C;ON(シーオン)武道館への道 #16 がきおの「シノゴノ云わずファボります」 24.05.08.
「道」の先にあるもの
「C;ON MAJOR DEBUT ANNIVERSARY ONEMAN LIVE」
ご無沙汰しております。ゴールデンウィークの旅行の準備や、そもそもの休めるための前倒しでの仕事に勤(いそ)しんでおり、シーオンの活動について書き記すことができませんでした。次回は2月からの振り返りにしたいと思うのですが、今回は一昨日の5月6日、「LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)」にて開催されたワンマンについて感想を綴(つづ)っていけたらと思います。
(5月11(土)23:59まで配信でライブ配信のアーカイブがみれますので、まずはそちらをご覧ください)
収容は約2000人。3階まである客席と豪華なステージ
1月13日のワンマンで「LINE CUBE SHIBUYA」でのワンマンが発表されましたが、名前を聞いても「どこ?」って感じでした。後で渋谷公会堂とわかりテンションが上がりましたが、自分自身は約20年前に行ったきりでした。
とても綺麗な会場で「こんなにリフォームできるものなのか!」と驚いたのですが、先ほど調べたら2019年に建て替えていたようです。
どうりで綺麗なわけです。
チケットはすでにソールドアウトされていて、その綺麗な会場内はファンでいっぱいでした。
8年目の節目に集まった人たち
肝心のライブです。
ステージ上について触れる前に、自分は後方の2階席や3階席の反応を気にしていました。今回のライブは無料の席が大半なのでシーオンを初めて観た人も多かったはずです。
冒頭の挨拶でも栞音さんが話していましたが、0円で入った人がこのライブを観ていくらの価値を見出してくれたのか。
お金が全てではありませんがいくらくらいだったんでしょうか?
それはわかりようがないものの、後ろの無料席の人々の反応が気になっていました。
バンドとしてシーオンが魅せてくれた「道」
毎回のことで恐縮ですが、ライブはとにかく素晴らしかったの一言。
その中で5人の音のみで披露された「道」が印象的でした。
30年以上前の小室哲哉さんによるエッセイの中で、
「(所属している)TMNはユニット、バンドではない」と書かれていたのをいまでも覚えています。
「TMNの音はギターやベース、ドラムなど、サポートメンバーの音がないと成立しない。メンバーの音だけで成立するグループはバンド。そうでないグループはユニット」
小室さんの定義はこうでした。
現在は30年前よりもサンプリングやDTMで容易に成立するとは思うのですが、小室さんの定義でいうところの「バンドモード」のシーオン、5人が歩んだ「道」、目の前にある「道」を想像できて感動的でした。
武道館の音
3年前の4月にシーオンを初めて観て、聖奈さんから「目指せ武道館!」と書かれたカードをもらいました。特典会で最初にもらう物です。
その時に少々違和感があったのは「シーオンのステージって武道館向きか?」というところでした。
繊細な調べが魅力だと思っていたので、別に武道館を目指さなくても、動員を増やすにはホールを繰り返せばいいのではないか、という思想がその違和感を生んだ正体です。
もちろん「アイドルの目標→武道館」というのはわかりやすい!
どうやらシーオンを観た初期のころは、今よりもアーティスト寄りに観ていたようです。
ペンライトにも違和感がありましたし、TIFなどのタイムテーブルで名前をみたことがなかったのは「あたし達、そういう(アイドル的な)見方をあまりされたくないので」と断っているのではないかと思ったくらいです。
佳子さんに「TIFとかアイドルフェスって出たいの? (栃木をフィーチャーした)ギュウ農フェスとかも?」と3年前に訊いたことがあります。もちろん「出たい」という返事でした。
話を戻しますと、22年1月の1000CLUBでのワンマンから少しずつバンドセットで観る機会も増え、阿久津健太郎さんの分厚いアレンジの曲がシーオンの新たな顔を担うようになると、「大箱仕様にシフトしている」ことを実感できるようになりました。
今回のライブもまさにそれで、「見える! 武道館に立つシーオンが見える!」これがメジャーか! と思わせるものでした。
そんなサウンドの変化があっても、武道館では「5人のシーオン」も観たい。
武道館向きではなくてもすべての客を満足させる力。
かつて上原ひろみさんとチックコリアさんとのピアノセッションを武道館で観たときにそれを感じました。
5人のパフォーマンスにもそんな力を感じた「道」でした。
佳子さん杏実さんの母校吹奏楽部との共演
ハイライトは佳子さん杏実さんの母校である宇都宮短大附属高校とのコラボ演奏だったのではないでしょうか。
ライブの前半に後方席の反応をみていて、3階席の客が一斉に動いているのがわかりました。学生風だったので「母校の生徒なのか」とよぎったのですが、それ以降、ライブに夢中ですっかり忘れていました。
幕がステージの後ろにあることはノーマークで、開いた時の壮大さに圧倒されました。
耳のいいファンの方は「○○担当の生徒の演奏が良かった」などとXで投稿していましたが、目にした生徒はきっと喜ぶでしょう。
自分はあまりよくわからなかったですが、単純に故郷に錦を飾る姿、音楽で先生、メンバー、生徒、と世代を超えることの尊さに心を打たれました。
過去のブログでもこういった共演を夢見ていると触れていたのですが、それはもう少し先のことと想定していて、早まったのは「エイベックスでメジャーデビュー」と関係があると睨(にら)んでいます。いささか考えすぎでしょうか。
メジャー進出がプラスに
いくら卒業生とはいえ小さな組織からの依頼だと、信用という面で学校側もコラボに躊躇したと思います。
やはり学生を預かる立場で、東京まできて演奏するというのは大変な労力です。
目標とすべき大会もあるはずです。
そこにエイベックス。
この後ろ盾が好影響を与えてくれたと思います。地方紙の記事や地元局でニュースとして取り上げられるシーオンを親御さんも目にすれば安心できたはずです。会場も由緒ある渋谷公会堂ですから不足はないでしょう。
2月のLEC(ライブエンパワーチルドレン)の参加もそうですが、メジャー移籍がシーオンに新たな可能性を提示してくれています。
今できることを
プラスの面ばかりですがマイナスの面は、今のところありません。封印かな?と思っていたカヴァーもやりました。
過酷なリリイベもないし、まだリリースがされていない。
この辺り、のんびりしているなと拍子抜けするほどですが、現在のシーオンに「お金のにおい」がしないと思われているのでしょう。
メジャーレーベルなら、儲かるとわかれば「ラスト・インディーズ」を出さずに「ファースト・メジャー」で出せ!と要求しそうなもの。
投資する段階で、回収を焦っていないのはありがたいこと。ですが、この段階こそが本当に勝負の時。貴重な出会いを通して、自分たちの音楽を追及することこそが、未来のシーオンに繋がるのではないかと思います。
売れてからじゃあ、遅い気がするのです。
次のワンマンは2025年2月15日(土)、会場はパシフィコ横浜国立大ホール。キャパは5000人です。
2022年の1月29日の1000CLUBでのワンマンのキャパは500人(コロナ禍のため)でしたので、約3年で10倍になりました!
今回のライブで5000人の客でも、シーオンには満足させられる力量があることを強く感じました。
それは演者の音の面だけではなくて、スタッフによる演出の面でも同様です。TEAM C;ON は強い!
ただ3年前は「いる?」と思っていたペンライトも、3年持ってから手にしなくなると寂しいときもあります。
照明の効果はとてもよかったです。次は光るリストバンドを客に配って、自由に光らせていただくのはどうでしょう。
きっと、あの曲の時は白にしてくれると信じていますので。
夢の実現が射程圏に入ったのではないか。
そう感じることのできるワンマンでした。
最後に(推しについて)
ここまで読んでいただいた皆様。本当にありがとうございます。ここからは、自分の推しへの想いですので、ここまでで十分です。
ライブを振り返ると、「いやあ、最高だった」「素晴らしかった」という語彙力不足に陥(おちい)ります。それを無理やり思い出そうとするのですが、ライブの80%くらいは愛佳さんしかみていないから無理もない。
ステージを俯瞰(ふかん)した感想がなかなか書けないのは、きっとあなたのせい、なんです。
じゃあ、愛佳さんへの洒落た感想を書けるかというと、やっぱり「最高だった」「素晴らしかった」が先にきてしまう。すみません。自分のせいでした。
ライブ後半に突然靴を脱いだ愛佳さん。靴擦れしたのか、お立ち台に上がりにくかったのか、ただ邪魔くさかったのかよくわからなかったのですが、靴という生活感のある「俗」なものをとって素足になった姿に神聖なものを感じました。
衣装も新しかったので、「普段」から離れた尊い存在のように思えたのです。
今ではよく使われるようになった「歌姫」という言葉。
どちらかというと、歌もトークも丁寧に日本語を紡ぐ栞音さんが「歌姫」、リズムの取り方や力強さ英語のうまさから、愛佳さんは「ディーバ」という印象でした。
でも素足で歌う姿に「歌姫・絹井愛佳」を見ました。
その後に、栞音さんと並んだら「こんなに小さかった?」となり、急ぎながら靴を履き直す姿は「元気な18歳の少女」そのもの。
そのどちらも魅力的で、だからこの人から目を離せないんだなと、ひとり納得するのでした。
最高の時間をありがとう!
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