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喪失と団結と革新

 ノートルダム大聖堂の再建募金に次々と声が上がっているそうです。
LVMH(VUITTONやDior)の会長さんが253億円を寄付。KERING(GucciやYves Saint Laurent )のCEOは親子で126億円の寄付。

流石ファッションの都、パリ。

 Appleのティム会長も寄付を表明、その他ディズニーも寄付をしており、何だかんだで1000億円を超える寄付が集まっているそう。2024年のパリ・オリンピックまでに再建を間に合わせる予定でしょうね。

 それにしても1000億円とは凄い金額。東日本大震災の時は国内企業からの募金は700億円超でしたので、それと比較するとピンときますね。
東日本大震災の時は日本人の4人に3人が募金(募金団体アンケート)してまして、総額4400億円。

 今回はフランス人4人に3人以上が募金しそうな気がします。一体いくら集まるんでしょう。インフラ整備や建築の金額はざる勘定な所が否めなくて、前例も無いので実際幾らかかるのか検討もつきません。唯幾ら必要にせよ、幾ら集まるにせよ、フランスと世界が一体になる瞬間があった事は確実です。

 建設開始から数えると800年以上の歴史がある大聖堂。建設には200年近い年月がかかったそうです。親子三世代どころか、親子六世代くらいかかりそうな年月。一つの『ものづくり』をそれだけもの長い間、『違う人達が』作り続けた団結力には言葉にならないものがあります。
 そして同時に、その喪失は一瞬。それでも現代なら5年程で再建させる事が出来る、団結力と技術革新。一から作るより再建の方が大変そうですが、そこは今の技術と世界中の団結力。建設当時に比べれば魔法のような恐ろしく早いスピードでの再建が見込まれるでしょう。

 ノートルダム大聖堂の喪失から、希望を感じた事が3つあります。

▽ブランド力の未来
▽世界中の団結に仮想通貨が必要不可欠な説得力を増した事
▽フランス文化の再興

▽今回募金したLVMHの会長は世界第3位の大富豪
 Gucci運営の親子も世界100位には入る大富豪です。最近は黒人差別問題や、ファストファッションやスローファッションの台頭で、世界から少し距離を置かれていたパリジェンヌ文化、パリファッション(日本はまだまだブランド志向ですが)。今回の募金でその資産体力を示し、国民の共感と支持を集め、世界にもブランドの威厳を示したと思います。シンプルに『そんなに儲けてるんだな』という意識は浸透しますよね。ブランド力の権威、それにファッション業界の財政も、色んな意味でクリアになってくるかなと感じます。

▽仮想通貨の説明は長くなるので簡潔に。
 唯、世界中からの募金にスピード感が必要な時に、『仮想通貨のスピードとセキュリティは必要不可欠だな』と募金側もフランスも当事者は感じた事でしょう。EUが良い見本となってそのトライを是非していって欲しいですね。

▽フランス文化の再興は言うまでもなく。
 言い方は悪いですが(被害者は出ていないので)、良い着火剤になった出来事だと思います。フランスは財政難に苦しみ、その打開策も世界に示せないままずるずると来ています。そんな中で更に追い討ちをかけたように見える火災ですが、語弊を恐れずに言えば炎上商法と同じ経済効果が期待でき、今回の一件で国民の団結力が高まった事は想像に容易い。同じ喪失感を味わった仲間達の(それこそ世界中の)団結力は、今までのフランスの文化の古傷の瘡蓋を綺麗に治してくれるでしょう。悪い意味で『お高く』とまってきたせいで赤字を続けた文化が、ここで潰えると思います。
パリ・オリンピックに向けて楽しみですね。

『喪失』と『団結』と『革新』大きな喪失を共有した事で圧倒的な団結が生まれ、必要な革新が起きるでしょう。『過ぎたるは及ばざるが如し』です。

 大分言い方に難ありとは思いますが、今までのフランスを引きずるよりは結果オーライとみた方が先は明るいでしょう。

 200年の建設を手掛けた職人さん達も報われるというものです...

 喪失を経験する時は、誰かと一緒の方が未来にに繋がりますね。そんな経験を一緒にしてくれる仲間を日々増やしたいものです。



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