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作品の良さを言語化しきれない時、相手の話を上手く引き出せなかった時以上に悔しい話。

 大分前になるけれど、「ムーンライト」という映画を観ました。

 世間がLGBTQを理解しようとする流れから話題になったのか、その映像の美しさや愛情の描き方の秀逸さから話題になったのかは覚えていないけれど、兎に角好きな部類の作品だった事は確かに記憶しています。

 唯、恐らく作品を観た時に心に刻まれるような体験となるには、自分にとって「未知のもの」である事が必要なんだなと感じた事も確か。知らない世界、知らない映像、知らない体験。これらは簡単に脳に刻み込まれます。

 幾つも映画を観ていれば起承転結が分かるようになってくるでしょうし、小説やアニメ、漫画でもそういう事は往々にしてあると思います。唯、そこにどんなエッセンスでも良いから「未知のもの」が含まれていると、自分には「知らなかった事がある」という当たり前な事を強制的に突きつけられる体験が出来るので、ここが本当に大切だと考えています。

 唯、この「ムーンライト」という作品はそうした真新しさとか奇を衒うような情報は(自分にとっては)一切無かったので、何か言語化しきれないものが心に残ったままになっているのが正直なところ。
 これは恐らく、その心に残ったものを言語化し切れる程の自分の知識と経験の浅薄さが原因だと考えています。

 「ショーシャンクの空に」を何十回観ても、その時々で考える事が変わっていくように、こうした作品をまたいつか目にする事があった時に、昔よりも言語化出来る感動が増えているようにしていきたいなと思います。

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