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宇宙旅行をしよう⑤水星に行こう

こんにちは、星空案内人のまいの(mai-no)です。

やっと太陽系惑星ツアーの回がやってきました。今回は水星(Mercury)に行ってみましょう!

太陽に近すぎる!小さな惑星
水星は地球と同じように岩石でできているので着陸は可能ですが、太陽との距離は約5800万㎞。(地球と太陽の距離の1/3の近さ!)太陽の重力に引っ張られてしまうため、気をつけなければ宇宙船ごと太陽に持って行かれてしまいます。
昼間は約430℃、夜は-170℃と差が激しすぎます。大気がほとんどないため、太陽からの熱が逃げ放題で太陽風も直撃してきます。地球人の体では耐えきれないかもしれません。

下の写真は太陽の前を通過する水星です。左下の小さな丸ポチ●が水星です。いかがでしょうか?太陽が大きすぎるのか、水星が小さすぎるのか…。

クレーター見学ツアーはいかがでしょうか
地球から水星までの距離は最も近い時で約9000万㎞ですが、先ほどお話した通り太陽の重力にも要注意です。片道約7年のロングコースでよろしければ、水星周回が可能かもしれません。直径は約4880㎞と小さく、表面はボコボコしたクレーターで覆われているので、見た目は月と似ています。

ここでオススメなツアーが「水星クレーター見学ツアー」です。
水星のクレーターには月のように名前が付いているのですが「ベートーヴェン」や「ピカソ」「モネ」等、世界的に有名な芸術家の名前のクレーターが付いているのです。もちろん日本人のクレーター名も存在します。「ホクサイ(葛飾北斎)」「ツラユキ(紀貫之)」「ソーセキ(夏目漱石)」面白いクレーター名ばかりです。
もちろんクレーターに旗が立っているわけではないので予習必須ですが、もし通過する機会があればご自分の好きな芸術家のクレーターを見てきてくださいね。

右上の明るいクレーターが「ホブナタニア」クレーター。アルメニアの画家にちなんでいます。

2機の探査機が過酷な水星に立ち向かう!
水星を通過するのであれば約6カ月で行くことができるので、もし今から水星旅行をするとしたら、是非見ていただきたい探査機があります。
ESA(ヨーロッパの宇宙研究機関)とJAXA(日本の宇宙研究機関)が共同で行っている「ベピコロンボ(BepiColombo)」という水星探査計画があります。MMOとMPOという2つの探査機を合体させた探査機が2018年に打ち上げられ、この記事を読んでいる現在も、水星に向かっています。

難易度が高い水星に挑んだ探査機は、今までマリナー10号とメッセンジャーという2機の探査機のみ。水星はどうやってつくられたのか?なぜ水星には磁場が存在するのか?さらなる謎を解き明かすため長い旅をしているベピコロンボは2025年、水星の軌道に投入予定です。
MMOという探査機は日本がつくった水星磁気圏探査機、通称「みお」。灼熱の暑さに耐えるため、コマのようにスピンをして熱を反射させる面白い探査機です。是非旅行する方は彼がまわる姿も堪能してきてください。

水星磁気圏探査機「みお」画像クレジット/JAXA


文:まいの(mai-no)星空案内人千葉県出身。本職を星空案内にしたい、明るさと元気が取り柄の看護師。宇宙や星も大好きだけれど、食べ物・音楽鑑賞・書道も大好きです。

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