スケッチ3

ここ数日は乗り込むと必ず、youtuberの処女小説の広告の前に立たされてしまう。
普段は人の温みを嫌い、輪っかに手首を通す私も、このときばかりは吊り革をぎゅっと握る。

悔しさでしょうか、悲しみでしょうか。

嫌悪です。

10年前まで素晴らしかった(虹や鳩や堂々たるヴィーナス像がそこには見えた)世界はすっかり無くなった。
今の世界は陰毛と埃にまみれて……