飲暴食から始まり、毎月同じ時期に気分が落ち込むことに気付いた。自覚してしまえばタイミングも予測でき、「今はそういう状態」と割り切り過ごせていた。
27歳でパティシエを始めてからがぐっと悪化した。人間関係には恵まれていたので仕事がきっかけではないと思うが、仕事に影響が出るくらいには悪化していた。
駅から会社に向かう道中で涙が出てきたり、エレベーターに乗れなかったり、いつもいなくなってしまいたいと思っていた(PMS期間のみ)。頭痛が酷く耳鳴りが止まらない日もあった。
厄介なのはこれが常ではなく、月経が始まってしまえば嘘のように無くなることと、体育会特有の根性論で私が耐えられてしまうことだった。

きっかけは夜中の激しい腹痛だった。あまりの痛みに目が覚めた。人生で一番の腹痛だった。朝になり痛みは引いたが体が重い。さすがにこれはまずいと会社を休み内科へ。そこで卵巣が腫れていると言われた。予想外で驚いたが、急いで近所の産婦人科を予約した。泊まりに来ていたバズがいてくれて助かった。
結果的に痛みの原因は排卵痛。排卵時に起こるもので、人によっては酷い出血もありうる。そこでドクターに勧められたのがピルの処方だった。

自分の体を守る

あくまでも私の場合だが、ピルを飲み始めてから症状は劇的に改善した。大まかに説明するとピルが体に「今この体は月経中」と錯覚させるのだが、腹痛も出血もなくメンタル面もとてと安定している。時折波こそあれど大きく乱れることはない。私にとって救世主となった。

もちろん良いことばかりではない。毎日飲み続ける手間や定期的にかかる費用、3ヶ月に一度血液検査など。それでもズボラ・飽き性・大雑把な私が続けるほどメリットが大きかった。

こんなに楽になるならもっと早く始めればよかったと今でも思う。充実しつつもハードな環境に身を置き頑張っている自身の体。労わらなければガタが来ると感じるきっかけになった。

娘を妊娠・出産してからピルは飲んでいない。授乳中はホルモン剤の服用が出来なかったからだ。卒乳するまでは軽い症状はあった。今回は完全卒乳後、初のタイミングである。
ずどーーーーーーんと感じるこの重み、懐かしい。ホルモンが本気を出してきた。

そういえば最近、授乳中は「娘のための体」の感覚だったのが、卒乳後は自分の手元に戻ってきたように感じている。筋肉の細かい部分まで意識が行くような、妊娠前に戻ったような。
私が「体よ元に戻れ!今までおつかれさま!」とわざわざ脳から伝えなくても、細胞やホルモンが勝手に卒乳を認識して内側から感覚を変えていくのだから人間の体ってすごい。

書き出しているうちに少し楽になってきた。
あと2.3日は続くだろうが割り切って、手を抜くところはどんどん抜こうと思う。

みなさんもぜひ、ご自愛を。

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