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緑の手の反対は赤の手なのか?

写真はお隣さんの畑。ご近所の野菜はどこもいわゆる有機農法だが、いつ見ても雑草一つなく清々しい。自分ちに帰ってくると玄関前すら草ぼうぼうでがっかりする。さすがに除草剤を使うのはためらわれるので(猫が時々散歩している)塩水とか撒いたりしてみるが到底かなわない。
とりあえず外に出た時にあまり目につく箇所は手でむしって、後は雑草もそれなりに美しいと言い聞かせるのが一番私に合ってるみたい。
まぁ、雑草はそれほど気にならないのだが、父が残した植木が少しずつなくなっていくのはかなり堪える。なんで植木がいなくなるかわからないが、気が付いたら好きだった沈丁花もガクアジサイもいなくなっている。
それなりに手入れをしているつもりなんだけど、きっと私の手は緑の手の反対の赤い手なんだ。。

今年の春は木々の花がとても早く咲き始めている。
そして、一番好きな白木蓮も咲いた。でもいつもの白い鳥がとまっているような美しい風情じゃなくて、ぼろぼろ。。

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遠くに見えるお向かいのスモモの木はみっしりと咲いているのに、去年の秋に剪定された白木蓮はちらほら花をつけただけだった。普段の私の手入れが悪いから、思い切り枝を切られてしまったのだ。
まぁ、父の命日の3月末頃にはどうせ花が終わっているから、今年はなかったことにしよう。ちょうど満開だった白木蓮をお棺の中にいっぱい入れて見送ってから、毎年命日には花を仏壇に供えていたけど。

父が亡くなったのは阪神淡路大震災の2年後だった。燃え続ける神戸の映像をテレビで見続けて脳梗塞の発作を起こしたのだった。その日私は夫の携帯が繋がらなくなる前に実家に電話して無事だからね!と叫んだのだが、その後は音信不通になったらしい。そりゃそうだそれどころじゃなかったんだ。

それどころじゃない暮らしがずっと続いていたある日、気が付くと元町通の白木蓮の並木が満開になっていた。それを見た途端、涙が噴出して道路事情が悪くて車じゃなくミニバイクに乗ってた私は、フルフェイスのヘルメットのおかげで涙をふくことができずに、泣きながら徐行運転していた。
翌年は震災ボラで仲良くなった東京の友達が、わざわざ神戸の北野町で結婚披露宴をあげてくれた。その庭にも白木蓮が満開の花をつけていて、とても幸せな気持ちになったことを覚えている。
白木蓮は桜よりもっと早く散ってしまうところが好きなんだと思う。
来年はいっぱい咲いてくれますように。

お口直しにとっても気に入ってオトモダチからもらった写真を眺めます。
歩きながら撮ったんですって!

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