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いつも突然に…

石油が高騰し政府が備蓄を放出検討…

のニュースを聞き、いつもよりも早くに彼女のことを思い出す事になった。

高校生当時に彼女と私は石油備蓄の話を真剣にした。
後にも先にもそれ一回きりの真面目な話だった。
『なぜ、日本は石油を備蓄しないのか?』と言う話。

その当時日本が石油を備蓄していないと言う話を授業中に聞いたからだった。もちろん諸外国はしていたように聞いたからこの怒りだったのだと思う。
あまりハッキリした記憶ではない。

インターネットなど普及していないその当時に耳から得るものや新聞だけが全てだった。
新聞など読んでもいなかったし。


卒業後友達は皆就職したなかで彼女だけは短大に進み鍼灸師の資格を取って働き始めた。

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鍼灸師として働いていたものと思っていた彼女から年賀状に混じって突然クリスマスカードが届いた。

なぜ?
どうして?
スウェーデン?

その当時、子育て真っ最中の私は彼女に返事を書いた記憶はない…けれどAIR MAILの便箋と封筒を持っていたと言う事は返事を書いたのかもしれない…

そして、次の年も年賀状に混じってクリスマスカードが届いたけれど、その夏暑中見舞いがこの絵柄のはがきで届いた。日本の消印だった。

またもや突然に…

それから何度も手紙のやりとりしたけれど…

いつの間にか途切れてしまった。


中学校卒業後の、確か30年後の約束の同窓会が延びに延び集まる事となった。その出欠を取ってくれていた幹事の人から彼女の訃報を聞いた。
その他にも沢山の同級生も旅立っていた。

出欠の連絡を取った当時は療養中だったが会に集まる事も出来ずに先に旅だってしまったと…

また、突然だった。

でも、お別れをしていない彼女はまだ同じ世界にいる様な気がして…
なぜ、スウェーデン?
スウェーデンでどんな仕事をしてたの
どんな生活してたの
どんな景色を見て…
いっぱい話したかった…


中、高校生と一緒だった私達も人生の節目がやってきた。来年早々節目を迎える同窓会の通知が届いた。
彼女に会うことは叶わないけれど…
いつか…
私もそちらに行く日が来て会いたい人に会えるなら必ずスウェーデンの話聞かせてよね。
それから…もう時効になった話もあるよね?

今度は突然私がそちらに行くんだろうな…
私の事覚えていてね…

ねぇ、てら。