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2024年3月の暦・行事(季節を味わう#00048)

「季節を味わう」では、毎月第1水曜日にその月の暦や主な行事をまとめます。(全てを網羅するものではありません)

2024年 3月(弥生)

1日(金) 奈良東大寺二月堂修二会

 修二会は我が身の汚れと罪を懺悔し、国家繁栄と五穀豊穣、人々の安寧を祈念する法会で、3月1日から2週間にわたって行う奈良東大寺二月堂の修二会が有名です。

3日(日) 上巳の節句・雛祭

 雛祭の正式名称は「上巳の節句」。かつて旧暦3月上旬の巳の日に行われていたことが由来の名前です。
 上巳は災いが降りかかりやすい忌み日で、平安時代には紙や藁で作った人型で体を撫でて汚れを移し、身代わりとして川や海に流す風習がありました。島根県などで行われる流し雛は、この風習が受け継がれたものと考えられています。
雛人形を飾り、女児の健やかな成長を祝うようになったのは、室町時代ごろからで、江戸時代に庶民に広まりました。
 上巳の節句よりも柔らかい言葉「桃の節句」。イザナギが黄泉の国から逃げ帰る際、桃を投げつけたことが古事記に記されているように、桃は邪気を払い災いを跳ね除けるパワーがあると考えられていました。
いずれにしても、雛祭は魔除け、邪気よけが起源のようです。

5日(火) 啓蟄

 二十四節気の一つ、啓蟄。
 「蟄」という感じは”幸” ”丸” ”虫”という字が組み合わされています。意味は「冬ごもりの虫」で、まさに土の中で虫は幸せに丸くなっているのかもしれません。「啓」の意味は「開く」。啓蟄は冬籠りから目覚めた虫や動物が土の中から這い出してくる頃、という意味です。
 一方で、春先に大気が不安定になる頃の雷を「春雷」と呼びます。昔は、虫たちは春の雷の音に驚いて目を覚まし、土の中から出てくると考えられたため、「春雷」を「虫出しの雷」とも呼びます。

12日(火) 奈良東大寺二月堂お水取り

 東大寺の修二会のハイライト。この日から翌日の未明にかけて、僧侶が本尊にお供えする「香水」を組み上げるのがお水取りです。
 それに先立って、二月堂の回廊では大きな松明を童子たちが引き回す「お松明」が行われます。高い位置にある二月堂の回廊の下にはお松明の火の粉が飛び散ります。それを浴びると厄除けになるとされ、この日、二月堂にはたくさんの参拝者が訪れます。

17日(日) 彼岸入り

 春分の日を中日とする前後3日、合計7日間が「彼岸」で、ご先祖様に感謝し、偲ぶ期間とされていますが、仏教が根付いている国の中で、このような慣わしが根付いているのは日本だけだそうです。
(秋の彼岸は秋分の日を挟んだ7日間)
 ではなぜ日本だけにそのような風習があるのか、はっきりとした理由はわかっていませんが、元々あった先祖崇拝を取り入れることで仏教を広めようとした聖徳太子のアイデアだという説があります。

20日(水) 春分の日

 太陽が真東から登って真西にしずむ「春分の日」は、昼夜の長さがほぼ等しく、翌日からは日中の時間が長くなっていきます。
 日の光を浴びると、精神を安定させる脳内物質セロトニンが分泌されやすくなります。春に気持ちがウキウキするのは、太陽のおかげなのかもしれません。

23日(土) 彼岸明け

 7日間にわたる彼岸の最後の日。

31日(日) 年度末

 明日からは、入学や就職、転勤など、多くの人たちが新たな門出を迎えます。
 一年の始まりは1月1日、年度の始まりは4月1日と定められたのは、。1月始まりや10月始まりを試したのち、明治19年(1986年) 4月始まりと決まりました。
 一説には、明治になったばかりの頃は、貨幣ではなくお米で納税をしていたので、収穫が終わった頃の10月を年度始まりとしていましたが、その後お米ではなく貨幣で納税をするようになって、米を売ってお金に変えるための時間に余裕を持たせて、4月始まりになったのだとか。

(2024年2月7日)


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