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【勝手にシン・ニホン・アンバサダー】

 先日、シンニホン・アンバサダーへの応募をしたものの見事に落選してしまい、一日半ほど落ち込んだ処で、自分で勝手にやろうと決めた。養成講座のスケジュール通りに、毎週木曜に一章ずつ更新するつもりだ。

 今日は「はじめに」の章について考えながら、自分がシン・ニホンに懸ける想いの一部を話していこうと思う。

 まず、安宅和人さんと言えば「イシューからはじめよ」の著作で大変お世話になった方だ。私が読んだのは大学に入った頃で、当時はその内容の濃さにあまりぴんと来ていなかったけれど、研究をはじめ論文を書き始めるようになってから何度も読み返し、学ばさせて頂いた本だ。
 学生時代、私は障がい者のQOL向上の為のテクノロジーやサービスについて只管考えていて、その時に立てたイシューは「障がいとは身体的でなく社会的なものではないか?」「QOL向上の絶対条件に人間関係があるのではないか?」というものだった。
 当時、「パズドラ」というスマホゲームが流行りはじめていて、所謂「コミュ障」と呼ばれる人が多かった理系学部の中で、そのゲームをきっかけに友人を増やしていく人たちを見て可能性を感じていた。一つのゲームを通して、新たな対人関係を築いていくコミュニケーションは、ポケモンの対戦や交換然り、我々は小さい頃から自然と学んできたものだった。

 また、小学生の頃にハマった「エイジオブエンパイア」や「サドンストライク」のオンラインゲームを思い出した。当時、小学生の友達がゲームキューブなどの家庭ゲームにハマる中で、大人向けのストラテジーゲームにハマっていた自分は、オンラインを通して大人達と一緒にゲームをしていた。その時、「ゲームで活躍する」事さえしていれば、大人の相手も自分を小学生として意識しない事に気付き、新鮮な人間関係を構築した実感があった。

 一つのゲームを通して新しい対人関係が構築されていく事、またオンラインにおいては相手の属性に依る偏見が無い事、に気づいたきっかけである。
そこで先程のイシューと掛け合わせ、「視覚障がい者と健常者が一緒に遊べるオンラインゲーム」を作る事に只管熱中した。何の先入観やコンプレックスもなく、誰もが対等に遊び、コミュニケーションを取れるゲームの構築を目指していたのである。
 そんな中で、「障がいとは周りの社会の仕組みや価値観である」事、オンラインによる人の繋がりにはゲームでは限界がある事、などに気付かされ、テクノロジーから少し離れる事にした。物理的空間で自分の居場所を感じられる、即ち「働く事を通してQOLを向上させられる」職場を作れないかと求めながら、今の仕事に至っている。(今の仕事を選んでいる理由の3つのうち1つ)

 常にイシューを考え抜き、「犬の道」を避けるよう強く意識する事が当たり前になっていく中で、また安宅さんの著作が出るというので期待に胸を膨らませて手に取った(正確にはポチった)のがこの「シン・ニホン」である。

はじめに

 皆さんは、財務省や厚生労働省、環境省などの資料を見たことはあるだろうか?先日のコロナ禍、またSDGsのガイドラインなどで初めて目にする事があった人もいるのではないか?(HPで誰でも見れる)
 これらは本来、就活生が仕事を選ぶ際や、もっと言うと中高生の授業などで取り扱っても良い資料だと感じる。大学を卒業してから、自分の仕事以外の学びを止めたような大人達が「環境問題が大変だ」や「男女平等が進んでいる」や「貧困問題が世界中にある」などとざっくりした話を子供にされてはたまらない。FACT FULNESS然り、最新のデータで物事を捉える事、ロマンチック思考に捉われず自分のやりたい事を見つけ、手を動かす事が大事ではないだろうか。

 シン・ニホンの序章となる「はじめに」の中では、
・現在の世の中の変化をどう見たら良いのか?
・日本の現状をどう考えるべきか?その中で、産業再興、科学・技術政策はどうあるべきか?
・すでに大人の人はこれからどう生き、どうサバイバルしていけばいいか?
・この変化の時代において、子供にはどのような経験を与え、どう育てていけばいいのか?
・若者はこのAIネイティブ時代をどう捉え、どう生き延びていけばいいか?
・国としてのAI戦略、知財戦略はどうあるべきか?企業は?
・AI時代の人材育成は何が課題で、どう考えたらいいのか?一人一人はどう学べばいいのか?
・日本の大学など高等教育機関、研究機関の現状をどう考えたらいいのか?今後、どうやったら元気になるのか?

など、様々なテーマで安宅さんが講演をしてきた内容に触れられており、それらを紐づけながらより俯瞰した目線で描かれた本になっている。

 こうした問いに、誰かから見聞きした話ではなく、自分で集めたデータを元に自分なりのイシューを立て、自分で手を動かしていける人がどれだけいるだろうか?正直、私も全く太刀打ちできない問いだと感じている。

 唯、シン・ニホンを読む事を皮切りとして、「イシューからはじめよ」を振り返りつつ、今の仕事、これからの仕事、そして自分の生活を通してこうした問いの中の答えを出し続けていきたい。
 このnoteを通して、「未来は目指し、創り、次世代に繋いでいくもの」である事を一人にでも多く考えて貰えたらと思う。

 「なぜあの時、自分たちは仕掛けなかったのか、見て見ぬ振りをしたのか」と年老いてから気付くような人生ではありたくない。自分の人生の使い方は自分で決め、そして何より未来の為に使っていきたい。

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