精神的に強靭な人間
先年亡くなった漫画家の水木しげる先生は、子供の頃手がつけられない不良少年で、配下の子供を集団暴行して、やられた子供が転校してしまうくらい暴れまわっていたそうです。
晩年、水木しげる先生が自伝を書くときに、その思い出をそのまま書いたので、編集者がさすがにこれはまずいだろうと思って水木しげる先生に「ここの箇所はまずいので直してもらえませんか?相手の子供に悪いとか思いませんか?」と搦め手で遠回しに諌めたのですが、水木しげる先生は「当時の事は特に良いことをしたとも悪いことをしたとも思ってません。何も思ってません。自分はドライだったから」と平然と答えていたというエピソードが呉智英さんの著書で紹介されていました。
千代の富士も現役時代に八百長をやりまくって相撲界を荒らしまくってましたが、晩年インタビューされたとき『当時の事は特に良いことをしたとも悪いことをしたとも思ってない。何も思ってない』と答えてましたが、
強い人間って、そういうもんなんでしょうね。
ドストエフスキーの『死の家の記録』を読むと、シベリア収容所の凶悪な犯罪者囚人も、強い人間ほど『俺は自分のやったことは何も思ってない。悪いことをしたとも思ってない』と話してましたし。
自分の体験から実例を書きますけど、
私の通っていた長野県岡谷東部中学校の学生時代、
東中連合という不良集団が職員図書室を占拠して暴れており、授業妨害もしょっちゅうで、
卒業式には私服警官に保護者席に入ってもらわなければならないくらい学校が荒れて いました。
東中連合の不良に体育館の窓ガラスが全部割られてしまう事件も起きましたし、
東中連合の不良が大暴れして、止めようとした女性教師がボコボコに殴られて、顔面複雑骨折の重傷を負って長期入院する事件も起きました(普段体罰指導していた男性教師はこういう時は意気地がなくて、ビビって傍観してましたねwww)。
その東中連合の中心人物で学校を荒らしていた和田収君は
卒業後『ワダ・エンタープライズ』というお会社の社長となり、PTAの会長をしたり子供の教育にも大変熱心に取り組むお父様になったそうです。
それで先日、
『ワダ・エンタープライズ』を訪問して和田収君に会ってきました。
もちろん勤務時間中だと業務妨害になる可能性があるので、事前に警察署に寄って事情を話して、
『お互い社会人ですから暴力振るったりということは無いと思いますけど、勤務時間外に会って話すということなら問題ないですかね?』
と確認を取りました。
担当してくださった警察官が『勤務時間外で相手が会って話してくれるという了解をとっていれば、警察としましては民事不介入ですから、特に問題ありません』
と言ってくれたので、
勤務時間後の17:15にワダエンタープライズを訪問して会議室脇の応接スペースで和田収社長と話してきました。
かいつまんで書くと、
当時、東中連合で暴れて学校を乱したことに関しては、自分は担任の小口恭明先生に対しても副担任で学年主任の、三澤和剛先生に対しても、顔面複雑骨折して入院した三輪千子先生に対しても、そして集団暴行してボコボコにした笠井みゆき先生に対しても特に何も思うことは何もない。反省してるとか更生して罪滅ぼしとかそういう意識も無い。とのことでした。
『悪いな、そっちの想像してる答えと違うかもしれねぇけど』
と言われましたが、まあ世の中所詮そんなもんなんでしょうwww
うまく説明できませんが、水木しげる先生も千代の富士もドストエフスキー「死の家の記録」に登場する凶悪犯も、そして和田収君も、精神的に強靭な人間って本質的にそういうもんなんでしょうwww
ニーチェの「超人」って、たぶんそういう人間のことだと思いました。
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