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人間失格~感情が欠落した父親の物語~ 短編小説[8000文字]

私は昔から人の気持ちがあまり理解出来ないタイプだったのかもしれない。 そういうと、人として思いやりが欠如している事に対して都合のいい言い訳になる。 そんな事を気づかされたのは、元妻の言葉だった。 子供を授かったのは突然の出来事だった。 二十歳の私は酒の勢いもあって避妊を失敗した事から人生は急展開を迎えた。 初めは子供を持つことなんて全く実感が沸かなかった。 その日、いつもの改札前で彼女を待っていた。 大阪駅。 休日ともあって人波で追い出される様に 駅の中の人々が入れ替わっ

    • どれ程いい行いをしても地獄にしか行けない世界。Can only go to hell ~第2編~

      「チュンッチュンチュン」 小鳥のさえずりとカーテンの隙間から差し込む 爽やかな光で目を覚ます。 右側で陸が気持ちよさうに寝ている。 時計を見ると朝の7時を示していた。 「ん~~よく寝たな」 上体を起こして大きく背伸びをする。 1階からガチャガチャと美鈴が家事をする音が聞こえてくる。 ポンポンと陸の頭に手をやると しぱしぱと目を覚ました。 目線があちこちに泳いでいてかなり寝ぼけている。 「ほら、下いくぞ~」 陸を抱きあげて階段を下りた。 「おはよ~」 美鈴が駆け寄

      • どれ程いい行いをしても地獄にしか行けない世界。Can only go to hell ~第1編~

        「ぁぁぁああああ!!!」 体が裂ける様な痛みで絶叫するとともに目が覚める。 なんだこれは…!! どうなっている…!! 無数に巻きたつ炎、ゴォオーという力強く心底怖気づかせる音が耳と脳内を貫く。 体が焼かれる痛みと皮膚が溶け、肉が焼かれた焦げ臭い匂いに包まれている。 置かれている状況と目の前に広がる光景はまさに地獄と呼ばれる構図に相応しい。 裸の自分は鉄製の十字架に貼り付けられて 両手は十字の左右にそれぞれ釘打たれ 両足は十字の一番下に釘打たれている。 まさにキリストの磔状態だ

        • 中古の本を通して過去の読者と繋がった時

          久々に手に取った本。 数年前に相当本を読み漁った時期があった。 最初は店頭に並んでいる人気のありそうな本に 目が止まり、手当たり次第に購入していた。 読者が習慣になると、次第に店頭の本には 目が向かなくなっていき 幅広い分野の本を読むようになり 気づけば中古の本、いわゆる一昔前の 価格落ちした本ばかり購入するようになっていた。 そして今日、手に取った本もそんな中古本の一つだ。 ちなみにドラッカーの言葉を集めた仕事の哲学という本。 いわゆる、自己啓発本だ。 最近仕事に刺激

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        人間失格~感情が欠落した父親の物語~ 短編小説[8000文字]

          無表情な顔に感情が覗くとき

          人の無表情を見たとき 何故かその人の感情がひしひしと伝わってくる瞬間がある。 人の感情は表情から読み取るだけではないらしい。 その人が置かれた立場や状況を限りなく 想像することで 無表情の裏に感情を覗くことができる。 人間の表情は偽りに溢れている。 特に外人に比べて日本人は言葉達者な分 表情による表現に乏しい気がする。 人間の表情は感情の投影ではないと よく知っておかなければならない。

          無表情な顔に感情が覗くとき

          心はクモの巣の様に。

          心の中には無数の糸が張り巡らされていて まるで獲物を捉えるクモの巣の様に 複雑にそして強弱を付けて絡み合っている。 それは、やはりクモの巣の様に狙う標的には 見えない様に工夫されている。 しかし、気づけば自分でも絡まってしまうほど 複雑な作りになっている。 子供の頃は糸がピンと1本だけ張っているだけだった様な気がする。 それはとても張りすぎていて切れやすいが 芯があり太くとても獲物を捉えられる様に 糸が見えない為の工夫は施されていない。 これはとてもシンプルな作りだ。 来る者

          心はクモの巣の様に。

          パラレルワールドを信じる強さ

          パラレルワールドとは。 皆さんどうお考えでしょうか。 僕は何回か死にかけた経験があります。 皆さんも生きてるうちに1.2回は経験してきたんじゃないでしょうか。 少し縁起でもない話をすれば、僕は幼い頃から 死にかける経験を何度かした事で死に対しての 考え方や向き合い方を周りの人より考える機会が 多かったように思う。 小学低学年の頃イカを喉に詰まらせたり、マンションの二階から落ちたり、用水路に頭から落ちかけたり 車にひかれたり、車が大破する事故も2回経験している。 1つずつ小説と

          パラレルワールドを信じる強さ

          散歩 ~人の風景について~

          広々とした玄関に腰を下ろす 靴べらを使い靴を履く。 靴紐を結ぶ。 少し長めの散歩をしようと思うから、きっちり結んだ。 先日のパーティーの時にプレゼントで貰ったルイヴィトンの靴だ。 今時のデザインなのか靴底が厚くクッション性が高く、履き心地に優れておまけに身長も高く見えるという。 世の中ではシークレットシューズとも言うらしい。 丁度、この頃散歩を習慣に取り入れていると話していた友人からの贈り物だった。デキるやつだ。 パーティーの時にはプレゼントを贈り合う事はよくあるのだが、中身

          散歩 ~人の風景について~

          山を見て感じること

          山頂にたどり着き、休憩所のベンチに腰を下ろしてぼーっと山を眺める。 しばらくしてゴォーという音が耳を貫き 少し遅れて目の前の山の木々が揺らめき しばらくするとピタッと止まった。 眼前には綺麗な紅葉樹林の山々が壮大に広がる。 ただ眺めていると山々として見てしまうが 何千本、何万本、何十万本の木が生えていて よく見ると遠くから見ても分かるほどに 木それぞれに微妙な違いがある。 木の色 木の大きさ 木の角度 当然だが近くで見たらもっと違いがあるのだろう。 ただ、近くで見るから気

          山を見て感じること

          マダニに金◯を噛まれた 短編小説

          20歳ぐらいの頃か。 僕がマダニに噛まれた事件を書こうと思う。 事件数日前。 僕は大阪に住んでいたが、出張で山口に来ていた。 その時の仕事は山奥の施設で作業を行う仕事に就いていた。 その日は何事もなく仕事を終えて宿に入る。 丁度一緒に出張に来ていた先輩が仕事を退職することが 決まっていた為、夜はもう一人加わった3人で 送別会を兼ねて飲みに行くことになった。 選んだ先は情熱ホルモン 辞職する先輩が焼き肉好きの為賛同一致で決定した。 が、以前から知ってはいたが僕は肉と酒の

          マダニに金◯を噛まれた 短編小説

          人間という階級

          トントンと、ガラスを叩く音で目を覚ます。 目の前にはこちらを覗き込む男性。 正方形の部屋で叩かれた側の1面のみ透明のガラス張りになっていて 他の面は外が見えない様になっている。 男性は起きた事を確認するとこちらをじっと見つめてきた。 品定めが終わったのか笑みを浮かべ、去っていった。 室内はかなり狭く、寝転がるには十分だが運動できるほどの広さはない。 トイレは角に配置されている。 水と1日2回の毎回同じ食糧だけ与えられる。 ただ与えられたものを食べ、与えられた室内で 生きるしか