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Fire HD 10タブレットとdjay 2でDJ環境を作る

あけましておめでとうございます。
年に数回更新するかどうかのブログですが、適当に思いついたことや試したことなど書いていきますので、ご覧になられている方がいらっしゃいましたら本年もよろしくお願いいたします。

(2020/01/07 追記)
その後、「WeDJ」というDJアプリを使って、djay 2との比較記事を書きましたので、そちらもぜひご覧ください。
また、Algoriddim社より、プレイリストについての返答が来ました。djay 2のAndroid版では、Google Play ミュージックアプリのプレイリストのみ対応しているとのことです。
(2020/01/07 追記ここまで)

タブレットでもDJしたい

現在私がDJをおこなうときの環境としては、
・TRAKTOR+コントロールCD(参考記事)
・CDJ+USBメモリ
・ごくごく稀にアナログレコード
というのが基本なのですが、バーカウンターなど、狭いスペースで談笑しながら気軽にDJできるといいなと思い、手持ちのFire HD 10タブレット(2017年モデルの第7世代)でDJ環境を作ろうと思い立ちました。

タブレット端末でDJ、というのは、7~8年ほど前の昔もやっていたことがあって、そのときは、iPad 2+djayという構成でした。
djay(公式サイト)は、ピッチシフト、クロスフェーダー、CUEボタン、BPMカウンターといった、DJソフトウェアに必要な機能が一通り揃っており、しかもスプリット機能(後述)にも対応していた「実用に耐える」DJソフトウェアとしては、当時おそらく最初期に(?)リリースされたアプリだと思います。

djayは当時、iOSのみのリリースで、その後Mac版が出ましたが、Android版はしばらくリリースされていませんでした。
当時所有していたノートPCが重く大きいもので、持ち歩くには相当気合が必要だったので、ちょっとした場所でDJをするにはdjayが活躍していました。それからしばらくしてSurface Pro 3を購入(参考記事)し、そちらでDJをするようになったので、それからはタブレットでDJすることはほとんどなかったのですが、今回思い立ってから改めてAndroidのDJアプリを調べてみると、djay 2がAndroidでもリリースされていることを知り、しかも値段も300円と安かったので、その場で購入しました。(なお、Windows 10のストアアプリ版もリリースされたようです)

ちなみに、賢明な方は、「djay 2にFire OS版なんかあるの?」と思われたかもしれませんが、私のFire HD 10はUIをFire OS標準のものではなく、任意のUIに置き換えているため、Google Playストアへのアクセスができるようになっています。このあたりの方法は、ネットを調べるとすぐに出てきますので、この記事ではFire HDのランチャーUIを差し替えていることが前提です。

Android版のdjay 2は、機能や使い方はiOS版のものとほとんど変わりません。画面構成はアナログターンテーブルを模しており、使ったことのある人であれば、操作自体は直感的であまり悩むことなくプレイできると思います。(iOS版を使っていたのが相当昔なので、細かい差異はあると思いますが気になるレベルではありません)

Fire HD 10での動作ですが、1~2時間程度試しにミックスしてみた感じでは、特に問題ないように思いました。処理速度が足りなくて画面が引きつるとか、メモリが足りなくて突然クラッシュするというようなことは起きていません。

タブレットでもモニタリングしたい

「タブレットってAudio出力1系統しかないのにどうやってMasterとMonitorを分けるの?」と思った方は、正しいDJプレイを把握されている正しいDJの方です。DJ検定もきっと取れるでしょう(知りませんが)。

方法としては2つあり、そのうち1つは、外部のDJコントローラーと接続し、そこから音声を出力すること、もうひとつは「スプリット機能」を使用することです。私は以前からこのスプリット機能を使用しています。

通常、曲はステレオ2chで出力されますが、スプリット機能を使うことで、右チャンネルと左チャンネルに、それぞれ別の曲を出力することができます。当然ながら、それぞれのチャンネルはモノラル音声になってしまいますが、使用する場所や用途を考えれば、モノラルでも問題ありません。

文字だけで説明するのは難しいのですが、右チャンネルと左チャンネルを分けて出力する必要があるため、通常の「ミニピン←→RCAケーブル(赤白)」で、RCA側の赤いピン、白いピンをそのままミキサーの別チャンネルに接続しただけでは、片方のチャンネル(スピーカー)からしか音が出ないことになってしまいます。

そのため、モノラルの同一音声を、さらに2つのチャンネルに分岐させるための変換コネクタが必要になります。この辺りが一体になった専用ケーブルが市販されていますが(サイト)、自分で変換コネクタやケーブルを組み合わせて自作しても構いません。

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(友人に自作してもらったケーブル。左右のチャンネルをミニピンのメスにして、片方にミキサーへ出力するRCA、もう片方の空いている方にはモニター用のヘッドホンを挿します)

モニタリングする上で避けては通れない話になりますが、djayの癖の強い仕様のひとつに、「各デッキごとのモニターのON/OFFスイッチがない」という点があります。ではどうやってモニタリングするの?と思うかと思いますが、「Master出力されている(クロスフェーダーを倒している)のとは反対側のデッキの音、つまりクロスフェーダーを反転させた音がモニター出力される」という仕様になります。

これが結構不便でして、クロスフェーダーを真ん中に合わせてしまうと、モニター出力がMasterと同じになってしまうということになります(真ん中を反転しても真ん中なので)。そもそもdjayには縦フェーダーがありませんので(正確にはあるのですが、UIとしてDJミキサーのような目立つ形にはなっていません)、ハウスのスタイルでミックスする人には慣れがいります。

djay単体でのミキシング機能はやはり不足が否めないため、DJミキサーが使える現場であれば、djayは音源のプレイヤーとして使用し、ミックスは外部のDJミキサーを使う、という構成がよいかと思います。上記の写真では、ミニピンの片方だけにRCAケーブルを挿していましたが、同じケーブルをもう片方にも挿して、DJミキサーのチャンネルにそれぞれ入れ、djay上では、クロスフェーダーを片側に寄せます。つまり、片方をMaster、もう片方をモニター出力で入れるということです。あとはCDJを使うのと同じようにミキサーでミキシングすればよいのです。

タブレットでも選曲したい…が

ミキシングはできました。ということで、あとは音源プレイヤーとして使えるかどうか、というところになります。

djayはもともとiOSから始まったDJソフトウェアですが、iOSを使ったことがある人はご存知の通り、iOSではフォルダによるファイル管理というものが存在しません。ですので、基本的にはiTunesで作ったプレイリストを転送しておくことで、それを読み込んで選曲に使用できます。

AndroidはiTunesのように決まった方法での音楽管理ツールがありませんので、適当なフォルダの中に音声ファイル(MP3等)を入れておくと、OSが自動的に音楽ファイルとしてインデックスを作ってくれるらしく、それを読み込むことができます。

ただし、全部の音楽ファイルをすべてフラットにリストに並べてしまうため、大量の音楽ファイルを扱っている場合は、リスト閲覧にノイズが乗りまくり、非常に煩雑なことになります。私が普段PCでDJするときには、大まかなジャンルなどのカテゴリごとにフォルダ単位で曲を整理した上で、そこからプレイリストを作っていました。もちろん、毎回DJの度に同様にプレイリストを作ればいいのですが、タブレットの用途としては、気軽にその場のノリでDJをしたい、ということなので、なるべく準備の手間は省きたいところです。これについては今のところいい方法がありません。

もともとの運用方法として、iOS版と同じく、プレイリストを使用することが前提となっているのだと思いますが、これについての情報がネットを探しても見つからず、そもそもどういうフォーマットに対応しているのかも分かりません。Spotifyのプレイリストのことは見つかりますが、ローカルファイルのプレイリストについて言及されているサイトが公式も含めて存在していません。おそらくm3u形式で大丈夫だと思うのですが、この辺りはまだ試していないので、情報を整理してまた記事にしようかと思います。

(追記) m3u形式やpls形式などいろいろ試してみましたがダメでした。現在サポートに問い合わせしています。

(2020/01/07 追記)
Algoriddim社のサポートより返答があり、djay 2のAndroid版では、Google Playミュージックアプリのプレイリストに対応しているとのことでした。実際に試してみたところ、たしかにプレイリストを認識していることが確認できました。
(2020/01/07 追記 ここまで)

今考えているのは、フォルダごとにファイルのリストをそのままプレイリストに出力したり、ID3タグの情報からカテゴライズしてプレイリストを作成するようなスクリプトを書こうかなと思ってます。せっかく書けるので。

とりあえず、選曲の問題さえクリアできれば常用できそうだなと思っています。プレイリストを扱うプログラムは書いたことがないので、作るところも含めて楽しんでみようかと思います。

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