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「トムヤムクン」投稿でプロ料理人の方の反応が 色々出たのでもう少しタイ料理用語の解説します。

概ね好評で誰も敵に回してなくて良かったです。
直接メッセージを頂き、様々なご質問を頂戴しました。

ただ理解度についてはホント千差万別。
もっと分かりやすく説明できる様、頑張ります。
日本の厨房で働いているタイ人の皆さんも
タイ料理用語を体系的に学んでいるわけではないし、
そんなレベルの方が日本に働きに来ることはまれです。
当然、お互いの言語が違うので齟齬が生じます。
よく説明しきれなくて、イィーー!となってるのを見て
申し訳ない気持ちになります。

また同様に私のタイ語も現地と現場で動作や過程を
目と耳で覚えたものなので、
料理用語が解る程度だというのが前提で。
研究されている方のツッコミを切に希望します。

ツッコミで多かったのが「混ぜる」の種類について。
ただ混ぜるでも色々言葉あるよね、と。
確かに、ややこしいです。
少し調べてみただけでも結構あります。

なので今日のテーマは「混ぜる」の解釈についてです。
これら全部「混ぜる」の意味です。
1、ヤム  ยำ yam
2、クルック คลุก khluk
3、パソム ผสม phasom
4、クラォ เคล้า khlao
5、ツォン ชง chong
取りあえず順番に。

1、ヤム  ยำ yam

  ヤムウンセン(春雨の和え物)の「ヤム」です。
    さっくりと優しく和える程度に軽やかに混ぜる。
  ご家庭でサラダを作る感覚と同じです。
  ダラダラやると食材の水分で味がぼやけます。

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2、クルック คลุก khluk
  カーオクルッガピ(発酵海老みそ混ぜごはん)の
 「クルック」です。タイトルの写真がそれです。
   私はこのお料理が大好きです。
   収支が成り立つなら専門店をやりたいくらいです。
     これは炒め合わせるとか盛りつけた料理をよーく、
   念入りに、しっかりと混ぜ合わせる、
 (盛り付けた料理の原型を留めないないほどに)の
   意味になります。こんな感じです。
      粉砕するの意味もありますが、
      料理では潰したらダメです。念入りに、です。

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3、パソム ผสม phasom
   これは調理表現というより動作表現です。
   混ぜるというより違う料理を一緒に盛りつける。
   結果として混ざった(パソム)の方が近いです。
   このように煮卵を一緒に盛ったイメージです。

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4、クラォ เคล้า khlao
   これはなかなか興味深い言葉です。
   異なるテクスチャーのものを混ぜる時に使います。
      例えば、米に牛乳を混ぜるだと ข้าวเคล้านม、 
      カーオ クラォ ノム(米、混ぜる、牛乳)です。
      因みにタイ菓子を表すタイ語「カノム ขนม」は
    ข้าวหนม カーオノムとข้าวนม カーオノムという
      2つの単語が語源になります。
   カナ表記だと同じですが、発音・意味共に違い、
   前者のข้าวหวาน カーオノムは「米、甘い」で、
   後者のข้าวนม カーオノムは「米、牛乳」 という
      カーオクラォノムが省略化された意味に。
   時代と共にいつの間にか早く発音するようになり、
  ミルクが入った甘いものはだいたいカノム、
  お菓子全般を表す言葉になりました。
5、ツォン ชง chong
  これはどちらかと言うと普段使いの言葉で、
  料理にはあまり使わないかもです。
  意味としては、同質のものを混ぜる時の言葉です。
  お茶にお湯を注いでつぎ足す、
  酒を水などで割って混ぜる、でしょうか。
  
ざっくりこんな感じです。
若干マニアック臭が...。
日本の厨房に居たら、①と②が分かれば十分です。
自分で整理してても勉強になりました。
お役に立てれば幸いです。




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