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もうすぐおじいさんになる

はじめにお断りしておくが、本編は「私にもうすぐ孫ができる」というお話ではない。私には可愛い孫が3人いて、彼らから既に「おじいちゃん」とか「じぃじ」などと呼ばれている。

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ずっと楽しみに観ていた日テレドラマ「だが、情熱はある」が6月末で終わった。このドラマは、お笑いコンビ「オードリー」の若林正恭と「南海キャンディーズ」の山里亮太の若き日の物語。
若林の人見知りと山里の嫉妬は病気と言っていいほど重症。あれほど酷い "こじらせ" ではなかったが、大昔の私は明らかに同じ症状を抱えていた。このドラマを観ていると何だか懐かしくて切なくて、毎回涙を堪(こら)えるのに難儀した。

若林役の高橋海人(キンプリ) & 山里役の森本慎太郎(SixTONES)

若林正恭のエッセイ(⇩)を読んでみた。若者(若林)がおじさんになる頃、自分が世間に認知されるにつれて、矛盾や理不尽を受け入れられるようになり、人見知りも改善されてゆく経過が書かれている。とても面白かった。

その本の中にこんな一節があった。

『おじさんの悩み』
三十四歳になった。
今年の誕生日は「結構、おじさんなんだね」とよく言われた。その話をしていたら、何歳から何歳までがおじさんなんだという話になった。「人による」は排除するというルールで徹底的に論じ合った。結局、みんなの意見を統合して「三十三歳~六十六歳までがおじさん」ということで決定した。
          ~ 後略 ~

若林正恭「社会人大学人見知り学部卒業見込み」より


もちろん "おじさんの年齢の定義" などないのだが、若林さん周囲では33歳~66歳で定義付けされた。私はこの定義に賛同する。
32歳までは「おにいさん」、67歳からは「おじいさん」ということだろう。至極妥当な線だ。

そんな私は今週67歳になる。
本の中で若林さんは「オレもとうとうおじさんの仲間入りかー」と感慨に耽(ふけ)っているのだが、今の私は「オレもとうとうおじさん卒業かー」とシミジミせねばならない。

33歳、おじさんになったばかりの頃の私。私には既に4人の子供がいた。仕事がらみで夜のクラブ活動に励んでいたあの頃。私はその時代が一番モテた。お店で私が「子供が4人」と言うと、「えー!そんなに若いのにー!」とホステスさんたちにチヤホヤされたものだ。細君が子育てでてんやわんやだった時に、いったい私は何をしていたんだ(反省)。でも楽しかったなぁ。

閑話休題。振り返るとここ数年、私は自分のことを「おじさん」呼ばわりしなかった。それは相手から「えー、おじさんって言ってるけど、この人どー見てもおじいさんじゃん!」と思われるのが怖かったから。

今後、私は私のことを迷わず「おじいさん」と言うことに決めた。

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※2年前、65歳になった直後に書いた記事を添付します。
   自己紹介以外では、最も多くの💖をいただいた記事です。

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まとめると今の私は‥
医療保険制度から見ると「前期高齢者」。
孫から見て直系二親等の私は「おじいちゃん」や「じぃじ」。
社会構成員を年齢で比較分類すると「老人」。
その男性一般名称が「おじいさん」。
そのまた蔑称は「ジジィ」「くそジジィ」。
この度私はその全てに該当することになりました。👏

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女性の意見も知るべく、私より数歳だけ年若の細君に訊いてみたところ‥
彼女はよく仲の良い妹と服を買いにいくのだが、その時「これちょっとおばさんくさいね」と言って購買対象から外し「私たちもうおばあちゃんなのにねー」「へっへー」と笑い合うのがお約束なのだそうだ。

そう、決して誰も彼女らを「おねえさん」とは呼ばない。

< 了 >


P.S. タイトル画像は『99歳(私の父)と0歳(孫③♀)の握手』です。

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