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血液とリンパの流れは皮膚の再生能力と関係する

人間のカラダは約80%の水分で保たれながら、体液(血液・リンパ)として全身に流れ動き、組織に酸素や栄養素が効率的に運ばれ、細胞が生まれ変わり、排出されています。

私達は、皮膚が切傷になったり火傷などの治癒過程で血液やリンパ液を目にすることができます。
最近の子供達は、キズを早くきれいに治す完全防水仕様の貼るだけで自然治癒力を高めるキズパワーパッド(キズ口から体液の侵出液が出てきたのを吸収して膨らみ、ゼリー状のようなゲル状になります)などの使用で、細胞や体液を見る経験も少なくなってきたように思えます。
侵出液には組織の修復と再生に必要な成分が存在し、キズを修復するための細胞の集まりで「体にキズがついたら治す」という人間の予防本能で出来上がっています。

すりキズや切傷で火傷をして血液や透明な侵出液を観察すると、皮膚の治癒過程を観ることができ、皮膚の再生能力やしくみを理解できます。
キズを治すという信号がなくなって、侵出液が出なくなり皮膚が薄いピンク色に変わってくると雑菌の侵入の心配もなくなります。
キズは水道水の水洗いの後、消毒しますが消毒を繰り返すと正常な組織も壊してしまうため、治りを妨げる作用があるので気をつけたいものです。
現代では、切り傷や火傷をする機会も減りつつありますが、もし皮膚再生を見るチャンスがある場合は興味深く観察し、皮膚の再生過程を見ておきたいものです。

細胞の再生機能力の高い人ほど、治癒力は高くなり、その原動力はカラダ中を流れる体液の流れと関係しています。
体液(血液とリンパ液)の流れが悪い原因には、以下のような血管疾患や血栓症、末梢循環障害などの様々な問題があげらます。

①動脈硬化
動脈の内壁にコレステロールや脂肪が蓄積し、動脈が狭くなる状態です。これにより血液の流れが阻害され、血流が悪くなります。

②血栓
血液中の凝固因子が凝集し、血管内で血栓が形成されることがあります。血栓が血管を塞いでしまうことで、血流が阻害されます。

③炎症や感染症
炎症や感染症が血管内の壁を傷つけることがあります。これにより血管が収縮し、血流が滞る場合があります。

④糖尿病
糖尿病の患者は高血糖状態が続くため、血管が損傷しやすくなります。また、糖尿病は神経を傷つけることがあり、血管の制御に関与する神経が機能不全になることで血流が悪くなることがあります。

⑤高血圧
長期間にわたる高血圧状態は、血管を損傷し、血液の流れを妨げることがあります。

⑥冷え症や低体温
寒冷な環境や低体温の状態では、血管が収縮し血液が悪くなることがあります。

⑦運動不足や座りがちな生活
過度な運動不足や長時間座っていることは、血流を悪化させる要因となります。

⑧体の歪みと関節づまり
体の関節づまりや歪みにより、血流が悪くなっている。

体液の流れの悪さは、体の体温と関係しています。
冷え症は、一般的に体温が低下し、手足の末端やカラダの一部が冷たく感じられる状態を指します。個人によって症状や過程は異なりますが、一般的に以下にような問題を引き起こす可能性があります。

①血液循環の低下
冷え症になると、末端血管(手足や皮膚の血管)が収縮し、血液の循環が悪くなります。これにより、カラダの一部に酸素や栄養素が不十分に供給される可能性があります。血液循環の低下は、組織や臓器の機能に影響を及ぼす可能性があります。

②免疫機能の低下
体温が低い状態が続くと、免疫機能が低下する可能性があります。免疫システムは体内の異物や病原体に対抗する役割を果たしますが、低体温ではその機能が弱まり、感染症への抵抗力が低下する可能性があります。

③筋肉の緊張やこわばり
冷えた状態では、筋肉の緊張やこわばりが生じやすくなります。これにより、筋肉の柔軟性や動きが制限され、カラダの不快感や痛みが引き起こされる可能性があります。

④冷えによるストレス反応
長時間の冷え状態はカラダへの負担となり、ストレス反応を引き起こす可能性がります。ストレスはさまざまな身体的な問題を引き起こす可能性があり、冷え症がストレス反応を促進することがあります。

したがって、冷え症が続くと、カラダの様々な機能に影響を及ぼす可能性がります。体温の低下や血液循環の低下により、カラダの一部に栄養や酸素が不十分に供給され、免疫機能が低下し、筋肉の状態が悪化する可能性があります。

以前にも体温を1度上げると免疫力が何倍にも高くなることをご紹介しましたが、体温を上げることは良い場合と体に負担がかかる悪影響することもあるため、専門家によく相談しながら、正しく判断が必要です。

①血管の拡張
体温が上昇すると、血管が拡張します。これにより、血液の流れが改善され、組織に酸素や栄養素が効率的に供給されます。また、血管の拡張は血圧を一時的に下げることがあります。

②免疫システムの活性化
体温の上昇は、免疫システムの一部である白血球の活性化を促進することがあります。白血球は感染や炎症などの免疫応答に関与しており、体温の上昇は免疫機能を改善する可能性があります。

③痛みの緩和
一部の痛みや筋肉のこわばりは、体温が上昇することで緩和されることがあります。熱を加えることで血流が促進され、筋肉の緊張や炎症が軽減される場合があります。

"体液(血液・リンパ)の流れが悪いカラダ"は、
"冷え症や低体温などの体温が低いカラダ"でもあり、
"関節づまりや歪みがあるカラダ"でもあり、
"全身の新陳代謝や皮膚排出が悪いカラダ"でもあり、
"皮膚の再生能力が低いキズの治りにくいカラダ"でもあり、
"全身の組織の細胞の再生能力が低い病気になりやすいカラダ"でもあるということになります。


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