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戦中戦後の感情のシェア(アンフォルメルとキュビズム)

 都内の美術館はほぼ閉館.アフターコロナの世界観は鑑賞者が製作者に移行する良い機会かも.

2020.2 open のアーティゾン美術館.

 コレクション系の展示は,自分の好みを見つけたり再確認できる良い機会.お見合いとか街コン,マッチングアプリ感と言えば伝わるのか.(あくまでイメージ)

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 アンフォルメル(非定型芸術)がめちゃくちゃ好きなんだけれど.見た目の好みから好きになりかけて,中身を知って完全に好きになってしまった,みたいな感覚だった気がする.初恋の記憶は無い.
 アンフォルメルは戦後独特(1940-)の表現で,極限のヘイトや哀しみを昇華した表現故に,感情を保存共有するアートでは最高だと思っている.
 ジョルジュマチューの10番街は,叙情的抽象画.
それまでのアートの文脈では認められない芸術が今こうして作品として愛されるのも,人類が終戦を無事迎えれたからだなと思いつつ,戦争がこのアートを遺したのなら,戦争を100%否定しきれない複雑な気持ちにさせてくれる.

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 一方,形態の革命であったキュビズムも,写真の普及との対比が印象的.技術に抗う作風と戦中独特の心情で,好奇心旺盛なピカソとブラックが愛おしい.
 一つの視点からしか切り取らない抽象画より,多視点で捉えるキュビズムは理解されない前提だなと思いつつ,技術に反発するような一視点から生まれてる気がして面白い.これも戦中の表現.

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 権威ある美術館や美術商が価値を付け続けるアートの世界線から,唯一逸脱した気がしているアンフォルメルとキュビズム.もう戦争は起こらないで欲しいので,こんな作品は後にも先にも無いと信じたい.

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 アフターコロナで未知の作品が生まれるとしても,死線を彷徨わない限り唯の社会風刺になるなとか考える.

 フェティシズムとしては,黒色を見た時の光の吸収度や反射度で美しさが変わるなと思いつつ,素材に拘った黒と同じくらい,退廃的な錆びた黒,も光を寄せ付けない感じが気持ち良いと気付いたこの頃.
 ユニクロの黒Tシャツも10年使えたとしたら良い吸収をしてくれるのか,とか.新品ならYohjiYamamotoの吸収度が1番綺麗だとか.
墨の黒は空気に触れた瞬間が美しいけど,炭は燃えてる時が1番美しいのは火のせいかとか.

 基本どうでも良いけど,コロナニュースの自動機械感と,株価下落の閉塞感はいつまで続くのか.

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