見出し画像

ギブし続け、SNSで信用を積む~コルク佐渡島流 人生の成功術~

出版業界に新風を巻き起こし続けている株式会社コルク代表取締役社長 佐渡島 庸平氏の話を聴いてきた。

コルク創業前から有名で、ずっとフォローし続けてきたが、今や、出版業界という枠を超えてファンコミュニティ界隈の第一人者になりつつある。

そんな彼の最新著書『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. ~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~ 』(NewsPicks Book)刊行記念のトークイベントを聴きに六本木まで足を運んだ。

少し遅れて行くと、事前アナウンスでは佐渡島氏の名前しか無かったにも関わらず、壇上では見知らぬスーツ姿の男性が2人、佐渡島氏を囲んでいたので、面食らった。


観客から2人の希望者を壇上にあげたのかと思いきや、版元たる幻冬舎の社員さんだと言う。そして、佐渡島氏は、2人を壇上にあげる行為を「信用を分け合うこと」と語った。

今回のイベントでの話も多くの時間が、この「信用」をテーマに語られた。

人生で成功するために必要なのは「信用されること」と佐渡島氏は語った。
嘘をつかないこと。ブレないこと。

かつては、金銭が信用の代わりだった。しかし、今は金銭が無くても信用は貯められる。
信用の機能を金銭から代替するもの、それがSNSだと佐渡島氏は言う。

SNSでの発信を計画的に淡々とコツコツ続けると信用が貯まる
プロフィールを盛らない自分の得意なこと、詳しいこと、強く好きなことをいくつかに絞って発信する。その内容が価値のあるものであれば誰かが必ず信用を裏打ちしてくれる(HIPHOPにおけるフックアップ)と。
Twitterで言えば、インフルエンサーによるフォローやリツイートがそうだ。

そして、その発信は、仕事にもつながるらしい。(食べログで書き続けていた人がグルメ仕事に、HONZで書き続けていた人がレビュー仕事に、など)

そうして得た信用を、他の信用を持つ人と互いにシェアし続けることで、より多くの信用を得ていく。

信用を得ると、更に仕事が舞い込んでくる。

現在は、タイムバンクなどのサービスを通じて、そうした信用を物理的に換金することも可能になっている。

信用を得るために大事なのはギブし続けることだとも語った。
noteのサポート機能で100円もらえると嬉しいという話。ギブされた側は記憶に残る。そうした記憶の積み重ねは、信用に変わる。しかし、ただギブすれば良いものではない。「タダで何でもやります!」は時間のギブに過ぎず、価値は低い。自分の得意、才能のギブをする必要がある。

抜粋したが、以上のような話でイベント自体は終わり、質疑応答へ。
コルクの人事評価やオンラインサロンにおける報酬について、ソーシャルの信用と実社会の信用はいつ一致するかなどの質問が飛んだ。

会の終了後、会場のほぼ全員が佐渡島氏にサインをもらうため並んだ。その様子を眺めながら、淡々と信用を積んできたからこそ得た佐渡島氏の人気ぶりに拍手を送りつつ、少しの違和感を覚えながら帰路についた。

その違和感は、僕自身がこの数年、考え続けている理想としての「フラットなコミュニティ」との齟齬からのものだが、続きは次回に。

そして、僕自身は、これから立ち上げようとしている「プロ読書会コミュニティ」「プロ上映会コミュニティ」において、佐渡島氏が編み出したコミュニティ運営方法を実践していきたいと思う。自らが掲げた理想との差を意識しながら。