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鬼に金棒を超える、筋肉に魔法「ブラックアダム」

ホラーの名作「エスター」やリーアム・ニーソン主演の「フライト・ゲーム」などを手がけたジャウマ・コレット・セラ監督が手がけたDC映画は、神話クラスのダークヒーローのオリジンでありながら、冒頭から最後までアクションが途切れない、突き抜けた爽快感があるアクション大作になっていました。

まずは主人公ブラックアダムを演じるドゥエイン・ジョンソンのヒーローを体現したような肉体美が本当に凄い。こういうVFXを駆使した映像だからこそ、演者の説得力が問われると思いますが、彼の鍛え抜かれた肉体には、まさに「説得力」が宿っていました。
また、5千年前から蘇った存在が少年と交流を深めつつ、決めぜりふを放つ様は、新世紀のターミネーター2を彷彿とさせました。

主人公と交流を深めるアモン、アドリアナ親子も、一般人であり現代と古代カーンダックをつなぐ存在として、決して足をひっぱること無く、その勇気で観る者を鼓舞させてくれました。

そしてブラックアダムに負けず劣らず魅力的なのが、ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ(JSA)のメンバー達。
DC不勉強なのでお名前は存じておりましたドクターフェイトやホークマンといった超常的な力の持ち主達。
本作序盤では、ブラックアダムを危険視して勝手な正義感を押しつける輩かと思いきや、悪人であっても不殺を貫くナイスガイ、レディ達の集まりで、終盤になる頃には皆好きになり、誰も欠けてほしくないと思えるほどになっていました。
JSAのメンバーは皆個性的でしたが、特にドクターフェイトが素敵で。演じるは往年のボンド俳優ピアース・ブロスナン。私は近年だとジャッキー・チェン主演のザ・フォーリナー/復讐者で印象的な役を演じていましたが、本作でも存在感たっぷりで、未来が見える魔術師を好演していました。
風を操るサイクロンの能力描写も綺麗でした。彼ら二人の能力が交わるシーンは、作品屈指の映像美だと思いました。

また、本作を私は吹替版で鑑賞しましたが、ドゥエイン・ジョンソン吹き替え定番の楠太典はじめ、坂本真綾、榎木淳弥など、抜群の安定感。ピアース・ブロスナンは田中秀幸が渋みとお茶目さを併せ持つ演技で聞いていて本当に違和感が無かったです。

本作は一応シャザム!のスピンオフのはずですが単体で問題なく楽しめますが、ザ・スーサイド・スクワッドのあの人とか、ミドルクレジットであの人とかがサプライズ登場するなど、ユニバースでもある様子。
是非是非今後もブラックアダム、JSAの活躍を堪能したいものです。

追記:
パンフレットは900円。キャラクターの紹介にコミックスでの立ち位置、オリジンについての解説は充実。インタビューも必要十分そろっていることに加え、吹替版キャストが載っていたのが地味に嬉しかったです。未掲載のパンフも多く、その時はパンフを脇に置いてwiki検索するのが空しくて。



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