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ガン友読書会報告

7月14日/世界はなぜ美しいのか
この日はライフワークに直接関わるテーマ。つづめていうと個と類の関係構造。そして有限と永遠の関係を探究する旅の一里塚でした。取り上げた作品は芥川龍之介の遺書に関わる彼のアフォリズム、後輩に当たる高見順の詩集「死の淵」と同じく詩人の長田弘の「世界はうつくしいと」、「奇跡/ミラクル」、「死者からの贈り物」です。世代的には大正を生きた芥川、昭和(戦前•戦中•戦後高度成長期まで生き、胃がんで病院のベッドで死ぬ高見順。そして長田は戦後の廃墟と化した傷口と貧しさの記憶を留めた風景を子供の頃に目撃、高度成長からバブルの浮かれた社会と人間を冷ややかに見つめた壮年期。その後の30年近くに渡る日本の没落と世界と地球の破壊を目撃しながらの老年期。最期はガンで死ぬ。同じ死に逝く人間、異なる人間観、それぞれ、時代の刻印を背に負い、自己を、社会を、世界を文字に刻む。大きな枠組みで云えば、近代•現代の課題を彼らは文学を通して、人間と世界の罪と罰を繊細、美的に、時には自虐的に、預言の警句を残していると。さてアナタはどこにいるのかと天空の一角から、地の底から、背後から聞こえてくるかのようです。。

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