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日本のロケット~イプシロンロケット~

sola旅クラブでは、長年にわたりロケット打上げ応援ツアーを催行してきました。日本国内では、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所と種子島宇宙センターからロケットが打ち上がってきました。近年は北海道大樹町からインターステラテクノロジズによるロケット打上げもスタートしました。
今回は、2021年10月1日※に内之浦宇宙空間観測所から打ち上がる固体燃料ロケットとしてJAXAが開発・運用するイプシロンロケットについてお話します。

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内之浦宇宙空間観測所の射場

イプシロンロケットは「固体燃料ロケット」と言われるタイプのロケットです。固体燃料を燃焼した時に発生するガスを噴射することで推力を得て、打ち上がります。
日本の固体燃料ロケットの歴史は長く、1955年に開発されたペンシルロケットから始まり、これまでの技術が伝承され続けてきたロケットです。数年前に話題になった小惑星探査機はやぶさを打ち上げたのもイプシロンロケットの前世代であるM-Vロケットという固体燃料タイプのロケットです。
イプシロンロケットは、これまでの固体燃料ロケットの技術を引継ぎ、より使いやすいロケットを目指して「低コスト」「短期間」の打上げをモットーに開発されました。主に、商業用の小型衛星を宇宙空間へ放出するためのロケットとして利用されています。これまでに4基のイプシロンロケットが内之浦から打ち上げられています。(2021年9月時点)

近年、人工衛星の打上げ市場は、小型衛星だけでなく超小型衛星やキューブサットなど多様な衛星の打ち上げ需要が国内外で高まってきています。こうした需要の変化に対応するためにイプシロンロケット5号機には新しいシステムが取り入れられています。
例えば、これまでのイプシロンロケットは、搭載する衛星を預かってから打ち上げるまでに1ヵ月ほど時間が必要でした。しかし、5号機からは衛星を搭載する部分の設計を変更することで10日前の預かりでOKとなり、大幅に期間が短縮されました。これにより、衛星の射場作業時間が短縮され、衛星にとってもメリットが増えました。利用者がより使いやすいと感じる工夫が新たに追加されています。

イプシロン5号機

イプシロンロケット5号機に乗るのは、革新的衛星技術実証2号機です。なんだか堅苦しい名前に見えますが、簡単に言えば「公募で選定された小型衛星たちが宇宙空間で実証を行うための衛星」です。
革新的衛星技術実証2号機には、小型衛星や超小型衛星、キューブサットなど様々なタイプの衛星が積まれています。企業や大学、高専などが開発した衛星が乗っていて、それぞれに実証テーマがあり、宇宙空間を目指して飛び立ちます。

技術の進化とともに学校や企業が開発した衛星を低コストで打ち上げられる時代になりました。同級生や同僚、家族や友人が開発した衛星が宇宙に行くという話も夢物語ではないかもしれません。
宇宙はどんどん、近くなっています。

※イプシロン5号機は2021年10月1日打上げ予定ですが、天候や機材不良等により打上げ時刻が変更となる場合があります。
※イプシロン5号機画像クレジット:JAXA



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