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生殖医療相談士の私がnoteを始める理由

私は2016年から医療法人で働いています。

スペインにいる姉からの紹介で、ひょんなことから、今の勤務先のボスである京野と生殖補助医療というものに出会いました。

その時のことが衝撃的であり、今も毎日私がここで働くエンジンになっていますし、今回noteを始めようと思った理由の1つになっています。


「試験管ベビー」

恥ずかしい話ですが、本当に試験管の中でこどもができるのか、とか思ってました。決して保健体育の成績が悪かったわけではなく、むしろ5以外取ったことがないはず。保健体育は。

そんな私ですが、良かれと思って招いていただいた妊活セミナーというもので、大きな大きな衝撃を受けます。

「はやい」

まず、わからないことが多すぎる状況で、専門職であるドクターや看護師さんが、かなり気を使ってくれてはいるけれど、結構早いスピードで話します。

「多い」

セミナーの時間は2時間半。予備校の特訓講座でもなかなか無い長さです。

「難しい」

何より医療のことだから、扱っている内容が難しくて、専門的です。

予備知識もなしにこれを聞いても、さすがに理解できない。そして、周囲には不妊に悩み、真剣に治療を考えている方が来ている。幼稚な質問などできる雰囲気でもない。

「きつい」

語彙力はともかく、本当にただただ「きついぞ、これは。」そう思いました。

内容がどうこうではなく、妊娠するのにこんな知識がいるのかっていう事実に愕然としました。

一方で、もし妊娠に必要な基礎知識を将来妊娠したいって考えている人に事前に伝えることができれば、人生設計が変わるかもしれない。

そんな予感を感じていました。

「Reprductive Health and Rights」

色々と調べていく中で、Reprductive Health and Rights(性と生殖に関する健康・権利)というものの存在にたどり着きました。

これが日本は先進国の中でもトップクラスに低いと。(まさに自分のことだなと)

もともとインターネットメディアなどを運営している会社にいたこともあり、ホームページでの情報発信などを初め、まずは情報を広めていくことに力を注ぐようになりました。

「誰が、何を言うか」

誰が言うか>何を言うか、というのはインターネットメディアでは良く言われることだと思いますが、

一人の市民的感覚からすれば、そこってあまり切り離されているものではなくて、信用のおける誰かが、しっかりとした内容を聞かせてくれる、ことを期待していると思い、私の恩師である心理カウンセラーの先生の紹介もあって、日本製職心理学会が認定している生殖医療相談士という資格を取りました。

国家資格ではないですが、決して安易なものでなく、6ヶ月間の学習と試験が必要なものです(なかなか費用もかかる)。

これらを通じて、基礎になる知識をしっかりと身に付け、資格を取得した後はクリニックのオフィシャルブログなどを初めて、毎日論文を読み、記事を書き上げる事2年間繰り返してきました。

でもどこかで、もっとしっかりと自分の言葉で相手に伝えたいというもやもやを抱えていて、思い切ってボスに相談をし、じゃあやってみようと。

最近では、ブログ更新はすっかり休んでしまってはいますが(汗)、1人の専門家として、患者さんの前でお話をしたり、学会へ出て発表をしたり、論文を書いたりという活動をしています。

私の言葉や文章は癖があるようで、好きな人も嫌いな人もいると思いますが、一人でも多くの人が正しい知識を持ち、自分の人生の選択をしていくことの役に立てば本望だなと思って、今回noteを始めることにしました。

ここでは、基本的な生殖医療の知識的な紹介や、興味深い論文の情報、個人的な雑感などを上げていきたいと思います。

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