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【解説と調整方法】ハピナスVチルタリス

(※全文無料にしました、Eレギュレーションお疲れ様)
どうも、CardRushProsのあむ(@4mutaaan)です。

今回はチャンピオンズリーグ福岡で使用した『ハピナスV』+『チルタリス』というデッキタイプについて、レシピ解説を中心に、環境考察やデッキの組み方といった内容について書いていきます。

途中から有料記事となりますが、デッキレシピ環境考察簡単な解説無料部分に書いております。気が付けば13,000文字も書いていたので長文となってしまいましたが、是非最後まで読んでいただけると幸いです。(良かったら、記事ツイートもいいねやRT、記事へのスキもよろしくお願いいたします。)


■自己紹介

約1年間公式大会に出れておらず、知らない方もいらっしゃると思うので改めて自己紹介を。カードラッシュからスポンサードされ、CardRushProsとして活動しています。普段は社会人をしている兼業プロです。

・過去の使用デッキと成績

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2018年にポケモンカードに復帰して以降アベレージは高く、1回を除きチャンピオンズリーグは全て完走しています。
特にここ数年は環境トップ以外のデッキを握り勝ってきました。
環境デッキを使いたくない・使えないという訳ではなく、環境デッキと先手後手のミラー対決することもなく、初見というアドバンテージを活かして戦えるデッキの方が好ましいと考えているためです。

今回も『ハピナスV』+『チルタリス』というデッキを調整メンバーのしゅん(@DedenneShun)と2人で使用し、自分が8勝1敗(22位でオポネント落ち)しゅんが7勝2敗(66位)と最低限の結果を残すことが出来ました。

自分は日本代表権利をまだ持っていないので、今大会の目標はTop4
オポネント差で予選落ちとなってしまい非常に悔しいですが、最低限次の大会にも出場するチャンスだけは得られたので、次回また上を目指します。

当日の詳細な対戦レポートラッシュメディアをご覧ください。
ちなみに敗北した1試合は今大会でベスト4に入賞されていたニシマキトウヤ選手のゲンガーVMAXガラルマタドガスでした。勝ったのは三神・白馬スイクン・黒馬・テンタクル・ムゲンダイナなど。

予選7勝2敗となったしゅんくんの対戦レポートはこちら

■CL福岡考察

Tier1 白馬、黒馬、3神、ミュウ
Tier1.5 クワガノン
Tier2 ムゲンダイナ、連ウー、テンタクル、リーフィア、ゲンガー、ルカメタ、スピードザシアン
Tier3 その他

恐らくこの環境認識に関してはある程度共通なのかなと感じています。

チャンピオンズリーグ京都からの変化点としては『クワガノン』デッキの台頭と、25thパック。
25thパックはデッキのメインとなるカードは収録されなかったものの、『ミュウ』の登場で「スピードザシアン」といったデッキや『ミュウ』入りの三神が生まれたり、『ザシアンV』の登場で「黒馬バドレックス」が強化されたりと、細かい部分で変化がありました。

それ以上に『クワガノン』が与えた影響が非常に大きく、デッキとして回答を持っていなければ相手の事故待ちを願うことしか出来ない非常に強力なデッキタイプで、京都以降はクワガノンを中心に環境やタッチカードがどこまで変化するかを毎週見ては構築を検討する日々でした。

明確に変わっていった点として、『クワガノン』への対策として、『スイクンV』系統のデッキに『フリージオ』のカチカチロック採用が増えたことです。
このまま環境が変わらなければ、チャンピオンズリーグ福岡はフリージオ入りの白馬スイクンで行こうと考えていましたが、さらにそれの対策として『マオ&スイレン』入りのミュウVMAXや三神であったり、『きとうし』入りのクワガノンが出てきたため、『フリージオ』で縛ってサイドを取り切るプランが通しにくくなり、デッキとしてクワガノンや三神、ミュウVMAXといったデッキ相手の勝率に不安が出てきていました。

特に三神は立ち位置がよく、『クワガノン』はオルタージェネシスで五分五分の勝負に持ち込めますし、『ガラルファイヤー』で悪弱点を付き、更に白馬を重く見て『ザシアンV』ではなくエネ拘束の少ない『クチートGX』をアタッカーとして採用しサイドを取りやすくするなど、環境デッキに対しても回答がある非常に良いデッキでした。

こういった環境の流れもあり、Tier1~1.5のデッキ群の中で使用率の高さを比べるとするならば、大きな差はないものの「三神>黒馬≧白馬>ミュウ>クワガノン」くらいのイメージ。
今回明らかにこの上位5デッキが強かった分、これら5デッキに対してなぜ勝率が安定しないのかをしっかり言語化さえすれば、対策カードを採用した良いデッキを作れたのではないかと思います。

そして様々な候補デッキがある中で、最終週まで使用候補だったのは以下のデッキたちでした。
・スイクンフリージオ
・クロススイッチャー白馬スイクン
・黒馬
・三神ゲノセクト
・三神クチートガラルファイヤー
・ミュウハピナスV

結果的に『ハピナスV』に『チルタリス』+『ぐんぐんシェイク』を採用するという天啓により使用デッキが決まりましたが、恐らくそうでなければ自分は「クロススイッチャー白馬スイクン」を使用していました。
そちらに関しては以前アップした記事に追記しましたが、今回の白馬スイクンでの勝ち組カードは『やまびこホーン』だったと思います。使い方やCL後環境を考えた60枚はこちらの記事をご覧ください。(※一部有料)

■デッキレシピ

『ハピナスV』自体のスタートは10月24日に行われた大阪シティリーグ優勝レシピからでした。

デッキとしてやりたい動きが明確で、軸となる「ハピナスV」を一生守る動きが刺さる相手には非常に強いことはレシピから明白でした。しかしデッキに対して得意不得意が激しく、チャンピオンズリーグに持ち込むには少しマッチング運に左右されすぎることが懸念でした。
ここからのレシピの細かい変遷は有料部で後述いたします。

それでは実際にチャンピオンズリーグ福岡で使用したリストです。
ほぼ一緒ですが、思想の差から『妖しいカンヅメ』と『パワフル無色エネルギー』で1枚構築の違いがあります。

・しゅん使用

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(デッキコード:FFFdfv-UeXWed-fVVkVF)

・あむ使用

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(デッキコード:nLnLLg-S8hN6W-QQNLLL)

■デッキ簡易解説

このデッキの基本的な動きとして、『タフネスマント』を付けた『ハピナスV』を回復手段で回復しながらエネルギー化け物にし全てを破壊するプラン、そして『チルタリス』で詰ませるプランの2つがあります。
この2つのプランは相反するものではなく、いつでもどちらのプランに移行出来ることがこのデッキの強みです。

特に配信やTwitterの意見を見ていると勘違いされている方がいそうでしたが、このデッキの耐久プランにおいて最も大事なことは「1体目のハピナスVを守ること」ではなく、「3体目のハピナスVが倒されないこと」です。

ミュウVMAXのパワータブレット3枚使われて倒されてもいいです、白馬にスクラッパー使われて倒されてもいいです、テンタクルがホミカ使って無理に突破してきてもいいです、回復間に合わず3-4回目の攻撃でクワガノンに倒されてもいいです、最初のハピナスVは相手のリソースを枯らすことが役割です。
最後のハピナスVが倒されないことが最も大事なポイントです。

そして『チルタリス』を通すプランとして大事なこととして、三神以外のマッチアップでは不用意に『チルット』をプレイしないようにしましょう。
『ミュウ』やドローソースで『ぐんぐんシェイク』を探し、手札に来たタイミングで『チルット』を手札からもしくは『キャプチャーエネルギー』で山から呼び出し一気に『チルタリス』に進化し、相手に不条理な詰みを押し付けます。

非常に強力なデッキだと考えチャンピオンズリーグでは使用しましたが、今後このデッキが環境に入ってくるか、というと自分は少し厳しいと考えています。(※と思いきや未だにシティリーグでは優勝ベスト4に入賞されているようです。)

チャンピオンズリーグでは
・チルタリスの存在がバレていない
・ハピナスVと練習してる人があまりいない
という2点から非常に有利に立ち回れました。特にコンセプトにある「1体目のハピナスVにリソースを割かせる」という行為が通しやすかったですし、見えていない所からの『ぐんぐんシェイク』+『チルタリス』(+『ビッグパラソル』)は理不尽すぎました。
実際に初見という前提だと三神・クワガノンは有利、黒馬は微有利、白馬・ミュウは相手次第だが最低五分、その他有利な対面で言えば「レックウザ、テンタクル、連ウー、リーフィア、ルカメタ、スピードザシアン」とかなり良いデッキ選択だったと思っています。

ですので以降の有料部分ではデッキ自体の詳細な解説も行いますが、メインの話としては「どうやって環境外の有効なデッキを作っているのか」「デッキレシピをどうやって強くするか」といった所にフォーカスして書いていきたいと思います。
ここ2,3年でも「カエループ、フーパブラッキー、キャプチャーセキタンザン、カビゴンセキタンザン、雪道モミインテ、クワガノン etc...」と多くのデッキを調整メンバーたちが生み出しており、そんな調整過程を間近で見て感じたことを自分なりに言語化してみます。
そういった思考内容に興味がある方デッキの調整過程ハピナスVチルタリスの戦い方と弱点を知りたい方にオススメです。

※以下有料部分
■デッキレシピの変遷
■採用&採用候補カード解説
■環境10デッキに対するプラン解説
■配信卓のプレイ解説
■新しいデッキを作るヒント


■デッキレシピの変遷

前述しましたが、デッキのスタートはここからでした。
デッキコンセプトとしての強さは明らかで、その上でデッキとして課題だと思う部分を少し調整したレシピが以下になります。

■デッキのスタート位置

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ベンチの問題から『マオ&スイレン』が打ちにくい、『ハピナスV』を盤面に2体置きたくない、ラッキーエネルギーのドローやマオ&スイレンを抱える動きと博士の研究がどうにも相性悪く感じる、といった要素を解決するために、「ふしぎなしっぽ」の『ミュウ』を採用。
『マオ&スイレン』後にグッズサーチ出来るのが強力で、サーチが出来る分回復グッズの総数は8枚まで削っても問題ないと考え、その部分をその他のカードに変更し出来る選択肢を増やしてみました。

肌感はかなり良く、ここをスタートにして環境デッキとの調整を始めました。そうなると明らかになってくるのが三神と黒馬への苦手意識
弱点が明確になったため、勝率が安定しない理由を言語化することにしました。

・対三神
オルタージェネシスGXの効果から、ミュウの2枚目が出せず、ミュウを取られた際にグッズのサーチが行えないことが1番の原因だと考えました。ハピナスV2枚の体制では、グッズのサーチ不足により相手の高打点(特にザシアンV)を受け止めきれない。
→壁として『リーリエのピッピ人形』が復活。

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肌感は悪くなく微不利程度。一旦こちら側の問題点は解決。

・対黒馬
こちら側のデッキコンセプトが1体目のハピナスVにリソースを吐かせて、最後のハピナスVを通すことなのに、黒馬自体が終盤にかけて打点が伸びていくデッキのため根本的に相性がかなり悪い。
→様々なアプローチを考えたが、根本的な解決を行うには対面の拒否が1番良いと考えた。
『ザマゼンタV』を採用し、『ハピナスV』『ザマゼンタV』へ

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確かに黒馬VMAX相手には有効ですが、『オーロット&ヨノワールGX』相手がかなりどうしようもない。
『ラッキーエネルギー』のついた『ハピナスV』であれば『マリィ』からの「ナイトウォッチャー」も大した致命傷にはならないのですが、『ザマゼンタV』の場合それをモロに食らってしまいます。
そうなった際に『ザマゼンタV』が耐久することが出来ず、対策とは言い切れませんでした。そのため、もう一つの対面拒否として『チルタリス』を検討しました。

『チルタリス』を採用する場合、『ボスの指令』や黒馬Vの「アストラルビット」が厳しいので『チルット』を出すタイミングが全くなく『ぐんぐんシェイク』の採用が必須という意見に。その結果生まれたのがこのレシピです。

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この天啓により一気にデッキとして見れる相手が増えました。『チルタリス』や『ジュナイパー』といったカードは現環境において『クワガノン』『ミュウVMAX』があまりにもキツく、多くのデッキから対策カードは抜けていました。環境トップがチャンピオンズリーグ京都から固定されていたおかげですね。

このレシピになったことで、『リーリエのピッピ人形』を採用せずとも三神を見ることができ、初見という前提があれば三神・クワガノンには有利ミュウ・白馬には五分黒馬はそれでも不利が付きそうでした。
要因としては『ガラルフリーザー』「アストラルビット」相手がダメージレースで勝てるとは言えないこと。そこだけ改善を進めます。
『ガラルフリーザー』の「サイコレーザー」は『大きなおまもり』を採用し、1度耐えてエネルギートラッシュされれば勝てそうだと考えましたが、こちらも一撃で倒すことが出来ず、ボスの指令も入っていないため先に触ることが出来ないので安定して勝てるとは思えませんでした。
それよりは『ガラルフリーザー』相手はある程度入っていることを割り切って2体の『チルタリス』で対処出来ればいいかと考え、「アストラルビット」や「ペイルムーンGX」などを見れる『ビッグパラソル』の方が1枚の枠として有効だと感じました。特に序盤に『ハピナスV』プランを通した際に、相手が『チルタリス』突破不可能な盤面になることも多く、そのタイミングで出せばライブラリアウトで勝てるため、『ビッグパラソル』に決定しました。
これによりついでに『ガラルマタドガス』にも強くなったのですが、肝心の『ガラルマタドガス』戦では『ビッグパラソル』にたどり着くことが出来ずに負けてしまいました…無念

こうしてようやく候補と言えるデッキにたどり着くことが出来ました。

■採用&採用候補カード解説

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(しゅん使用 デッキコード:FFFdfv-UeXWed-fVVkVF)

・ハピナスV
HP250、タフネスマントでHP300になるたねポケモン。
一撃環境ではなく、180~260の中打点環境であるため強い存在だと感じています。
ワザ「ハッピーボンバー」で3枚エネルギーを加速出来るため、タッグチームサポートでエネルギーを捨てる行為と相性がよく、毎ターン『マオ&スイレン』と『すごいきずぐすり』を使いHP240を回復しながらも、付いているエネルギーは手張り含め2枚ずつ増えていくので60ダメージ(パワフルが付くと更に+20)打点が上昇していきます。とんでもないな…
スタート打点も40と低く感じるかもしれませんが次のターンには160になりますし、パワフル次第では更に伸びます。配信卓も多くの方がサイド取り切れないと感じたのではないでしょうか?思ったよりエグい打点加速をするのでサイドをパパッと取り切ることも出来るんです。
ちなみに『グズマ&ハラ』で『パワフル無色エネルギー』を持ってくると60ダメージでるため、後1や先2で『メッソン』を倒すことが出来ます。強い。

・チルタリスライン
チルットは1ライン入ればよく、『グズマ&ハラ』で『キャプチャーエネルギー』から呼ぶことも出来るので2枚。
『チルタリス』に関しては『ぐんぐんシェイク』にたどり着くためにデッキを掘っていると、先に2枚引いてしまうと困ってしまうことがあったため、3枚に。本当は増やしたくない1枚の枠でしたが、デッキとして6-7枚の枠を割いているにも関わらずそのプランを通せない可能性があるのはデッキとして問題だと思い前日に増やしました。
ここの枠に関して『チルタリス』を増やすか『ぐんぐんシェイク』を増やすかは未だに検討要素ですが、『チルタリス』を2ライン立てる試合があることも検討し『チルタリス』を増やすことにしました。

・回復グッズ
エネルギーをトラッシュしない回復カードとして『当たりつきアイス』『きずぐすり』『エール団のおうえんタオル』『モーモーチーズ』『からくちスパイシーカレー』などがありますが、どれも『すごいきずぐすり』と『妖しいカンヅメ』を超えるカードではないので、優先するべきはこの2種。
次に入れるカードとして『エール団のおうえんタオル』が強いです。
デッキとして『チルタリス』のプランも取ることが出来るので7-8枚が最低ラインだと考えました。

・スタジアム
『頂への雪道』を採用。
『グズマ&ハラ』のおかげで序盤から持ってこれますが、必ずしも即貼るカードでないことに注意です。次のターン以降の『マオ&スイレン』や『グズマ&ハラ』のコストにしなければならない可能性もありますし、『デデンネGX』などでリソースを使って欲しい盤面もあるので、特に1,2ターン目はプレイするか考えましょう。

また、三神側が出してくる『トキワの森』は基本的に剥がさない方が良いです。こちらの負け筋に『クチートGX』があるので、不要になったたねポケモンを安定して捨てるため、残しておきましょう。
そういった意味でスタジアムは使う必要があって採用している訳ではなく、『グズマ&ハラ』で手札枚数が減る枚数を減らしているカード、という認識です。他の候補として白馬などの250-260ラインが回復しやすくなる『キルクス温泉』がありました。ここに関しては黒馬へのマッチアップが改善される前に『頂への雪道』で取れる試合があることを優先すべき、という考えで採用をやめましたが、『チルタリス』+『ビッグパラソル』の採用である程度黒馬対面が改善された今では採用するべきだったと思います。

・サポート
序盤に素引きしたいカードは4積み。『ボスの指令』は打つタイミングが一生来ないので抜きました。
『ハプウ』も枠さえあれば4枚目を入れたいカードでしたが、枠の関係で3枚に。『チルタリス』でライブラリアウトを狙うプランとも相性は良くないですし、問題なかったと思います。
唯一変える点があるとすれば『シロナ&カトレア』→『ミュウ』の2枚目でした。『ミュウ』と『シロナ&カトレア』でどちらがサイド落ちしたら困るかを検討した際に『シロナ&カトレア』の方を優先しましたが、『ミュウ』でスタート出来る確率を含めて検討するとわずかに『ミュウ』の方を優先するべきだったかもしれません。

・エネルギー
『ラッキーエネルギー』はこのデッキをデッキとして成り立たせている最強のカードです。『リセットスタンプ』や『マリィ』に強く、タッグチームサポートの手札トラッシュとも相性が良い。
そのためエネルギーを付ける優先度としては基本的に「ラッキー>超>パワフル>その他」です。1,2ターン目は絶対『ラッキーエネルギー』を貼りたい。
手貼りに関してはそのターン打点が上がるパワフルを優先し、ラッキーはトラッシュから加速しましょう。

・その他採用候補カード
『マチスの作戦』:『シロナ&カトレア』からのコンボが強く、有効に思えたがサーチしにくいカードなので1枚の価値としては低く不採用
『隠密フード』:「クイックシューター」対策だが、この1枠を採用するなら回復グッズを増やした方がどのマッチアップでも有効だと考え不採用
『ヤーコン』:グッズを加える効果とエネルギートラッシュは強いが、ハプウの場合『ハピナスV』や『チルタリス』本体を持ってくることも多く、そちらに軍配が上がり不採用

■環境10デッキに対するプラン解説

各デッキに対する基本的なプランの解説になります。逆に言えばこれらをさせないようにすれば、ハピナスチルタリスというデッキに勝てると思います。

・三神
基本的に通すプランは『チルタリス』。1体目の『ハピナスV』で耐久出来るプランが通ればそれでも勝てます。
サイドの取らせ方は『ミュウ』or『チルタリス』と『ハピナスV』が倒されて5枚、最後の『チルタリス』を押し付けて突破出来る?と聞く戦いです。
最もケアしなければならないのが『クチートGX』での負け筋、『ハピナスV』の2枚目を使うことはないので序盤から積極的に捨てていきましょう。

・白馬
『ツールスクラッパー』『やまびこホーン』『ダンデ』の3枚のうち2枚が入っていたら負けます
上記のケアをしなければならないので、1体目の『ハピナスV』から大事に扱う必要があり、上記の3枚以外で1体目が倒されないよう『ラッキーエネルギー』で手札を管理しつつ戦います。相手が序盤から『スイクンV』で来ると打点が全く出ないので、早い段階でとんでもない打点の『ハピナスV』を作って楽に戦えると思います。
相手の「ダイランス」が言える回数も一応限定されているので、『インテレオン』に水エネルギーを貼らせたり『ボスの指令』を使わせるために『チルタリス』を前で突っ張ることが割とあります。

・黒馬
ある程度上述していますが、基本的には『ビッグパラソル』の付いた『チルタリス』でお祈りするゲームです。
チャンピオンズリーグでは相手に『チルタリス』を悟らせないためにしばらく隠しながら『ハピナスV』で戦う必要がありましたが、今ではデッキがバレていると思うので最初から『チルタリス』を通して良いと思います。とはいえエネルギーをVMAXたちに貼らせたいので、序盤は『ハピナスV』で積極的に打点アップを仕掛けましょう。
『ガラルフリーザー』はエネルギー全トラッシュなため、余裕があれば『チルタリス』の2体目を立て、打点レースで勝つことを祈りましょう。

・ミュウVMAX
3体目の『ハピナスV』を守る
戦いです。1,2体目の『ハピナスV』は全回復せずに相手の『ツールジャマー』がついた『ミュウVMAX』を火力で倒しに行くくらいの感覚で戦って良いと思います。
相手が鋼型の場合で『ゲノセクトV』に『フュージョンエネルギー』が付いていった場合は『ミュウVMAX』がワザ「ダイミラクル」を打てなくなるので『チルタリス』で行くプランも一応頭の片隅に入れておきましょう。

・クワガノン
前の『ハピナスV』にワザが来たら『マオ&スイレン』で回復、ベンチに出した『マオ&スイレン』先のポケモンが倒された場合は『ハピナスV』のエネルギーが結構とんでもないことになるので、中盤以降はグッズの回復だけで戦えるようになります。3エネルギートラッシュしますが、3エネルギー加速されるので全く問題ありません。
『パワフル無色エネルギー』で後1か先2から60ダメージでサイドレースの有利が取れると、基本的にそこからはサイドレースがイーブンに進むので大分楽な試合になります。また、『マオ&スイレン』をどこかで通すためにあえてベンチを出さず、『ハピナスV』にワザを当てさせてからベンチを出して回復するプレイも有効です。

・ゲンガーVMAX
『ハピナスV』を倒すためには『ゲンガーVMAX』に『いちげきエネルギー』が3枚必要。
『チルタリス』を倒すためには『ヘルガー』に『いちげきエネルギー』が3枚必要。なので、『ハピナスV』→『チルタリス』→『ハピナスV』→『ハピナスV』といったプランで押し付けていきます。

その過程で3枚『いちげきエネルギー』がついた『ゲンガーVMAX』に『ハイド悪エネルギー』が付いていれば、相手は『チルタリス』を『ヘルガー』で突破出来なくなるので、回復グッズを振りながらライブラリアウトやワザ連打で勝つことが出来ると思います。『ゲンガーVMAX』のワザが使えなくなるデメリットの解消のため『ハイド悪エネルギー』はかなり採用されているので、意外と通しやすいプランです。

・レックウザVMAX
『チルタリス』を通す戦い、相手の『モココ』がアタッカーになりますが、こちらが『チルタリス』に『ウィークガードエネルギー』を貼れば打点レースではどうやっても負けないのでかなり有利な相手です。

・れんげきテンタクル
3体目の『ハピナスV』を守る
戦いです。最近は『チラチーノ』型ではなく『インテレオン』型が主流なので、相手が300を超えるためには手札にれんげきカードが8枚ないといけないのですが、『エリカのおもてなし』が有効に働かないことから相手は『ホミカ』くらいでしか超えられません。最初の1,2体がそれらで突破されるのは仕方がないです。
『オドリドリGX』も嫌な特性なので、積極的に『頂への雪道』によるスタジアムマウントは狙っていきましょう。
こちらは120打点が『パワフル無色エネルギー』1枚さえ付いていればエネ3枚で打てるので序盤からサイドを取りやすく、サイドレースだとあまり負けない相手だと思います。

・れんげきウーラオス
『ウィークガードエネルギー』を付けた『ハピナスV』で突っ張るゲーム。
それさえ付けば相手の打点は怖くありません。『ガラルサンダーV』もエネルギーを3枚貼らないといけないので飛んできにくいですが、一応それと『うねりの扇』ケアで『ウィークガードエネルギー』は2枚付けておきたいです。
終盤こちらのベンチがいなくなる可能性が高いので、序中盤は『マオ&スイレン』を積極的に使いデッキに回復グッズをしっかりと残しましょう

・リーフィアVMAX
『チルタリス』を通すゲーム。白馬スイクンに比べて相手の『インテレオン』が殴りにくいため、2ラインの『チルタリス』が通しやすいです。
2体立てて、『マオ&スイレン』や回復グッズで回復しつつ戦いましょう。

■配信卓のプレイ解説

本放送リンクはここ

先攻1ターン目に三神ザシアンと判明。
クチートGXケアすることを忘れず、『ハピナスV』+『チルタリス』+『チルタリス』を盤面に並べるのをゴールに設定。
相手は三神で先3から動くので『キャプチャーエネルギー』で『チルット』をプレイ。ここで『頂への雪道』をプレイしなかったのは上述した通り、手札の枚数が怪しかったことと相手に『チルタリス』の圧をかけ、先2でリソースを使って欲しかったため。

後2に『チルタリス』か『ぐんぐんシェイク』を探しに行くために『シロナ&カトレア』で「みわくのウインク」ケアで『ハピナスV』捨てつつドロー、無事に引けたので進化。相手の手札がどうも芳しくなさそうで『ハピナスV』を強気に通せそうだったのでここで『頂への雪道』をプレイ。『トキワの森』で返されたらさらに「みわくのウインク」ケアが進みますし、基本超を持ってこれるのでどちらが通っても嬉しいためここでプレイしました。

先3で色々ミスはあったものの、三神側はアルティメットレイに到達。
手札がかなり多かったものの、なぜか回復グッズがないため『ハピナスV』押し付けプランに若干の陰り。デッキに『チルット』の2枚目がいないため、『チルタリス』がかなり大事な試合。一旦返しの相手の様子を見て対策がありそうかどうか、意識がどちらに向いているかを見極めようと思いました。返しの先4で『マオ&スイレン』をプレイ。トラッシュに『ボスの指令』を置いたことで何となく手札に『ワタシラガV』もしくは『博士の研究』や『デデンネGX』といったカードありそうだと思いましたが、相手はデッキを掘り進めようとせずに『マオ&スイレン』から入ったため、明確な『チルタリス』の対処方法は無さそうだと判断しました。

ここからは試合が流れ、残り時間4分時点。
相手の場が6枚埋まっていたため三神を倒さずLOプランも考えましたが、『ワタシラガV』がひるがえるために通しにくい思い倒す方向に。
自分のサイドに落ちているポケモンが『ミュウ』と『チルット』であることがわかっていたので、2枚とも引かない限り『クチートGX』から負けることは無いですし、投了とサイド取り切りだったら取り切りプランの方が良いと考えサイドを進みました。

ここからの2分間でサイド6枚を取りきっているのは完全に『ハピナスV』のパワー
ラストは打点100から、パワフル無色エネルギー2枚とラッキーエネルギーを加速し、スタンプやマリィケアしつつ大抵のVポケモンを突破できる230ダメージへ打点を伸ばし、決着。
もちろん裏目もあるプレイだったので、時間があれば『チルタリス』で投了させるプランを取りたかったですが、相手の『ボスの指令』の枚数やトラッシュのエネルギーを考えるに6枚取られることはありえないと思ったので心に余裕を持ってサイド取り切りプランを取れました。

無料部分でも述べたデッキの強みをしっかりと出せた試合だったと思います。インタビューのプレイングは75点くらいかな…CardRushPros所属って自己紹介忘れました、ごめんなさい。

■新しいデッキを作るヒント

冒頭でも述べたように多くの新しいデッキが生まれる過程を間近で見ていて、重要だなと感じる要素は以下の2つだと自分は考えています。

①圧倒的な環境デッキの練習
②圧倒的なインプット量

①圧倒的な環境デッキの練習
これに関しては文字通りです。
新しい環境外のデッキを作ることで最も重要なことは環境デッキを理解すること。何事もここからスタートします。
今回で言えば「白馬スイクン、黒馬、三神、ミュウVMAX、クワガノン」はしっかりと回し方やサイドプランを理解し、最低1つはこれでチャンピオンズリーグに出ても良いと思えるレベルにまで引き上げます。
多くの変なデッキを作るとーしんも、練習では常に環境デッキを10個以上持ち歩いていますし、前提として環境デッキを上手く扱えることは何よりも大事だと思います。

これにより環境デッキに対する解答も見つけやすくなりますし、何より困った時に使う逃げデッキが生まれます。特にチャンピオンズリーグ10日前くらいに逃げデッキが決まっていればそこからの調整はかなり心に余裕を持って出来ますし、突拍子もないアイディアやデッキを試すのに1日を使ってもあまり気になりません。
今回も1週間くらい前に『アマージョV』とか『ヨクバリスVMAX』作ってました。こういったことが出来るのも逃げデッキがあるからなので、本当に大事なことだと思います。

②圧倒的なインプット量
自分の頭の中だけで全ての新しいデッキを作ることは正直誰にも出来ません。
デッキは作っては潰し、作っては潰しの繰り返しです。最初から正解にたどり着けたらそれは運が良いと思いますが、世の中上手いことそうは行かず、最初から全てを自分の頭でやるのは非現実的です。
特に自分は社会人として普段働いていますし、練習優先で中々そういう時間が取れないため、日々インプット量を増やすことを意識しています。
シティ入賞デッキは全てチェックしていますし、世に出回る大抵のnoteは見ていますが、特に有用だなと思っているインプット方法はひたすらにTwitterを漁ることです。
これはもうかれこれ2年以上続けています。

スクリーンショット 2021-11-06 192625

「デッキ名やキーカード名 優勝 filter:images」で検索すると画像のみを表示してくれるので、これで常に自分が気になっているデッキや、考えきれていないデッキタイプについて日々チェック。
最近だとこういった行動から「雪道モミインテ」、「スイクン+ガラルファイヤー」や「三神ゲノセクト」、「クロススイッチャー白馬スイクン」といったデッキを見つけ、自分なりに使ってみたり考えて強くしてみたりしていました。

自分はある程度ポケモンカードを長くプレイしているので、レシピを見るだけである程度強さや改善点がわかりますが、そういった力が付いたのもひたすらレシピを見続けているからだと思います。強くなりたい方は是非試してみてください。

といった所で今回の記事は終了となります。
長文になりましたが最後までお付き合いいただきありがとうございます。

いかがでしたでしょうか?もしよかったら、記事ツイートの引用RTで宣伝いただけると嬉しいです。
次のチャンピオンズリーグはまたしばらく先になりそうですし、レギュレーションも変わって一気に違うゲームになると思いますが、思考の過程やデッキを作ったり何かのデッキを突き詰めていく行為は普遍的なスキルになると思います。是非自分の記事を読んでくださった方々がポケモンカードを楽しんで、より強くなっていってくれることを願っています。

ご意見ご感想、バンバンお待ちしております。
普段記事を書いているラッシュメディアもよろしくお願いいたします。

それでは次はチャンピオンズリーグ愛知にて。


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