「外国語の発音矯正には日本語の音声学の要素が7割」

昨日、一昨日と、フランス語の発音を改善する上で、「綴り字」と「プロソディー」がいかに重要かということを語ってきました。で、これだけ言ってると、rに代表される、個別の子音/母音の発音が重要じゃないかのように思われるかもしれません。ですが、当然ながら重要です。ただ、僕は、こうした個別の発音を学ぶときは、下記のように日本語音声学だったら、または当該外国語と日本語の発音比べてるものを使ったほうがいいと思います。


ちなみに、なぜ日本語音声学を学んだほうがいいのかに関しては、昔送った下記のメールを参考にしてください。


(以下転送)

>「外国語の発音矯正には日本語の音声学の

>要素が7割」との解説に目からウロコです。

>宜しく御指導お願い申し上げます。

もう、本当に言いたい! そりゃ、
日本語音声学わかる方が効率いいよって!


なぜなら、学習というのは、

・物事の関連に気づくこと!

だから。ということは、関連させる
情報は多い方がいい。で、僕らはフランス語の
発音が完璧ではない。

だから、フランス語の音声学を聞いても
よくわからない。だから、一度日本語の音声学
を学び、その上で、

・外国語の音声学を学ぶと圧倒的によくわかる!

んです。なぜなら、日本語の発音は完璧だから。

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ちなみに、上記の感想をくれた人からは、下記のような質問をもらい、それに対しても、メールで答えてます。転送するので、読んでみてください。

(以下転送)

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日本語の音声学といえば、以前海外のアニオタ仲間から以下の質問を受けました。
エヴァンゲリオンの登場人物・アスカの名前がasuka でなくaskaに聞こえる。語尾の「です・ます」もu の音が抜けてdes mas に聞こえる。
このuの音が抜けるのに何か規則性があるのか、でした。
この質問に全く答えられず、情けない思いをしました。
日本人なのに日本語に関してあまりに無知なんだと。
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これは下記の東京外大のページで
話してる母音の無声化という現象ですね。

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母音「い」「う」が無声子音に挟まれたときや、文の最後
に来たときに、母音「い」「う」の声帯の振動がなくなって、
母音が聞こえにくくなることがあります。

この現象を「母音の無声化」といいます。

日本語では、カ行音・サ行音・タ行音・ハ行音・パ行音の子音
が無声子音です。母音が聞こえにくくなるのは、「き・く」、
「し・す」、「ち・つ」、「ひ・ふ」、「ぴ・ぷ」の後ろに
カ行音、サ行音、タ行音、ハ行音、パ行音が連続した場合です。

たとえば、 「すき(好き)」 「きく(聞く)」 「くさ(草)」
「つき(月)」 「した(下)」 などの単語の中の、無声子音に
挟まれた母音は無声化して聞き取りにくくなります。

また、これらの音が文末に来たときも無声化が起こりやすく、特に
「〜です」の「す」、動詞の「〜ます」形の「す」は普通無声化します。

http://www.coelang.tufs.ac.jp/mt/ja/pmod/practical/03-03-01.php
*****


で、これがダイレクトにフランス語の
発音に関わってくるわけではありませんが、

しかし、こういう現象を知らないと、日本語
のルールを無意識に当てはめてしまい、そして
外国語の発音が悪くなるのも、また事実です。

(転送終わり)


というわけで、フランス語に外国語の発音を改善したいなら、一度日本語音声学を軽くでもいいからかじったほうがいいです!

今日はこの辺で!

では!


井上大輔


追伸

効果的な外国語の学習方法知りたい人はこちら



高度な外国語力を身につけたい人、テストで結果を出したい人に向けて役立つ情報をつぶやき中。TOEIC980点。早稲田英文→早稲田仏文修士→上智外国語学部修士→上智大学博士課程在学中。英語・仏語・西語・伊語の参考書&翻訳書も出版。著書一覧→http://amzn.to/jzUDtr