今でも心に残っている


#大切にしている教え

この教えは誰から教わったのか覚えていない。親からも知れないし、塾の先生からも知れない、もしくはテレビのアナウンサーやタレントが言っていたかもしれないが、覚えていない。
だが、言葉だけははっきりと覚えている。それは、
『それは100人が死んだ事故ではなく、1人が亡くなった事故が100件あったという事だよ』

自分は高校生の時から演劇をやっていて今も続けているのだが、この言葉はずっと心の中に大切に保管している。高校生の時には脚本を書き始めて(世には出ていない)、今では授業で小説を書いている時にも大切にしている教えである。
演劇にしても小説にしても、そこには人間が存在する。その人には過去があって今があって未来がある。自分はその人間の一部の人生を表現したり描いている。
そこに出てくる一人一人には生活があって、大切なものがあって、悩んでいることもある。それを作品に出てくる単なる人間ではなく、作品に出てくる○○という人間であるという事を忘れてはいけないんだと思っている。

たぶんあの言葉は東日本大震災の時に聞いたのだと思う。確かにニュースでは「何百人、何千人という人が亡くなった事故・事件が一つ」かもしれないでも、確実にその人たちには人生がある。
だから「一人が亡くなった事故・事件が何百・何千件」であるという事を忘れてはいけない。
少なくとも物書きをしている人間であるならば。
自分はそう思っている。

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