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昨年のこと、今年のこと

年始なので、昨年の大きな出来事を振り返りつつ、
今年の展望をざっくりまとめてみようと思います。



昨年のこと

鐔が特賞に輝いた

6月22日。
装剣金工の片山様にお願いしていた茜図鐔が、
日本美術刀剣保存協会主催の「現代刀職展」にて特賞を受賞しました。

亡くなった妻を偲んで茜図の鐔を依頼しましたが、こちらが賞を頂き、
東京・両国にある刀剣博物館にて展示されました。
また、作者である片山様の「名刺代わりの作品」に入れていただきました。

自身が依頼した作品が多くの方に見てもらえて、とても光栄です。


短刀が完成した

9月27日。
作刀依頼していた助光刀匠より、
「明日、簡単に写真をとって発送させていただきます!」
との連絡がありました。ソワソワしていると、twitter に発送報告が。

9月30日。玄関前でウロウロしながら到着待ち。
配送業者さんがインターホンを押す前に玄関を開けて驚かれました。
姿は自分の依頼の通りだし、作刀の経過は拝見していたんですが、
やはり実物を手にすると感無量でした。しばらく眺めてから、撮影。

湧き上がる思いをtwitter に注ぎ込むかの如く、連投。
到着報告だったはずが、日を跨ぎながらの長いツリーとなりました。


短刀と鐔が里帰りして出会った

10月28日。
助光刀匠から、短刀をお借りできないか、とのご連絡あり。
備前長船刀剣博物館に、助光刀匠が所属する「瀬戸内刀工会」の
紹介・展示コーナーがあり、そこで展示したいとの事。
二つ返事で承諾し、即日、厳重梱包の上で発送しました。

実は「現代刀職展」にて展示されていた茜図鐔が、ほぼ同じタイミングで、
作者の片山様のお手元に戻っておりました。
そして、片山様は備前長船刀剣博物館の職方として常駐されています。
ということは、つまり今、鐔も備前長船刀剣博物館に――
と思って、助光刀匠と片山様とご相談し、短刀の展示に合わせて、
茜図鐔も一緒に展示していただく事になりました。嬉しい!
私の短刀と鐔が、ここで初めて一緒になりました。生誕の地、備前長船で。
これは実にドラマチックな展開で、見届けない訳にはいきませんでした。

 

note を始める

11月4日。
刀剣趣味に足を踏み込んで、短刀の作刀依頼を考え始めた頃から、
twitter で刀剣関連の内容をツイートすることが増えました。
ただ、twitter の性質上、どうしても情報が分散してしまったり、
後日、第三者に紹介しにくいという点がありましたので、
どこかにまとめた方が良いなぁ、と思いましてnote を始めました。

短刀の事、鐔の事、目貫の事、縁頭鐺の事 ―― 色々まとめました。
作刀依頼の話とか、刀の購入方法の話とか、所感・雑感も書きました。
自分の考えの整理や記録にもなるので、マイペースで続けたいと思います。


今年のこと

この辺は、諸々の都合で順序がどうなるか分かりませんが、
現時点で考えている事を、「順調に行けば」の想定で書いてみます。
 

鞘書きの入った白鞘が届く

現在、短刀の刀身は備前長船刀剣博物館に展示されていますが、
短刀の白鞘は、関東に旅立っております。
鞘書きは、元々大名家などの収蔵刀剣の管理・分類用のメモ書きですが、
やがて名のある方による真贋鑑定の結果が書かれるようになりました。
ただ、私の短刀は刀匠に作刀依頼した現代刀なので、真贋鑑定は不要です。
ですので、純然たるデザイン、装飾としての鞘書きを依頼しています。
お忙しい先生に依頼相談したのですが、無事、引き受けていただけました。
1月中に完成予定です。
 

槍の拵修繕の検討

短刀拵 平三角槍が無事、美術刀剣登録できましたので、
拵の修繕をしてやりたいなと思っています。
ご相談するならこの方に、と思っていた柄巻師・弥仙様に昨年末、
ファーストコンタクトを取りました。
修繕箇所の希望が複数なので、一度、Web上で見ていただく形に。

鯉口・鎺や鵐目(しとどめ:目釘穴の周り)は弥仙様に、
鞘の塗りは別の職人さんを仲介していただく形で、
ざっくり概算を出していただいた所です。
お願いできそうな金額だったので、今後、実際に槍ごと拵をお送りし、
正式なお見積りを出していただいて、着手金を払って、という流れかな?
という想定です。
修繕の完了は……夏ごろかな。
鞘に透漆を塗ると仮定して、完成は半年後くらいかなぁ、という想像です。
 

短刀と鐔が帰ってくる

備前長船刀剣博物館での展示予定は、1月末までと聞いています。
展示が終わったら、短刀と鐔が我が家に届く予定です。
さて、どこに置こうかな。どう飾ろうかな。
いや、その前に色々撮影かな。
今から楽しみです。
2月上旬に、帰ってくる予定。おそらく。
 

撮影をお願いしたい

刀剣の写真撮影は本当に難しく、日々苦悩しておりますが、
刀剣専門店の「コレクション情報」様が刀剣の写真撮影サービスを
行っている、という事を知って現在、乗り気になっています。

コレクション情報様の「御刀写真館」ページ

備前長船刀剣博物館の展示が終わって、短刀が帰ってきたら、
こちらの撮影をお願いしたいなと考えています。
「受け取りから最長で1ヶ月以内に返却」との事なので、
2月中旬に依頼・送付ができれば3月中に撮影・返送いただける、かな?
 

鑑定書をお願いしようかな

現在、刀剣の世界で「鑑定書」というとほとんどの場合、
日本美術刀剣保存協会(日刀保)の鑑定書を指します。
「保存刀剣」「特別保存刀剣」「重要刀剣」みたいな黄色い証書です。

日刀保の「保存刀剣鑑定書」(自前)

ただ、日刀保の鑑定書は、存命の現代刀匠の刀剣には発行されません。
存命の現代刀匠の作なら真贋鑑定の必要はない、という事だと思います。

ですが、この点を補完する鑑定書もあります。
日本刀文化振興協会(刀文協)が発行する「新作日本刀証明証」です。

刀文協の「新作日本刀証明証」

この鑑定書の「売り」は、鑑定依頼のあった刀剣を刀文協が預かり、
実際にそれを作刀したとされる刀匠に直接問い合わせをして、
その刀剣が間違いなくその刀匠の作だと裏取りをする、という点です。
作った本人に確認するのだから、これ以上の鑑定はありません。

ただ、この売りが、ちょっと悩みどころなんですよね。
明らかにお忙しいと分かっている刀匠に、確認の手間を取らせるのか……
現代刀を刀剣店から購入したのなら、証明がほしい、という気持ちも
分かるのですが、作刀依頼した刀匠にこれを頼むのは失礼な気がします。
だって、御本人から直接 頂いているんだから。

そこでもう一つの鑑定書。
倉敷刀剣美術館が発行している「刀剣鑑定書」を考えています。

倉敷刀剣美術館の「刀剣鑑定書」

こちら、サイト上の情報では確認できなかったのですが、
電話にて問い合わせた所、現代刀でも発行できるとのことでしたので、
有力候補と考えております。
私自身、テーブルトークRPGというゲームが大好きな人間なので、
こういうキャラクターシートやステータス表示が大好きなんですよね……
お願いするなら、写真撮影依頼の後、夏頃かなぁ。どうだろう。

小柄がどうなるか

短刀に合わせる目貫縁頭&鐺は完成し、既に手元にあります。
小柄の刃の部分(小刀 / 小柄穂)も、助光刀匠に作成していただきました。

そして、小柄の持つ所(小柄 / 小柄袋)は、鐔を作っていただいた
片山様にお願いし、引き受けていただけることになりました。
こちらの小柄の完成については、しばらく先になる予定なので、
気長に待とうと思っております。
 

短刀の拵をお願いする

これは、小柄が完成した、そのさらに先のお話です。
小柄まで揃うと、拵の制作をお願いする材料がほぼ出揃う形になります。
細かく言うと、切羽なども必要になるのですが、これは拵の制作の際に
ご相談させていただこうかな、と思っております。
実際にお願いする事になると、鞘の塗りをどうするかとか、
鮫革や柄糸の材質、色をどうするかとか、色々決めないといけません。
現状、これもいいな、こっちも捨てがたい、みたいな状態なので、
もう少し練って、まとめていかないといけません。
今年、ここまで進むかな? どうだろう。未定です。
 

長き道のり

そんなこんなで、やりたい事は尽きません。
けれど、あれこれ考えて、悩んで、頼んで、形になるのは楽しいです。
ここまででも、それなりにお金を使ってますが、
この先も、やりたいこと、やれそうなことを考えると色々あります。

最終的には、刀箱師・中村様の卓上短刀箱かなぁ……

一朝一夕には行きませんが、色々と夢見る日々が楽しいです。
 

という感じで、note もマイペースで続けていこうと思っておりますので、
今年もどうぞよろしくお願いします。

#日本刀 #刀剣  #刀 #短刀 #鐔 #槍


ヘッダー画像:Adobe Stock より


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