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蒲田健の収録後記:吉本ばななさん

何の特別なこともない。でも積み重ねるとそれは何か大切な塊になる

吉本ばななさんの最新刊「切なくそして幸せな、タピオカの夢」

食事は生命活動にとって絶対的な必要条件。だが幸せな人生を送るためには、

単に栄養素を取り込むことだけでは、十分ではない。愛する人たちと食卓を囲み

時間を共有することで人生の彩りが増してくる。

それは毎度豪華でドラマティックなメニューである必要があるわけではない。

むしろ一見何の変哲もない内容のものであることが大半であろう。だがそういう

何気ないものが日々少しずつ地層のように重なっていくことにより、やがては

かけがえのない人生の姿が形作られる。

肩ひじを張る必要はない。だが人生が誰にとっても有限の時間である以上、

日々の食事にその都度丁寧に向き合ってその時間を慈しむことは、人生をより

素敵なものにしてゆくスパイスとなるだろう。

「各々が なるべくならば 幸せに

         愛する人と 食することで」

P.S. リアリティという見地で「24」と「エイリアン」を大きく分かつものが

“食事のシーンの有無”であるという指摘、なるほど、です。



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