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藁は白かった

 この記事は、2017年にブログにあげたものを加筆、再録したものです。

 山梨県身延町といえば、雨畑硯の産地。けれどもう一つ、西嶋和紙もこの地の伝統工芸品です。

山十製紙さん


 西嶋和紙は、三椏(みつまた)を主とした画仙紙を生産しているのだそう。その、西嶋和紙を製造する、山十製紙さんの工場を見学させていただきました。

1.画仙紙は藁でできている!

 書で画仙紙といえば、中国製のもの。適度なにじみ、カスレがあって漢字作品に使われる紙です。和歌や俳句などかな作品を書くには、にじみの少ない和紙を使います。
 けれど実は、日本でも画仙紙は古くから生産されています。ちなみに、画仙紙は、雅仙紙、雅箋紙とも書きます。

 画仙紙の特徴は藁が適度に配合されていること。
 昔、子供のころ「わら半紙」といえば、真っ白な洋紙と比べて茶色みがかった安い紙という印象でした。なので、初めて画仙紙に藁が使われていると知ったとき、中国紙って安ものなの?と思った記憶があります。

 けれど、西嶋和紙の山十製紙さんの工場を見学させてもらったとき、原料の藁を粉砕した原料を見せてもらって驚きました!

2.藁は白かった

右が三椏、左が藁

 藁って、こんなに白いんですね。
 もちろん漂白されているのだとは思いますが、隣に持っている三椏とくらべても、ほとんど同じくらい白い。

 繊維の短い藁が入ることで、漢字作品にちょうど良い「カスレ」と「にじみ」が生まれるのですね。

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