蒲田健の収録後記:金子達仁さん

事実は小説より奇なり

金子達仁さんの最新刊「プライド」

今から20年前、1997年10月11日。

「最強プロレスラー」高田延彦が「400戦無敗の男」ヒクソングレイシーと

東京ドームで相まみえた“PRIDE 1”。この、格闘史に残るこの伝説の一戦の真実を

追ったドキュメンタリー。リングで対峙した2人、そしてこの一戦の実現に向けて

奔走した1人の会社員、この3人を軸にストーリーは展開される。


様々な形で語られてきたビッグイベントであるが、今まで我々が知っていたのは

氷山の一角にすぎなかったということを思い知らされるエピソードの

数々(金子さんご自身の表現を借りれば「極上のネタ」)にグイグイ引き込まれる。

歴史に「if」は無い。後から振り返れば、全ての事象は必然として時系列に

つながる。

だが、もしその日野球の試合結果が違っていれば、もしそのメンバーで

飲んでいなかったら、もしその人がヒクソンとのイベントに関わりを

持っていなかったら・・・、ボタンが一つでもかけちがっていたら、

「1997年10月11日」はなかったはずである。

最終ページで明らかになる数奇な巡りあわせも含め、まさに、事実は小説よりも

奇なり、である。

「このはなし ちとできすぎじゃありません?

           でも本当に おきたことです」

P.S. 「ライターズハイ」とでも云うべき一種の躁状態で一気に書き上げたという

今作。構成や方法論も含めノンフィクションの名手・金子達仁が更に

バージョンアップした記念碑的作品になったと言っても過言ではないでしょう。

恐れ入りました。




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