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ファシリテーターの相談箱

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ファシリテーターへの相談・質問に答えていくブログです
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記事一覧

「チーム内のコミュニケーションがうまくいっていない時にはどうすればいいですか?」ファシリテーターの相談箱 001

このようなコミュニケーションに関する相談がある時には、まずはランチタイムとおやつタイムくらいに職場を回ってみるとよいですよ。って言ってたりします。それを最低でも2週間くらい続けてみると、どういう関係性があるのか見えます。コミュニケーションという言葉でくくっているものが仕事における「伝達」についてのことが多く、まずは関係性と伝達(伝える・聞く)がどのような土台の上で行われているかを見てみるところから始めましょうと。

「話し合う場では何を見ますか?」ファシリテーターの相談箱 002

仕事における「話し合う」については、まずはやってみて、そこから得られたもので考えて、次をやってみるを繰り返すだけ。ファシリテーターとしてみるのは内容ではなくて、例えば「話すトーンが変わった」で、それが「どんな感じ」か?なのかな。

「会議で発散はできますが、収束が難しく、タイムキープをしっかりして、早めに収束に入った方が良いですか?」ファシリテーターの相談箱 003

これもよく質問されるので「収束は参加者の関係性の方が影響しますよ」と答えています。そもそも収束に向けた言葉のやり取り、お互いに遠慮せず意見を伝え合える合意形成できる関係性かどうか。

「ファシリテーターが必要だと言われる一つの理由に会議が時間通りに終わらないから…というのがありますよね」ファシリテーターの相談箱 004

この相談を受けた時には、会議をする空間に見える位置に時計があるかどうか確認してもらっています。PCにも時計がありますとも言われますが、視認性が高い=意識できるというのが大事かなと。

「話が長い人がいる場合にどうやって話を切りますか?」ファシリテーターの相談箱 005

この質問もよく受けますが「なぜ長いのでしょう?」というところが回答のスタートになります。話したい事が多くある?伝え方がうまくない?どちらもこちらの聴く姿勢が大事なのだと思っています。「長いから切る」のではなくて「内容を扱う」ということかなと。 話したい事が多いのであれば、その溢れる想いを聴くには時間が足りなくなるでしょうから、その想いに尊敬を払い、続きを別の場で聴けないかと話します。うまく伝えられずに話が回ったり、ずれていく場合は、整理の為に描いてあげるとよいと思います。最

「ファシリテーターは話し合いに入らない方がいいですよね?」ファシリテーターの相談箱 006

これは会議におけるファシリテーターの場合、最近はYESと答えています。会議の舵取りと自分の意見の進む方向が一緒であればいいですが、そうでない場合は舵取りに影響がでます。舵取りも風見鶏や羅針盤の様な役割で「今」を見せて、判断は参加者に委ねるのであれば、羅針盤にはフィルターがかからない方がいいでしょうし、もし自分がしっかりと舵取りと自分の意見を分けることができるようになっても、参加者がどう感じるかは関係性次第です。 昔はどう答えていたかというと「ファシリテーターの練度による」とし

「アイスブレイクはどんなものがありますか?」ファシリテーターの相談箱 007

いつからかアイスブレイクという単語は当たり前の様に使われ始めていて、この質問も多いですね。私がアイスブレイクを使うのは「対話しやすい」環境を整える為なので、関係性が変化するものを使います。簡単なのは「周りの人と目を合わせてみてください」というもの。そして「みんな優しそうでしょう?」と付け加えます。(笑) 名前のついたアイスブレイクもあるので、それを覚えて使うのも良いと思います。そのアイスブレイクが参加者の「何に」作用(影響)して「何を」変化させる可能性があるかをいろいろ想像

「質問はありませんか?と聴くと反応がない」ファシリテーターの相談箱 008

この質問はネットでも時々話題になるほどの悩みごとですね。理由については諸説いろいろ語られているので後で私の考えは語るとして、今回は4つのやっていることと3つの考え方を話そうと思います。 1つは質問の前に行われているはずのプレゼンや報告をする前に付箋紙とペンを配ったり、Twitterで気になったところを書いてほしいと伝えます。質問がないのは、興味がない、興味はあるけどこんなことは聞いたらダメかなとか、はずかしいとか、話し手に失礼かななど心理的なハードルいが高いので、感想や気に

「人数が多い時はどうすればいいですか?」ファシリテーターの相談箱 009

これはファシリテーターは参加者を見て(観察)その場の状態に合わせてファシリテーションするものなので、人数にあったファシリテーターの数に増やすのがよいと思います。増やせない場合は「見る・フィードバックを得る」対象を絞って全体に対してファシリテーションをするか、「ファシリテーションする」対象を絞って小さいグループごとにファシリテーションをする。というのが答えになりそうです。 「見る・フィードバックを得る」対象を絞って全体に対してファシリテーションをするというのは3、4人の小グル

「参加者が命令されて参加している場合はしょうがないですよね」ファシリテーターの相談箱 010

この質問は主に参加意識についての話ですが、最初に参加目的を参加者同士で話してもらうと他の人の目的を聞いて興味を見つけてくれる場合があります。企業の研修では基本言われて来ているので学ぶ姿勢を「整える」様に心がけます。 「整える」のに所謂立ち上がって動きのあるアイスブレイクを使うとうまくいかなかった経験があり、乗り気しない場でいきなり「なにかをやらされる」とさらに受け身が進む感じでした。もちろん、少し無理にでも動かすことで参加意識が変わる場合もあります。どこまで参

「ファシリテーターの勉強方法を教えてください」ファシリテーターの相談箱 011

これは私も日々考えつつではあるのですが、良い場だと感じたものに出会えたのなら、その場を自分なりに(参加者感覚でよいです)ふりかえってみてください。そして、嫌な場も同様にふりかえってみましょう。反面教師にしてもよいし、起因する要素、雰囲気、所作を考えてみれば、それを自分で「する・しない」を試してみることができます。 1.体験する→2.ふりかえりって「意識」できる状態にする(知識)→3.意識してみる→4.試してみる→1に戻る 1の体験がない場合は書籍などから始めてもよいと思い

「内職している人にどう注意すればいいですか?」ファシリテーターの相談箱 012

これは主に会議についてのファシリテーションの文脈で質問を受けますが、会議の始めに「何か緊急のメールやメッセージが入りそうな予感がある方はパソコンを開いておいてください」と内職する方には許容を、他の参加者には理由付けと少しのジョークを渡します。もちろん、会議のテーマに向き合ってもらって、内職せずに会議に発言してもらえることが第一ではありますが、そもそもその方がその会議に必要なのかが気になります。ファシリテーター自身もその方に会議における期待を持っているでしょうか?伝えているでし

「主体性をもってもらうにはどうすればいいですか?」ファシリテーターの相談箱 013

仮説ですが、イベントや会議などのその「場」を対象としたファシリテーションについては、主体性は行動や思考の脊髄反射から生まれるのではないかと考え、反射を起こす作用を行うことかなと。長期的であったり意識の場合は権限の委譲や自由、クリエイティブな環境を整えることだと思います。 逆にひとつの命令や指示に対して本人が思考することなく行動を行うように作用するのは主体性はない気がします。または相手の正解を探る行動になってしまうというのも主体性はないかなと。 小さいと思われるかもしれませ

「参加者が模造紙に描いてくれません」ファシリテーターの相談箱 014

これは参加者同士で話し合う(語り合う)場で、話し手の話した内容を聴き手が共有的にオープンにメモ書きする場合を想定したものですが、主体性の話にも関係しますし、私にとってのファシリテーションが「××しやすくする」なので、それに乗っ取って行動の許容と反射と描きのハードルを下げるの3つの視点があります。 行動の許容は話し合う前に「相手のために書き取る」というような貢献を含んだ行動のルールを伝えること。「呼ばれたい名前を自分で書き込んでください」も同じ効果が期待できそうな感じですね。