『7つの習慣 人格主義の復活』第1の習慣「主体的である」ポイントまとめ&レビュー

第1部で、第1~3の習慣が「私的成功」、第4~6が「公的成功」、第7が成長のサイクルと紹介されました。
第2部は「私的成功」の3習慣がまとめられていますが、1つずつしっかり理解する必要があるので、ここからは部ごとではなく習慣ごとにまとめたいと思います。

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人間を人間たらしめているものは、感情でも気分でも思考ですらもなく、それらと切り離して自分自身を考えられることである。
それは人間の「自覚」という能力である。
自覚の能力によって、自分のパラダイムが原則に基づいたものなのか、状況や条件付けの結果なのかを判断することができる。

遺伝子的決定論、心理的決定論、環境的決定論と、人の地図は3つの要因によって決定されているという説がある。
しかし、人間には刺激と反応の間には選択の自由がある
その自由の中にこそ、人間を人間たらしめる能力がある。
自覚:自分自身を客観的に見つめる能力
想像:現実を超えた状況を頭の中に生み出す能力
良心:心の奥底で善悪を区別し原則を意識し、行動を一致させる能力
意志:外的影響に縛られず自覚に基づいて行動する能力

人間は本来主体的な存在であり、人生が条件付けや状況に支配されているのであれば、それは支配されることを自分で選んでいるからである。
自分の身に起こったことで傷つくのではなく、その出来事に対する自分の反応によって傷つくのである。
どういうパラダイムに基づきどう反応するかが大切なのである。
そのパラダイムのシフトは、困難に直面することでまったく新しい視点から世界を眺めることで起こる。

主体的に動くということは、率先力を発揮するということである。
そもそも7つの習慣を身に着けるには率先力が必要である。
例えば「愛」とは、愛されることによって得られるのではなく愛するという行為そのものが愛である。

関心の輪ではなく影響の輪にどれだけ時間と労力をかけているかで、自分の主体性の度合いが分かる。
関心の輪:関心はあるが自分がコントロールできないもの
影響の輪:自分次第でコントロールでき影響を与えられるもの
例えば子供を外から変えようとするのは関心の輪である。
夫婦のパラダイムシフトに集中し子供に影響を与えるのが影響の輪である。
主体的に生きることで影響の輪を広げることができる。

自分の行動に関わる問題(=直接的にコントロールできる問題)は第1~3の習慣の「私的成功」に関わる。
他者の行動に関わる問題(=間接的にコントロールできる問題)は第4~6の習慣の「公的成功」に関わる。
過去の出来事や動かせない現実(=コントロールできない問題)は、変えられないことを受け入れて平穏に過ごすことを意識しなければならない。
いずれにしても、7つの習慣によって自ら態度を変えることから始まる。

主体的に率先して問題を解決することで影響の輪を広げることができる。

私たちには行動を決定する自由はあるが、結果を選択することはできない。
行動を選択した時点で結果も選択されている
だから失敗したとしても結果を認めず行動を正さなければ、自分にも他者にも嘘をつくことになり、さらに大きな失敗をもたらすことになる。
自ら過ちを認めて行動を正すことが主体的であるということである。

影響の輪のもっとも中心にあるのは、決意し、自分自身や他者と約束してそれを守る能力である。
その約束に対して誠実な態度をとることが主体性の本質であり成長の本質である。

【実践編】
・丸一日、自分や周りの人々の「~でさえあったら」「できない」「しなければならない」など反応的な言葉にアンテナを張ってみる
・近い将来にありそうなことで、反応的な態度をりそうなことを1つ選んでみる。その刺激と反応のスペースを思い出し、主体的に反応している自分を思い描いてみる。
・仕事や私生活で抱えている問題を1つ選び、3つのコントロールの範囲のいずれかを判断した上で、影響の輪の中でできることを1つ実行する。
・主体性の30日間テスト(本文中147ページ)にトライする。

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一言で言うと、刺激と反応の間には選択の自由がありその自由を行使することが人間的であり主体的である、ということですね。

この後出てくると思いますが、『最優先事項』で「緊急でないが重要なことである第Ⅱ領域」を優先することは、まさに自ら問題を発見し解決するという率先力が必要だということです。

本文中に「反応的な姿勢は天気に心を流され」というような表現がありましたが、今年の雨天で順延続きの夏の甲子園を見て思う所があります。
心にコンパスがあれば雨と言う刺激を受けても自分のあるべき姿を見失わず、自らを高めることができる。
実際にそういう選手たちが本番で力を発揮しているのを見て、高校生でも無意識に実践していることだと思わせてくれます。

たとえどのような悲惨な結果でも、それが自分の及ばぬ力によるものだとしても、それは自分の選択の結果だと思う所から主体性は始まります。
『修身教授録』では「運命として受け入れる」とあり、古今東西変わらぬ原則です。

関心の輪について読んで思ったのは、ヤフーニュースを見たり記事の正確性を確認するためにコメントを見るのは、知識を入れるためなら影響の輪(=第Ⅱ領域)ですが、2ちゃんねるのごとくコメントを読み漁るのは関心の輪(=第Ⅳ領域)ですね。
自分でどうしようもないことに時間を使うと後でむなしいものですが、何か世界が1ミリでも変わる予感がする行動をしている時に心が躍るのは、誰しも経験しているのではないかと思います。
そんな幸せに満ちた日々を送るために、主体的に生きることが必要だということを学びました。

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