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ファシリテーターの相談箱

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ファシリテーターへの相談・質問に答えていくブログです
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2018年9月の記事一覧

「ファシリテーションにも守破離が大事か?」ファシリテーターの相談箱 023

これは悩ましい質問ですが、私の極めて個人的な意見としては「ファシリテーションは破からしかできない」というものです。ファシリテーションに守はあるとは思いますが、場は生物なので同じ人たちで同じテーマで集まっても、同じ場にはならないので、ファシリテーションする場は破ででしか向き合えないと思うわけです。 では守はどこにあるのか?というと、自分が参加者としている場…なのかもしれないなと。 もしくは捉え方を変えると、守は要素を守ることならば守破離は大事だなともいえますが、ファシリテー

「うまくなるのに場数を踏むしかない?」ファシリテーターの相談箱 024

これは「はい」となりますが、場数の場は自分がファシリテーターとして居る場の数だけではなくて、自分が参加者である場や、普段の生活の中でも場になりえるので、この質問の次にある、うまくなるまでなかなか自分の場はできないとか、やる機械がもらえなくて…という悲観につながる必要はないということを伝えたいです。

「成功した!と思えるにはどうしたら?」 ファシリテーターの相談箱 025

これは自分自身の手応えみたいなものかなと。正直に言うとファシリテーターをしていると、あまり「ファシリテーターの成功」の定義が明確にはなくなっていて、私の場合は場については参加者に委ねるから自分の評価や成功を気にしなくなりました。以前は自身のファシリテーターのレベルアップのためにフィードバックほしいと思ってアンケートとか取っていたのですが、参加者にとってはファシリテーターがどうだったかなんて関係ないと考え直してやめました。依頼主が場についてのフィードバックがほしい場合や、連続も

「場の観察のポイントは?」 ファシリテーターの相談箱 026

私が特にフィードバックとして意識しているポイントは顔と音です。 顔は表情もそうですが、顔がどこを向いているかも大切にしています。下をずっと向いている。周りを見ている。など。そこから、参加者の気持ちを考えます。そして時には確認のための質問をします。例えば、時計にちらちら視線を向けている人には「次の予定がありますか?」と。あれば、早めに終われるようにするかを確認したり。そうすることで、その人の場への集中はしやすくなると思います。 音は参加者の話し合う声の大きさというかトーンを

「なぜファシリテーターに興味を持ったのか?」 ファシリテーターの相談箱 027

完全に自分の歴史になりますが、2008年に「ワールド・カフェ」という参加者同士が語り合うワークショップに参加した時にファシリテーターという役割があることを知りました。ちょうどスタッフをしていたIT系の勉強会でも参加者同士で話し合いたいというニーズがあったので、これは自分もやってみよう!ということで始めたのがきっかけです。自分は人見知りでもあったので、参加者の外側にいるというところも興味を持ったと思っています。

「1番のファシリテーター経験は?」 ファシリテーターの相談箱 028

1番がなかなか決めづらいながらも、最近の経験の中では、トップの方に依頼された対話の場で、初めはやらされ感があったり、ファシリテーターの存在に拒否反応があったりした参加者の方が、最後の方に本音で語り始めた時は、こんな場に立ち会えて良かったなぁと思いました。 トップの方の想定した最後にはなりませんでしたが。( ̄▽ ̄;)

「温度差を埋めるには?」ファシリテーターの相談箱 029

場が多様であるのは普通であると思って、その場にいることをオススメしながら、その温度差がこの場にどんな作用をもたらすのかを想像します。温度差を多様なひとつの現れ方とするならば、温度差がどうあるのかを見える化するのはありだと思います。温度差をどう扱うかも参加者に委ねます。その場合、ファシリテーターは偏った見せ方にならないようにします。内容の揺り戻しのような感じで、Aと言ったら、反対のBをファシリテーター自身が許容するような「Bもあるかもしれませんね」や、もっと行きすぎるCを大袈裟

「思考のキャパシティを広げたい」ファシリテーターの相談箱 030

これは私が場のコンテンツとプロセスとファシリテーター自身の気持ちという同時に3つのことを考えているという話からも出た質問ですが、思考は意識できることは1つですが、視覚、聴覚は同時に使ってますので、それらを別々に意識してみると思考のキャパシティは慣れると共に広がっていくのではないかと思います。学術的ではなくて、個人的な感覚です。

「脱線はどうしようか?」ファシリテーターの相談箱 031

脱線は分岐点だと思います。ファシリテーターのあなたが「脱線」と感じて、この質問になったとして、参加者、話し手の方のテーマへの求心力や集中力が低下しているのか、単に話し手の方の話し方の癖なのか、はたまたテーマが生まれ変わる、本質に迫る転換ポイントなのかという可能性は考えてみても良いと思います。ファシリテーショングラフィックをされているのであれば「それはどの辺りに書けばよいでしょう?」と場に聞いてみるのも良いと思います。個人的には2分くらいは聞いてみてます。他の参加者からのフィー

「タイムキープとの関係をどう考える?」ファシリテーターの相談箱 032

実はこの質問は苦手です。特に会議におけるファシリテーションの代名詞みたいに「時間通りに会議の結論が出る」みたいなことを挙げられるているので…。大事じゃないとは言いませんが、そもそもは会議時間は60分が基本とされてたり、会議の文化が曖昧にしているから問題になりやすいのだと思っています。つまり「時間は守るべきものだ!」という理念で、話し合う内容以前に時間が守られていないことにイライラして場に影響が出る人がいるから気にしないとな…という視点でしかなくて、時間を守る=タイムキープが大

「参加者が外国人の場合はどうする?」ファシリテーターの相談箱 033

まず向き合い方としては特別には扱わない…だと思います。日本語の確認はします。その方がどのように向き合うかですので。 イベント的なものであれば、場への貢献という形で通訳を促すのもありかもしれませんね。会議など関係性が持続する場では、そもそもの会議の文化としてどうしているのかを、今後どうしていきたいかを聞いたり、話し合ってもらうことをしました。 一度だけ、英語での場を受け持ったことがありますが、ファシリテーターとしての英語レベルの開示はした上で進めて助けてもらいながら進めました

「参加者が自分より上位の場合どうしますか?」ファシリテーターの相談箱 034

組織におけるファシリテーターの場合、この質問は悩ましいところでしょう。端的に答えれば「場の同意を取る」となります。ファシリテーターに何が望まれているかと、何を価値に自身がファシリテーターをしているか…。それを明確にすることがファシリテーターの許容を生み出します。もちろん綺麗な答え方としては、ファシリテーションはフラットな関係性を築くことが大事…とも言えますが、これはダイアログを目的とした会議などの場を想定すると言えるでしょう。もう少し視座の高いものであれば、プロジェクト、チー

「こんなファシリテーターがいたらいいなというファシリテーター像は?」ファシリテーターの相談箱 035

勝手に心の師匠と呼ばせていただいている方々がいまして、そこから考えるに…。場を参加者に委ねられる、信じている人はすごいなぁと。そして、改善でのふりかえりや場のフィードバックは別として、ファシリテーターへの参加者個人個人の評価という感覚に動ぜずにファシリテーションされるファシリテーターは、変な自信ではなくて、揺るぎない個としての存在な人はすごいと思います。 場へのフィードバックとファシリテーター個人への評価やファシリテーターアタック的な話はまた書きますね。

「1対多の場で時間さえあれば背景まで捉えられるのか?」ファシリテーターの相談箱 036

しばらくこの質問を眺めています…。1対多の1がファシリテーターを指す場合と、1が登壇者を指す場合でことなりそうだなと。 ファシリテーターの場合は捉えられると思いますが、あくまで「その場」における背景でしょう。Management 3.0という考えの中で、一人一人か描いたパーソナルマップをソーシャルグラフのようにつなぐ場の見せ方がありますが、それが適してそうな気がします。 登壇者の場合はむずかしいかもしれません。なぜなら、登壇者の持つテーマ、コンテンツというメインかありなが