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170分が一瞬!「ジョン・ウィック:コンセクエンス」

飼い犬を殺されて復帰した最強の殺し屋、ジョン・ウィックの戦いもついに完結を迎えるらしい本作。原題は”John Wick Chapter 4"なので、別に完結編とかそういうタイトルではないのですが、まあストーリー的には綺麗に終わった感じだった本作。

前回ホテルコンチネンタルニューヨークの支配人にも裏切られ、満身創痍になったところから、復讐の旅が始まったジョンは、ヨルダンで主席連合の長をサクッと撃ち殺すと、連合側は彼に近い人達を殺していき、逃げられない報復の連鎖に陥っていく。これを逃れるため、主席連合の全権を委任された侯爵と一対一の決闘を行おうとするのが本作の主なストーリー、なのですが、それを理解していなくても、冒頭から最後までひたすら続くアクションの釣瓶打ちを摂取するだけで、他の映画では得られない幸福感を味わえました。

お気に入りはまずは序盤のホテルコンチネンタル大阪での激闘。もう「世界の」を付けても海外の人も納得してくれるよね?な、真田広之演じるシマズの貫禄の剣戟アクション。ここ数年では、モータルコンバット、ブレット・トレインに続いての印象的な侍キャラ。三作中最後まで生存しているのが二作なのは彼らしいというかなんというか、なのですが、どの作品でもしっかり爪痕を残しているのが、往年のファンとしても嬉しい限りです。

また、大阪でのアクション(ロケはドイツらしいですが)であったため、日本人のアクション俳優、スタントマンも多数出演しており、特にベイビーわるきゅーれシリーズで知られる伊澤彩織は、コンチネンタルのチディに殺される大阪支部のスタッフ役から、リナ・サワヤマ演じるシマズの娘のスタントダブルも演じるなど、ハリウッドでスタントウーマンとして活躍してくれて、嬉しい限りでした。

そして本作の裏主人公的活躍の、ドニー・イェン演じる盲目の殺し屋、ケインのアクションはもう、素敵の一言。盲人らしいアクションも良かったですが、もはや見えないこととか関係なくない?なクライマックスのアクションまで、キレッキレの動きを見ているだけで幸せな気分に。

もちろん不死身の男、ジョン・ウィックのアクションも健在。相変わらず車に引かれまくるし、今回は二階から落ちるわ、極めつけは222段の階段を転がり落ちる受難まで。それでも立ち上がり、何度でも相手を殺しまくる、本当に本作ならではの殺人スキル、ガン・フーを最初から最後まで、本当にしんどそうに魅せてくれます。本作では敵も味方も、見た目は普通のスーツでも実は高性能防弾スーツなので、至近距離での射撃はあくまで相手を怯ませる、アーマード・コアで言えばスタッガーを狙う攻撃で、その後きっちり頭や喉に止めをさすアクションが徹底されており、本当に大変な殺しを、手変え品変え堪能することができます。
そんな激しいアクションが続く本作のクライマックスが、防弾スーツを脱いでの単発銃での静かな決闘、というのも印象的で。激しい動からの静での命の奪い合いに、息が詰まるほどの緊張感を覚えました。

そんな感じで一応の完結をみせた本作。ラストでジョンの墓でキングとウィンストンが会話するシーンで終わる(エンド・クレジット後にケインのパートあり)のですが、多分ジョンは死んでないですよね……。それでも、2から続く彼の自由への戦いは一区切りついたと思いました。
アクションの新しい可能性を模索し続けているこのシリーズが、世界の映画に与えた影響は計り知れないと思います(それこそベイビーわるきゅーれも)。
演じたキアヌ・リーブスにしても本シリーズで完全復活した印象がありますし、私も前作映画館で鑑賞して、特に1と4は大満足の作品でしたので、見れてよかった作品でした。

しかしそれにしても、本国と半年近く遅らせて公開するこの上映方式、誰得だったのでしょうか。映画ジャーナリストに取材してほしいものです。

ここの回答だと、お金の問題になっているけど、本当かなあ……?

あ、パンフレットは880円。インタビュー、解説、写真が充実していて、結構いい内容になっていましたよ。

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