2023/11/04神奈川フィルハーモニー管弦楽団県民名曲シリーズ第17回

2023年11月4日(土曜日)
開演時間
14:00
公演場所
神奈川県民ホール
指揮者
現田茂夫(名誉指揮者)
共演者
須川展也♭(サクソフォン)佐藤采香#(ユーフォニアム)
主な演目
バーンズ(大橋晃一編曲)/アルヴァマー序曲(管弦楽編曲版初演)
保科洋/管弦楽のための「風紋」(原典版)
スパーク(大橋晃一編曲)/パントマイム #
リード(大橋晃一編曲)/アルメニアン・ダンス・パート1(管弦楽編曲版初演)
挾間美帆/サクソフォン・ソナタ第1番「秘色の王国」(管弦楽版)♭
ラヴェル/ボレロ
東海林修/管弦楽のための「ディスコキッド」

https://www.kanaphil.or.jp/concert/2505/

(以下の文章は演奏会の前日に書いています)
今回の演奏会を楽しみに、曲の予習をしていた時に「管弦楽にサックスが入っている公演を以前聞いたことがある気がする…もしかして須川展也さん?」と急に思い出しました。

・2006年4月
・大阪のオーケストラ
・サックスのあるオーケストラの曲:多分「展覧会の絵」
・須川展也さんかもしれない
以上しか思い出せなかったことと過去の資料がネット上に全然なく調べるのがとても時間がかかったのですが、おそらく以下の公演です。

■関西フィルハーモニー管弦楽団第183回定期演奏会
日 時:2006年4月29日(祝) 3:00p.m.
場 所:ザ・シンフォニーホール(大阪市北区)
出 演:トルヴェール・クヮルテット,藤岡幸夫(指揮)
<曲目>(予定)
長生 淳/サクソフォーン・クヮルテットとオーケストラのための協奏曲「プライム-クライム-ドライブ」(世界初演)
M.ムソルグスキー(arr.M.ラヴェル)/組曲「展覧会の絵」
料金:S\5,000 A\4,000 B\3,000 学生席\1,000(学生席は事務局のみ受付)

http://www2s.biglobe.ne.jp/~tanabe/event6-4.htm

※関西フィルハーモニー管弦楽団のサイトも過去の分は無くなっているようでしたが、須川さんの旧サイトの過去の公演一覧から探し出すことができました。以下、スクショです。

http://www.sugawasax.com/

トルヴェール・クヮルテットは須川さんの所属されているサックスカルテットなので、記憶通りでした。
これは、高校の入学祝いに「サックスが出ているから」と親が連れて行ってくれた私の人生最初のオーケストラの公演でした。しかし、私は「高校に入学するも、吹奏楽部で希望していたアルトサックスになれなかった」という出来事のすぐあとだったため、サックスが出ているオーケストラを見にいけるような精神状態ではなく、オーケストラ自体に不慣れだったことも手伝って、この時の感想は「いい音だったけど、全部寝た」でした。その時不本意ながら吹いていたユーフォニアムはオーケストラにいませんしね。
私の高校時代について詳細が気になる方はこちら

でも今回は、わくわくしながらユーフォニアムとサックスが出ている管弦楽のチケットを取りました!
恥ずかしながら曲を全然知らないので「風紋」もアルメニアン・ダンス・パート1も今、予習しています。
ユーフォニアムが出演している管弦楽を聴くのは初めてだし、須川展也さんの演奏を聞くのは2006年以来です。楽しみです!!!!!!!!!!
アルヴァマー序曲(管弦楽編曲版初演)も楽しみすぎますね!!!!
(ここまでの文章は演奏会の前日に書きました)

(ここからの文章は演奏会の後に書きました)

ソリストアンコールは  向井航/采の風  でした。

https://x.com/kanagawaphil/status/1720678340716355852?s=20

今日は神奈川フィルハーモニー管弦楽団県民名曲シリーズ第17回を聴きに行きました。
恥ずかしながら、プロのオーケストラを生で聞いたことはこれまでおそらく3回しかなく
・高校生の時の関西フィル(上記)
東京都交響楽団 特別公演 Fate/Grand Order Orchestra Concert(2021年9月20日)
東京都交響楽団 第975回定期演奏会Aシリーズ【三善晃生誕90年/没後10年記念:反戦三部作】(2023年5月12日)
以上のように大変な偏りがあります。なので、私はオーケストラを知らなさすぎて、今回の公演については感想を言うことさえ失礼ではないか…と感じています。感じたことは以下にメモしますが、「オーケストラをほとんど聴いたことがない人間」の言っていることであると念頭において読んでください…

まず、一曲目のアルヴァマー序曲の間は「弦が全然聞こえない!」と焦っていました。私は奏者側で聞く英国式ブラスバンドの爆音や、吹奏楽での耳元のトロンボーンに慣れすぎているので、耳が大音量に慣れすぎていて、繊細な音を捉えきれないようです。
以前のFGOでも「聞こえない!!」ってなったので今回もこうなると思っていましたが、脳や耳の物理的な調整に時間がかかりました。徐々に聞こえ始めて、本当に良かったです。

パントマイムはブラスバンド(英国式金管バンド)で馴染みがあるので、管弦楽版になると「こうなるのか!!」「こうなるのか??」を繰り返しながら聴いていました。
ユーフォニアムの音がもう終わっているはずなのに、まだ続いているように感じた瞬間がありました。ユーフォニアムから弦楽器に広がった音がとてもシームレスにつながっていたからそう感じたのだと思います。ユーフォニアムとオーケストラがつながったあの瞬間は、ほんとうに息を呑みました。

ソリストアンコール 向井航/采の風 は、パントマイムが終わった時の拍手の間に、佐藤采香さんがユーフォニアムを構えた瞬間に「吹くの!?」って思って、動揺しました(私は予想外のことが起きると動揺しやすいです)
曲の詳細はこちら
タイトルからもわかるように委嘱作品で、今日のために書かれた曲だそうです。今回が世界初演だったそうなので、次に演奏される機会に初めて聴く方のために、感想は言わずに、私の中で大切にしまっておきます。感想さえ大切にしたいくらい素敵な曲でした。

ボレロは、もちろん知っている曲で、小学生の時に音楽会でアコーディオンで演奏したこともあります。
でも、冒頭のスネアと弦の音、あんなに繊細だってこと今まで知らなかったです。ちょうど運悪く、近くの席の人が椅子に座り直した音の方が大きく、たぶん最初の音聞こえなかったくらい繊細です。
スネアが終始ソロなのは分かっていたのですが、あんなにもソロがたくさんある曲なのか、と再認識しました。また、今回のソリストのユーフォニアムとサックスにもソロが割り当てられていました。めちゃめちゃかっこいい。ユーフォニアムは、もしもオーケストラの成り立ちの時期に楽器が存在したらオーケストラに席があったと思います。サックスはSATB全部オーケストラに入れたらとても存在感がありすぎるのではないか、と言う懸念を内心感じています。SATB全部が入っているオーケストラ聞いてみたいです(ソリストとしてではなく、オーケストラの中に入っているver. で)

ディスコキッドは、「ディスコ!!」って叫んでいいかめっちゃ迷いました。でも、指揮者がこっちを向いていたので叫んでOKと認識して叫んだつもりでしたが、「オーケストラで叫んでいいのか???」と言う思いが強すぎて、小さな声になったと思います。ごめんなさい。
ディスコキッドを高校の時に吹いたことがあるのですが、ユーフォニアムソロがあったこと、忘れていました。(たぶん先輩が吹いたのだと思います。私の記憶には「リズム難しい」ということしかありませんでした)私の耳がユーフォニアムの音を拾いやすい耳と言うこともあると思いますが、あのユーフォニアムソロは全部持って行ったと思います。少なくとも私の心は完全に盗まれました。ルパンならぬ、佐藤采香さんに。

今回、ユーフォニアムがソリストとしてオーケストラと演奏しているのとオーケストラの中で演奏しているのを両方とも聞いて、両方とも「良すぎる…」と言うのが正直な感想です。
(めっちゃ上から目線の表現になりそうで恐縮ですが)
今日の演奏会は、日本でユーフォニアムをたくさんの人に知ってもらうための本当に大きな歩みだと思います。ユーフォニアム奏者って「オーケストラに席がないこと」「クラシックのユーフォニアム曲がないこと(作曲家が生きていた時代にユーフォニアムがなかったから)」「日本であまり知られていないこと」をとても気にしていると思いますが、今日の演奏を聴いたら「ユーフォニアムがあるオーケストラってめっちゃいい!」って多くの人が感じたと確信しています。私は、ユーフォニアム奏者なので、「全てのオーケストラに明日からユーフォニアムの席を作ってくれ、頼む」と思いました。
今日の収録のCDが出るそうなので、今日聞けなかった方も絶対聞いた方がいいです。

ほんと、素敵な演奏会でした。アンケートに「またユーフォニアムを、佐藤采香さんを呼んでください」と書きました。

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