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作品としては良。ユニバースとしては無茶苦茶「マーベルズ」

良かった点
・テンポよく進む展開。個人的にそれほど説明不足には感じず。
・マーベルズが集まっていき、アッセンブルする熱さ
・グース。序盤にキャロルの肩の上に乗るテト仕草がかわいすぎる。後半の猫まみれも楽しい。
・水の惑星アラドナのディズニーアニメ感。意外とノリノリのキャロルが良き。
・主役三人の仕上がり具合。特にブリー・ラーソンはめちゃくちゃ鍛えたんだろうなあ。

悪かった点
・軽く説明はあったけど、流石にサノスとタイマン張れるキャロルとカマラが入れ替わったら、いくらその時パワーが移っていても命の危険あるのでは?モニカもそうだけど、能力以外普通の人だった気がするのだけど……。
・劇中結構な被害出てたアラドナのその後の様子を一瞬でも見せてほしかった。滅んではいないよね?
・ニック・フューリー無能すぎ問題。

単体で見ると、SFアクションとしてとても楽しめました。マゼラン星雲までひとっとびなスケールの大きさも、映画ばえしていたと思います。

問題は、MCUとしての繋がりの悪さですよ。直前のドラマシリーズ「シークレット・インベージョン」で、キャプテン・マーベルとも関わりの深いスクラル人のタロスが登場、死亡しているにも関わらず、そのことについて彼女が心を痛めるシーンも無いし、その割に今回のストーリーは、キャロルがキオクを失っている時に居たハラだし、スクラル人もストーリーにガッツリ関わっているし。全く別のストーリーを描くならともかく、地続きを匂わせているのに直前に描かれたことが全く影響してこない展開は、もはやドラマを見たことがノイズになってしまいます。
実際SNSでも「シークレット・インベージョン」は予習しないでOKとの意見が圧倒的に多かったです。私は巷で言われているほど出来が悪いドラマシリーズとは思いませんでしたが、こうもリンクしないのであれば、見ないほうが良かったのかもしれません。
そして観客にそう思わせるようなドラマシリーズ、映画を作っているMCU制作側は、何を考えているのでしょう?

実際この不整合はMCUドラマ第一作から見受けられました。「ワンダヴィジョン」において解決したはずのワンダの問題が、結局無かったかのように「ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」で描かれており、もしどちらも同じ世界線で起こった出来事だとしたら、ワンダに対してあまりに酷い仕打ちだと感じました。

そして今回のマーベルズです。正直ニック・フューリーのキャラが違いすぎるのは、まあつらい思いを隠していると好意的に解釈もできますが、人の死がまるで無かったかのように描かれるのであれば、ユニバースなんてしない方がいい、とまで感じてしまいました。

「エンドゲーム」までのMCUは、監督が違ってキャラの描き方が多少変わっても、時系列やその前の出来事についてはきちんと整合性が取れていました。それが現在のフェーズでは、作家性に任せすぎているのか、言動不一致なキャラクターが増えてきています。
まさかこれも、マルチバースのため、微妙に違う世界を見てるんだ、とでも言うつもりなのでしょうか。だとしたら全然面白くないです。

というわけで今回のマーベルズ、映画として楽しめたヒーロー映画への希望と、追う気を無くさせるユニバース作品への失望を同時に感じさせる作品になってしまいました。

かるーくマーベル映画追っている人が一番楽しめる作品かもしれません。

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