見出し画像

デッサン#1「円錐角柱相貫体」

僕がデッサン教室に通うようになってから半年ほどが経った。
不思議なほど、続いていて、あれほど苦手で嫌いだった絵を描くという行為自体はそれほど嫌ではなくなってきた。それでもまだ苦手意識はあるけど。

例えば、がんも農場の印刷物を作成したときに、何気なくささっと描いた絵に対して、さきちゃんから「うまい!」と言ってもらえることがあった。
それは、「(過去の僕の絵から比べたら)うまい!」という枕言葉があってのことなのだが。

いずれにしても自分の中で”絵を描く”ということ自体の意味が変わってきているのは確かなのである。

それで、この度デッサン教室に通ってから3作目を作成完了した。
円錐角柱相貫体という石膏の立体。1作目は角柱、2作目は円柱。そして3作目は角柱と円柱の合わせ技ということだ。

先生の指示に従いながら作成すること12時間。
消しては描き、消しては描きを繰り返した。

最初に難しかったのは、構図を描くときに円を描くところ。
自力ではなぜ違和感があるのかわからなかったが、先生に指摘されて、
ほんの数mm曲線の一部を下に下げたら急に円に見えた。

そして最大級に時間がかかったのは、最後に陰影をつけていくところ。
どこが明るくて、どこが暗いのか。なかなか捉えきれない。
自力で修正していても、どうも本物に近づいている気がしない。

「正解はここにあるよ」とよく声をかけていただき、石膏をよくよく見るのだけども、どこが本物と違うのかが捉えきれないのである。
修正するためのアイデアが見つけられなければよくなりようがない。
見かねて先生がヒントをくれたり、正解も教えてくれたりするのだけど。

昨日も時間いっぱいまでやって、完成とした。
しかし、やはり本物とは違う。自分の中では前作よりはレベルアップしたと思うけど。

お米作りも全く同じだと思う。
自分が思う正解をまず思い描くには、経験や知識が必要。
思い描けたら、その理想と今の何が違うのかを理解して、技術的に到達可能なのかを考える。
それができて、初めて今度は技術を高めることができる。

違いを理解できなければ何も始まらないんだよな。

普段はお米の世界にどっぷりなので、自分を客観視できなくなりがちだけど、こうしてデッサン教室に来ると異世界を垣間見ることができ、自分を客観視する余裕もある。そのことが、お米の世界でのモノの見方をまた変えてくれているとも思う。

次回作は酒徳利。

だいぶ有機的な形になってきた。
複雑さは増すけどワクワクする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?