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やっぱりTV版で見たかったな「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」

ハイキュー‼、テレビアニメは全話鑑賞済み、原作未読です。
アニメはバドミントンを一緒にやっている人が大ファンで、毎週のように推されていたので、この数年毎日朝1話ずつ見ていました。
主人公日向翔陽はじめ、個性的な選手にそれを支える豪華声優陣、リアルと無茶がいい感じに融合した迫力の試合シーンなど、普段スポーツアニメを見ない私ですが、毎話楽しく鑑賞していました。

原作漫画はすでに全45巻で完結していますが、アニメは大体32巻頃までやっていた様子。そして今回対戦する音駒高校戦は、33巻~37巻で行われていたようです。

原作は2020年完結。すでにアニメ化もされており、人気も高い時期で完結。それだけに若いファンもとても多く、実際鑑賞した初日は、若い観客、特に女性の観客がとても多かったです。私は一人で鑑賞したのですが、両サイドが女性客で埋まるのは、めったにない鑑賞経験でした。

さて、そんな感じで鑑賞した音駒戦、正直な感想は、劇場版ならではの迫力はあったけど、TV版の方が面白かった、です。
やはり最大のネックは「短い」ことです。この試合の前、宮兄弟を擁する稲荷崎高校との対戦は、第4シーズンの13話から24話、音駒の第2回戦も1話挟んでいるとは言え、ほぼ1クールが費やされていたわけで。原作でも分量的にはほぼ同じの今回のエピソードを、わずか85分に凝縮しているわけですから、むしろよくやってくれたと思うべきなのでしょうが、その分どうしても各キャラの掘り下げが薄く感じました。

また、原作でどうだったのか分かりませんが、映画では主人公日向とよく絡んでいた音駒高校のセッター、孤爪研磨視点で進行します。そのため主人公日向ですら、対戦したら恐ろしい爆発力を持ったアタッカーとして描かれており、原作のもう一人の主人公である影山飛雄に至っては、かなり何を考えているのかわからないキャラクターになっていた印象があります。

それでもまだこのあたりは物語の中心人物なのでスポットライトが当たっている方で、音駒のリエーフや烏野の東峰旭や田中龍之介などは、かなり影が薄くなってしまった印象がありました。逆に研磨視点なので親友であり音駒のキーパーソンである黒尾と関係が深かった月島蛍などは、かなり目立っていた印象でした。

試合に合わせて作品を作る、という手法は悪くないと思いますし、実際直前に公開されて大ヒットした「The First Slam Dunk」もほぼ同じ構成なのですが、向こうが原作もアニメも完結後久しぶりのアニメ化で、しかも原作の実質最終回エピソードであるゆえの盛り上がりがあったのに対し、本作はまだ途中の、しかも相手が何度も練習試合や合宿で交流の深かった音駒高校戦だっただけに、もっと選手同士のやりとりが見たかったですし、TV版の溜めのあるアタック、レシーブシーンなどがもっと見たかったな、と感じました。
何より音駒高校の特徴である、何度攻撃しても拾われる、徹底した繋ぎのバレーのすごみが、前の稲荷崎高校戦より淡白に感じてしまったのが残念でした。言い方が悪いのですが、結構あっさり負けたな、という印象で。

まあそれでも満員の観客の中、迫力の試合を一体感ある環境で堪能できるのは、映画館ならでは。一見の価値は絶対にある作品だと思いました。

初週の集まりを見るに、ロングランは確定だと思いますので、原作もTVアニメも未見の人は、直前まででも見て(読んで)から鑑賞してもいいかと思います。

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