著者との出会い=忘れられない?名シーン① 斎藤喜博先生の巻

「昨日は、ありがとうございました。
著者との出会い、斎藤喜博先生や国分一太郎先生の話はとりわけ興味深く
面白かったです」
 
前の会社で一緒させていただいてた先鋭二人と、小社の新人さんの4人で
「フグを食する会」を開催しました。
その御礼メールを読み、そうだ、もう誰も知らないエピソードを秘蔵(笑)していないで、折を見て披露していこうと決意(笑)しました。

斎藤喜博先生の強烈な印象は、編集の大先輩・江部氏のお供で、斎藤宅を初訪問した時の出会いです。
群馬・玉村在住の斎藤先生宅は、交通の便は悪いけど、林の中の一軒家みたいな佇まい。
林の中に招き入れていただき、挨拶もそこそこ、座ると同時に、
「この教材、あなたたち、どう解釈する?」と畳み込んで質問されました。
教材は忘れもしない島崎藤村の「図書館」でした。
藤村といえば、
・千曲川旅情の歌が、信州の祖父の家の屏風にあったこと。
・初恋の、まだあげそめし…の「初々しさが素敵な歌」
・「夜明け前」の出だしの名文。
というあたりで脳内は空っぽ。あ、そうだ、夜明け前は部落出身の青年教師が主人公だった。
と追加したのではありますが、「図書館」という題材の文章は知らなかった。
というわけで、なんと答えたかまったく記憶にございません。

その日は、夕方から母屋にいれていただき、奥さまの手料理をいただきました。
といっても、お庭で収穫されたモミジ葉の天麩羅、お豆の煮ものぐらい(笑)しかないので、すきっ腹にアルコール、もう酔いがまわってしまい、何回もトイレ通いしてました。

それにしても、あのトイレ群、民家のそれではない。
何しろ学校のような感じで沢山ならんでいたのです。
斎藤宅での研究会など沢山の方が集まるので自然にトイレも増やした?
 
お話の中では、公開研を見に来られた東大のF教授に、感想を求めたら、
「“大学に帰ってからじっくり考えてから述べる”なんていってるんだから、研究者はだめなんだ。
いま、目の前で見たことの感想もいえないんだから」
と憤慨されていた、あの横顔、忘れられないド迫力でした。
そうだ、「図書館」改めて読んでみよう。


山口の某先生からいただいた「ふぐの絵をあしらった可愛い湯呑」
もう20年も鉛筆立てに愛用してます。

(文責:経験豊かが尊ばれず?の世を嘆いているHさん)

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