咢堂ファン/ガガガーガ・ガークドー

尾崎行雄(咢堂)ファン。現在は『民主政治読本』を新字、新仮名に直して投稿しています。

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尾崎行雄(咢堂)ファン。現在は『民主政治読本』を新字、新仮名に直して投稿しています。

マガジン

  • 尾崎行雄『民主政治読本』

    尾崎行雄著『民主政治読本』 底本には、「尾崎行雄『民主政治讀本』(日本評論社、1947年)(国立国会図書館デジタルコレクション:https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1438958, 2020年12月24日閲覧)」[公開範囲は2020年12月24日時点で「インターネット公開(保護期間満了)」]を使用しました。 公開にあたり、旧字、旧仮名遣いの表記を新字、新仮名遣いの表記にあらためました。

  • 尾崎行雄『憲政の本義』

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尾崎行雄『民主政治読本』:目次

目次この本を書く私のこころ オザキ・ユキオ―2020年12月24日公開 1.日本やぶれたり(上)敗戦のうた ―2020年12月24日公開 日本はなぜ敗けたか ―2020年12月24日公開 イギリスの大憲章 ―2020年12月24日公開 生命財産を守る道 ―2020年12月24日公開 封建政治と立憲政治 ―2020年12月24日公開 憲法で与え法律で取る ―2020年12月24日公開 2.日本やぶれたり(中)うぬぼれのたたり ―2020年12月29日公開 民党吏党 ―202

    • §13.7 酔っぱらいの禁酒演説/ 尾崎行雄『民主政治読本』

      酔っぱらいの禁酒演説 どんな頑固者でも,今後の日本が,敗戦前のような国家至上主義サザエ主義では救われないことはわかるであろう.それどころか,日本が本当の平和国家として立ちなおる精神的基盤は,世界主義・国際主義・平和主義より外はない.  世界経済は,2度の大戦のにがい経験をへて,いよいよはっきり,すでに高等動物程度の有機的関係におかれていることを証明した.こういう世の中では,どんな大国でも自国の経済を世界経済からきりはなして自国だけで繁盛することはできない.まして日本のような小

      • 8.選挙人は政治問題の終審裁判官/ 尾崎行雄『憲政の本義』

        八 選挙人は政治問題の終審裁判官  帝国憲法が、廃棄若しくは中止せられた時は、格別だが、いやしくも然らざる以上は、如何なる政府でも、衆議院の協賛を得ばければ、前年度予算を執行するより外、何事をもなす事が出来ない。故に代議士が、その主義政策さえ固守すれば、如何なる政府といえども、遂にこれに屈伏せざるを得ない。然し代議士をして、その主義政策を固守せしめるには、選挙人は幾たび解散に遇っても、常に同主義同政策の候補者を選出する覚悟なくてはならぬ。挙国選挙人にして、いやしくもこの覚悟が

        • 7.選挙人の腐敗は立憲政体の最大併毒/ 尾崎行雄『憲政の本義』

          七 選挙人の腐敗は立憲政体の最大併毒  立憲政体の弊害中、最も憂うべきものが二ある。事の善悪を問わず、議員が政府に反対するは、その一であって、これに盲従するのは、その二である。議員が妄りに政府に反対する弊害は、列国の憲法は、皆なこれを予想して、その予防法を設けているが、議員が妄りに政府に盲従する弊害に至っては、何れの国の憲法も、これを予想しないから、その予防法を設けたものはない。しかして議員若し事の善悪を問わず、悉く政府に盲従すれば、その弊害は国会のないよりもなお甚だしい。

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        尾崎行雄『民主政治読本』:目次

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        • 尾崎行雄『民主政治読本』
          99本
        • 尾崎行雄『憲政の本義』
          8本

        記事

          6.人畜の相異は選挙権の有無に在り/ 尾崎行雄『憲政の本義』

          六 人畜の相異は選挙権の有無に在り  立憲国民は、生命財産の権利ある人類であるが、専制国人民は、これを持たない禽獣的動物であることは、前にもしばしばこれを説明した。しかして法律上に於ける二者の相違は、一はその生命財産の保管人則ち代議士を選挙するの権利を持ち、他はこれを持たないと云う一点に外ならない。故に政治上に於ける人類と禽獣の差異を煎じ詰めれば、選挙権を持つと持たぬとに帰着する。然るに人類唯一の政治的資格とも云うべき、この選挙権を売買するに至ては、その無智不徳、少しも禽獣と

          6.人畜の相異は選挙権の有無に在り/ 尾崎行雄『憲政の本義』

          5.帝国憲法の神髄/ 尾崎行雄『憲政の本義』

          五 帝国憲法の神髄  帝国憲法は、七十六ヶ条の多きに及び、その規定する所、広く諸般の事項に渉っているが、要するに君民の権義を確定し、人民の生命、財産、その他の権利を保証するに外ならない。  帝国臣民は、奴隷に非ず、禽獣に非ず、かえって生命財産の権利を保有するところの人類である。故にいやしくもこれに関係する所の法律は、所有主の代表者たる衆議院議員の協賛を受けねばならぬ。特に租税の如きは、よってもってこれを徴収するところの法律制定に際して、人民総代の同意を得なければならぬ。のみで

          5.帝国憲法の神髄/ 尾崎行雄『憲政の本義』

          4.明治天皇陛下の最大偉業/ 尾崎行雄『憲政の本義』

          四 明治天皇陛下の最大偉業  明治天皇陛下は、御即位の始にあたって、早く既にここに見る所があらせられ、この民の智徳を開発し、もって人類の本分を自覚せしめようとして、その方針を確立し玉うた。かの天地神明に誓うに「広く会議を起し、万機公論に決す」をもってし玉うたのは、その明徴である。陛下は尋《つい》で[#「尋で」は底本では「尋て」]全国に、大中小学を設け、泰西立憲国の教育法を参酌し、以て人民の智能を開発する道を講じ玉うた。その間有司或は聖旨に背戻し、官学を以て民を愚にするの具に供

          4.明治天皇陛下の最大偉業/ 尾崎行雄『憲政の本義』

          3.立憲政体維持の必要条件/ 尾崎行雄『憲政の本義』

          三 立憲政体維持の必要条件  立憲政体維持の必要条件は、外でもない、人民をして人類であることを自覚せしめるに在る。政治上において人類と称するのは、生命財産その他の権利を有する者を云う。これを有せないものは、人面を被《か》ぶる所の禽獣にすぎない。飼牧者のために、生殺与奪の全権を掌握せられる所の劣等動物にすぎない。  人民をして、人類である事を自覚せしめ、また生命財産の所有主である事を自覚せしめ、またいやしくもこれが所有主である以上は、生殺与奪の全権は、これを主治者に掌握させるべ

          3.立憲政体維持の必要条件/ 尾崎行雄『憲政の本義』

          2.専制政体維持の必要条件/ 尾崎行雄『憲政の本義』

          二 専制政体維持の必要条件  然しながら、人民を、禽獣状態に安んぜしめるには、必ずこれを暗愚ならしめねばならぬ。奴隷根性を養成せしめねばならぬ。「啼児と地頭には勝れぬ」と云うが如き思想を維持せしめねばならぬ。「御上の御無理はこれを御尤もと思う」の習慣を教養せねばならぬ。人類の禽獣との区別すら、これを知らせないようにしなければならぬ。ましてや「人には生命財産その他の権利あり」と云うが如き思想を起さしめるのは、専制政体の最大禁物である。朝憲紊乱の危険思想として、飽くまでこれを撲滅

          2.専制政体維持の必要条件/ 尾崎行雄『憲政の本義』

          1.専制治下の人民は生命財産の権利を持たぬ/ 尾崎行雄『憲政の本義』

          一 専制治下の人民は生命財産の権利を持たぬ  政治家が、政治の目的物たる人民を治める方法は、これを大別して、二種とする事が出来る。  人民は、生命財産を始め、その他一切の権利のないもの、即ち禽獣同様な者と視做《みな》して、これを治めるのが、その第一種であり、人民でも、生命財産の権利を持っているもの即ち人類と視做《みな》して、これを治めるのが、その第二種である。  第一種の為政法を、専制政体と云い、第二種を立憲政体と云う。故に専制治下の人民は、禽獣同様の動物であって、立憲治下の

          1.専制治下の人民は生命財産の権利を持たぬ/ 尾崎行雄『憲政の本義』

          尾崎行雄「憲政の本義」:目次+『貧者及弱者の福音』序文

          普選の運用を有効ならしむべき手段方法は、前四篇に於てクドすぎるほど詳説した。今ま従来の選挙人が其権利の行使を誤り、以て自ら現在の如き困難を招来した最大原因を尋ぬれば、彼等が未だ憲政の本義を解せず、選挙権を、其仇敵に譲渡したるの一事に帰着せざるを得ない。是れ私が多少の加筆修正を加え、大正初年の旧稿を掲げて、普ねく新旧選挙人の※[#判読不可、30-16]※[#判読不可、30-16]を煩わす所以である(昭和二年九月追記) 一 専制治下の人民は生命財産の権利を持たぬ 二 専制政体

          尾崎行雄「憲政の本義」:目次+『貧者及弱者の福音』序文

          今後の投稿―『憲政の本義』復刻と『民主政治読本』一時停止

           ご無沙汰しております。今後の投稿についてご案内したく、執筆します。  単刀直入に申し上げれば、『憲政の本義』の復刻を始めるかわりに、『民主政治読本』の方はお暇を戴きたいということです。この理由は、衆議院議員の任期満了が近づいてきた、言い換えれば、、選挙が迫ってきたということにあります。 『民主政治読本』の更新状況『民主政治読本』の更新は既に12章まで終わり、13章「国家主義より世界主義へ」の更新に着手しておりました。 『民主政治読本』の各章の内容に関して、12章までが咢

          今後の投稿―『憲政の本義』復刻と『民主政治読本』一時停止

          §13.6 鵜のまねをするカラス/ 尾崎行雄『民主政治読本』

          鵜のまねをするカラス  戦前,私が日本の国家至上主義者に与えた警告の要旨は――広い領土と豊富な物資をもっている国なら,国家主義を高調してその独占的利益を守った方が得策だ.これに反し,領土もせまく,物資の貧弱な国があまり国家主義を高調すると,手も足も出ない破目に落ち込むおそれがある.なぜなら,国家主義を高調すれば,勢い国家のなわ張りを強化して,このなわ張りの中には他国を入れないということになる.こっちがなわ張りをかためて他国のはいって来ることを拒めば,相手もなわ張りをかためて,

          §13.6 鵜のまねをするカラス/ 尾崎行雄『民主政治読本』

          §13.5 世界憲法/ 尾崎行雄『民主政治読本』

          世界憲法  世界一家といっても,それはもちろん,ただちに全部の国境をなくしてしまえというのではない.世界中の大中小のあらゆる国家が相談して,どこの国も反対できない道理にもとづいて,世界憲法というような大憲章をつくり,一切の国家間のもめごとは戦争に訴えずに,この大憲章で定めた国際裁判の判決によって解決する.そんなことはできるものかというのは,武士がたい面をけがされた場合,お上に訴えてよいか悪いか裁いてもらうなどとは卑怯千万,刀にかけて自己のたい面を守るのが真の武士道だと考えた,

          §13.5 世界憲法/ 尾崎行雄『民主政治読本』

          §13.4 依然群雄割拠/ 尾崎行雄『民主政治読本』

          依然群雄割拠  個人間の道徳では,小さいものが自己をぎせいにしてより大なるものに奉仕することを善事という.自分の利益をすてて,部落の繁栄をはかるのはいいことである.一部落の繁栄をぎせいにして,一地方の利益をはかるのはいいことである.一地方の利益をぎせいにして国家に奉仕するのはいいことである.この理をおしすすめてゆけば,国家の利益をぎせいにして,全世界全人類の平和と幸福のためにつくすことは,いいことだといわねばならぬわけであるが,事実は全くこれに反し,全世界全人類の平和と幸福を

          §13.4 依然群雄割拠/ 尾崎行雄『民主政治読本』

          §13.3 もう一歩前進せよ/ 尾崎行雄『民主政治読本』

          もう一歩前進せよ  そこで考えさせられることは,もともと人民の生命財産の安全を保障するのが役目の国家が,戦争を始めてあべこべに人民の生命財産を危険にさらすと,人民は自ら進んで自分の生命も財産も投げ出して,国家のためだと勇み立つ.戦に敗けて最大不幸のどん底に落ち込んでも,国家がやったことだから仕方がないとあきらめる.  よりよき生命財産の安全保障を求めて,酋長時代より封建制度へ,封建制度より近代国家へと一歩一歩進んで来た人間の智慧である.もし,近代国家の仕組みでも,人民の生命財

          §13.3 もう一歩前進せよ/ 尾崎行雄『民主政治読本』