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上の子可愛くない症候群、私が乗り越えられたわけ

ある晩、私は、上の子(3歳の娘)にある感情を抱きました。

「娘と一緒にいたくない。娘が可愛くない」
「娘を無視したり、娘が傷つくことを、あえて言ってしまいそう。自分が怖い。私は、母親失格だ」

今は、可愛くない、というブラックな感情は、消え失せました。
まさか自分が「上の子可愛くない症候群」になるとは・・・。
気持ちが落ち着いたころに、あのときの自分は、「上の子可愛くない症候群」だったのだと気づきます。

■上の子を「可愛くない」と思ってしまった、出来事

新居に引越してから間もなくして、3歳の長女は、癇癪の頻度が増えました。
遠く九州への引っ越しは、長女に負担をかけていることは、容易に想像できました。
「早く、わたし、お家に帰りたい」と、引越し後の新居を、自分の家だと認めないくらいですから。

親の転勤(主人の転勤)で引っ越しを決めたことは、子どもにとって負担をかけている、という負い目を、感じていました。
そのため、当時の私は、娘を元気にしたいと、必死でした。

娘は、何をしたら喜ぶだろうか。

幼稚園のお弁当には、娘の好きなキャラクターのおかずカップに、おかずを入れて。
ブルーベリー好きな娘のために、ブルーベリーを探しては、デザートとしてお弁当に入れることも。
子どもの不安な気持ちは、親の愛情を示すのが有効、とネットで見れば、娘と一緒に過ごす時間を最優先にしました。

それでも、癇癪を起す頻度も、程度も、増していきます。

娘が幼稚園の間は、0歳の長男の育児があります。
休む暇がなく、精神的に疲れていましたが、
「癇癪も成長の過程だ。めげずに頑張っていれば、娘の成長と共に、分かってくれる日がくるはず」と、模索する日々。

ある日、幼稚園の後、マクドナルドのポテトを買いにいくことに。
全ては、娘の笑顔を見るために。

車から降りて、ショッピングセンターの中にある、マクドナルドへ。
幸い、下の子(長男は当時0歳)は、ご機嫌。
「長男の機嫌が良い今のうちに買いたい」と思い、急いでベビーカーに乗せて、お店へ向かいます。

マクドナルドに向かうまでにある店で、娘は長靴を見つけました。
「この靴、欲しい」と、ねだってきます。
しかし、娘は長靴を持っていて、買い直すには、時期尚早です。
「今日は、ポテトを買いに行くからまた今度ね」と、本来の目的地に誘導しようとしました。

私の言い方が悪かったのでしょうか。
娘の癇癪スイッチが、ONになりました。

娘「買って、買って~!!!欲しい、欲しい~!!!」と、泣き叫びます。
私「今の長靴が小さくなったら、買おうね」と、再度提案。

癇癪を起こした娘には、聞こえていません。
床に寝っ転がって大号泣し、大暴れする娘を、他のお客さんが振り向いて行きます。

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泣いたら買ってもらえる、と娘に誤解を与えてはいけない。
でも、私が泣かせていると思われるのでは、と周りの目も気になる。
娘を抱っこして落ち着かせようとするも、大暴れする娘は、抱っこすらできません。泣き止む気配なし。
ベビーカーの長男がいつ泣き出すかも、分からない。

周りの視線や下の子が気になり、しびれを切らして、長靴を買うことを決心。レジに持っていこうとしました。

これで解決する、と思いきや、
「長靴、いらない~!!ポペト、食べたい~~!!」と、泣き暴れる、娘。
(娘は、「ポテト」を「ポペト」と言います)

私「そうだね、ポペト買いに行こう。お腹空いたよね。長靴は棚に戻すね」
娘「いやあ~!!長靴、欲しい~!!!」
私「じゃあ、長靴を買おうよ」
娘「長靴、いらない~!!ポペト食べたい~!!」
この繰り返し。

誰か、助けて…。
どうしたら、良いの…。

30分ほど泣き続けて、落ち着きました。
最終的には、長靴を買って、やっと、予定していたポテトを買って。
すでに日も落ちて、外は暗くなっていました。

私、何をやってるのだろう

ドッと疲れが襲ってきます。
娘は、「ポペト、美味しい〜」と何ごともなかったかのように、ご満悦な様子でポテトを食べています。

「何を呑気なことを言ってるんだ、そのポテトを買うまでにどれだけこちらは疲れたと思っているんだ」と腹が立ってきて。
その後は、娘に話しかけられても、話したくなくて。
何なら、顔も見たくない。
車を降りて家に向かうとき、娘は手を繋ごうと甘えてくることにも、腹が立って。
(その時の感情を思い出して書いてても、辛いです)

帰宅後は、そんな自分を気持ちを押し殺して、ワンオペで寝かしつけまでを終わらせました。

その晩、娘の寝顔を見てたら、涙が止まらなくなりました。

もうこの子と顔を合わせたくない。  顔を合わせると、無視したり、娘が傷つくことをあえて言ってしまいそうで、怖い。私は母親失格だ


■私が乗り越えられたわけ

1、辛い気持ちを、主人に訴えた

23時過ぎに帰宅した主人に、事のいきさつを話しました。
助けてほしい、という気持ちも込めて。

「子どもの事を任せっきりで、申し訳ないと思っていた。これからは仕事を調整しながら、子育てを手伝う」と、弁解する主人。
主人に愚痴を言っても、この日に初めて、SOSを出しましま。
(私がSOS出す前に、手伝ってよ!という気持ちは、抑えておきました)

その後、テレワークの日は、積極的に子育てしてもらうように。

2、自分の時間を作った

休日は主人に協力してもらって、意識的に「自分の好きなことをする自由時間」を作るように。

その時間は、好きなところへ行き、好きなものを食べて。
自分の「好き」で、自分を満たすことができました。

育児をしていると、思い通りにならないことばかりで、我慢が多い日々。特に私は自己犠牲が強すぎた、と気づきました。

3、共感できるママ友を作った

「2人子育て中のママ」で、「同年齢の子どもを連れているママ」を児童館で見かけたら、積極的に声をかけるように。

最初は突然声をかけることに、抵抗がありました。
でも、みんな同じように悩んでいることを知り、話すことで気持ちを発散できるように。そこからは積極的に声をかけることができるようになりました。

4、子どもには「好き」を言い続ける

以前から娘が寝る前には、必ず「ママは娘ちゃんが好きよ」と、言っていました。
こう言うと、娘が安心して眠るからです。

「上の子可愛くない症候群」の渦中にいる時には、こういう発言さえも、違和感がありました。
でも、これは一時の感情に過ぎない、と自分に言い聞かせて、娘には「好き」を言い続けました。

すると、無理に言ってるような気でいたけど、「好き」な気持ちは、以前から持ち続けていることに気付きました。「好き」なのに、私は母親失格だと、自己否定していることが辛かったのです。

■振り返ってみて、思うこと


今では、娘のことを可愛いと思えています。
っというよりも、ずっと可愛いと思っていたのです。
だから、「そんな可愛い娘のことを憎んでしまう自分」とのギャップで、苦しんでいました。

私の場合、気持ちを発散できずに、精神的に余裕がなくなってしまったこと。   これが、「上の子可愛くない症候群」の原因でした。


自分の心に余裕さえあれば、娘の癇癪にも柔軟に対応できた、と今となっては思います。

娘はあの時に比べると、かなり成長し、癇癪の頻度はずいぶんと減りました。
もし今読まれている方の中で、「上の子が可愛くない」と思っている方がいらっしゃったら、「時間がかかっても、必ず状況は変わる」とお伝えしたいです。


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