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夏になると思い出す風景【夏ゲー】

今年の夏は外出もろくにできないし、なにかと雨が続いていて気持ちもどんよりになりがちですが、個人的にはこの夏に降る雨って結構好きなんですよね。お休みの日は雨音で眠くなって寝てしまうこともよくあります。

そんな雨降りの夏ですが、今回僕が紹介するのは『サンパギータ』になります。

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このゲームはプレイステーションにて展開されていたアドベンチャーゲームシリーズ、「やるドラ」シリーズの3作目にあたります。作品テーマ自体は夏というより、秋に近いくらいの時間なのですが、当時はじめてプレイしていた時期が夏ということもあるので夏ゲームにしました!!!(無理やりでごめんなさい!)

(※本記事はすべて無料で読めます!)

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そもそもやるドラシリーズとは!プレイステーションで発売された選択肢式アニメーションADVシリーズで、プレイヤーがドラマを遊ぶという名にふさわしい豪華なアニメーションやクオリティからとても好きな人が多いシリーズになっています。(かくいう僕も大好き!) PSで展開された際には四季をテーマにした4作品が発売されました。それぞれプロダクションI.G.が企画や原案、ゲーム中アニメーションなどをてがけています。のちにPS2のほうでは、『BLOOD -THE LAST VAMPIRE-』も発売されています。今作『サンパギータ』ではかの有名な士郎正宗氏がキャラデザインをしており、出演している声優さんも林原めぐみさんや大塚明夫さんなど大御所の方ばかり。アニメやゲームに馴染みのある人であれば、「あ、この声は!」となること間違いなしです。

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そんなやるドラシリーズ3作目である今作の簡単なあらすじ。-とある事情により記憶喪失となってしまった「マリア」と、飲み会からの帰り道でマリアと偶然居合わせ、彼女をかくまいながらともに過ごすこととなる「主人公」。二人でともに過ごしながらマリアの記憶をたどっていくうち、とんでもない事件に巻き込まれてしまう……!というもの。

プレイヤーの選択によって展開が変わっていったり、数多くのエンディングがグッド・バッド含めて存在しているというのは、昨今のアドベンチャーゲームにも通ずる王道なものになっていますが、それぞれにしっかりしたアニメーションや演技がつくことによって、より一本のアニメやドラマを見ている気分にさせてくれます。実際、クリア後には選択肢を廃したリプレイモードなんかもあるので、そうした意図もあったのでしょうね。

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今作は僕のもうひとつの故郷ともいうべきフィリピンがシナリオにおける重要な要素になっており、序盤のとある場面にて、ヒロインであるマリアがフィリピンから来たことが明示されます。そのほか、サンパギータの花や、ところどころに出てくるタガログ語(フィリピンの言語)や伝承など、いろんなところで懐かしさを感じるのです。

高校生の頃までは、ほぼ毎年夏にフィリピンへ帰っていたこともあり、このゲームをプレイするたびにそのときの風景を思い出します。カラッとした暑さの中、ジプニーに乗って母の地元へと向かう道中、窓から見えた街並みや風景はいまでもずっと心に残っています。フィリピンでしか食べられない料理、見られない花、母方の家族や兄弟たちとおぼつかない英語で話した言葉や会話、そのときの笑顔。そうしたノスタルジーを感じたい時、昔の記憶を思い起こしたい時にこのゲームを遊んでいます。

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今遊ぶとしたら現実的にできそうなのは、PS3で遊ぶか、PSPで遊ぶかの2択になりそうな作品ですが、今回紹介した『サンパギータ』は、主人公とマリアの二人がたどる道筋を追いかけていくことだけでも非常に面白いですし、バッドエンドにもシリアスやコミカルなものが混じっていたりします! また、士郎正宗好きにもおすすめしたいですね!あの画風がアニメーションとして動いているのって最近だとあまりなかったような覚えがあるので、ファンはぜひ手にとってもらいたいです!

そして、『ダブルキャスト』や『季節を抱きしめて』、『雪割りの花』といった他の作品もそれぞれの良さがあり面白いので、機会があれば遊んでみてほしいですね!今後なにかの形で復刻版とか出てほしいなあ……やるドラシリーズ全収録!BOXとかもし登場したらうれしいなあ……!


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