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土砂降りの大山を気合いで攻略する

3700mの富士山を、登山初心者が登るにはどうすればいいのか。技術か、体力か、経験か、道具か。現状も課題も何も分からない。強いて言えば分からないことが課題。と言うことで、百名山で肩慣らしと行こうと、鳥取県の大山登山をすることにした、そんな話である。

鳥取県西部にある独立峰、中国地方で最も高い山、大山(1700m)。島根や鳥取での信仰の対象でもあり、8合目には天然記念物のキャラボクという低木の森もある。という事前情報をもとに、一緒に富士山に登るKといっしょに広島から米子へ。鳥取で有名な回転寿司に行ったあと、ホテルで前泊。何事もなく1日目終了。


2日目。空は一面曇り空。車で登山口に着いた頃には、標高は既に700mあった。登山靴に履き替え、一眼を持ち、いざ出発。今回は夏山登山道で頂上を目指す。


登山道に入るとすぐに大きな神社に遭遇!
1合ごとに目印がある


登山ルートは1~10合目という区切りによって分けられており、区切る基準は標高や距離ではなくしんどさらしい。大山の場合、10分で1合進むといった具合である。6~7合目辺りまではひたすら森の中を進む同じ景色のはずなのだが、3合目あたりから

すごく視界が悪い。


いわゆるガスってる状態といい、雲の中に入ったというかんじ。足元から霧状のものが斜面を伝ってのぼってくる。五里霧中とはよくいったもので、眺めのいいパノラマどころか10m先の視界も怪しい。それに霧は水蒸気の塊なので、全身がくまなく濡れるのだ。


写真で見る分には綺麗だがマイナスイオンどころでは無い霧がぶつかる。
足場もだんだん悪くなる


そのうち霧は雨になった。森の葉っぱにあたる雨音が私たちを覆う。雨足はどんどん強くなり、足元には水溜まり。なんだよもう初心者に優しくないなあ!
幸い雨合羽はワークマンの良い奴を買っているのである程度楽だが、精神的にきつい。頂上なら雲をぬけられるかな?その期待で足を進める。

8合目、森林地帯を抜け、胸ほどの高さの例の低木林にたどり着いた。雨は再び霧になり、気温がぐっと下がった気がした。森を守るため登山道は歩道になったが、それが少し滑る。少し緩やかになった傾斜を進んでいくと、大きな山小屋を見つけた。山頂だ。


低木林。これでも1番晴れた瞬間。
本当は大パノラマだったんだろうなあ。
山頂記念!


山頂ももちろん霧で覆われていた。1700m程度では雲の上へは抜けられないらしい。およそ10年振りの百名山登頂なのに、達成感はなかった。それよりも、下りのことで頭がいっぱい。山小屋でコーンスープを買って、パンパンにならなかったパンの袋を開け、一息ついたらもう下山しようという雰囲気になった。

登頂に要した時間は約100分。に対し、下りにかかったのはたったの35分。激しい雨の中、ぐちゃぐちゃでガタガタな登山道の階段をかけ下りる。途中よく滑ったが幸いコケることは無かった。登山口に戻ると、雨は穏やかになり、やがて止んだ。タイミングが悪い。


この登山で学んだことは以下の3つ。まず、登るのにはかなり足を使うこと。だからトレーニングや、杖など支えるものが必要。次に、Jは体力が十分でないこと。最後に、一眼などの余計なものは持っていかないこと。それが得られただけでもよしとしよう。

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