GO HOME NO HOME/川村かおり

川村かおりというシンガーを知ったのは2009年に彼女が亡くなら少し前。
ZOOの愛をくださいというフレーズや翼をくださいをロック調にアレンジした曲とボーイッシュな見た目に衝撃を受けた。
高校生になって買ったウォークマンには川村かおりの曲を何曲も入れていた。
中古のCDを探し集めていた。
同世代で川村かおりというシンガーを知っている人間に出会ったことがない。
それでも青臭い歌詞の多かった初期の川村かおり、
休止を得てからの新しいサウンドを身につけた川村かおり、sorrow→川村カオリになるまでのアルバムをとにかく聴き続けた。

精神的に落ち込んでいた時、彼女の自伝を読んだ。
そこからピストルズやブランキージェットシティ、スティングなんかの存在を知った。
17歳の時にエレキギターを買って、20の頃にアコギを買った。
金色のライオンという曲は自分の東京時代と重なり大好きな曲だ。
2018年には通っていたギタースクールで発表会があり100人くらい入る箱で『キースの胸で眠りたい』
という曲を演じた。
プロレスでは果たすことのなかった練習をギターにぶつけた。
音痴なので人前で歌うことは息が止まる思いだったが、何ヶ月も練習した成果を人前で発表することは有意義だった。
ギターは奥深く楽しい。

そして彼女の生き様や曲に救われている。

中でも、
GO HOME NO HOME
この曲の歌詞にある
誰といても 何しても 君とキスしてる時にも 楽しいのに 嬉しいのに 目を閉じれば消えそうで
と言うフレーズが好きだ。

以前どこかに書いたことがあるが
色々なところに住んだ結果、帰る場所がわからない。
物理的には実家というものはある。
しかし父親とは縁を切っているので死ぬまで実家には踏み入れないと決めた。
精神的な帰る場所、安らげる場所というものは見つからないのだ。

新しい環境に行けば新しい出会いはある。
だけど新しい出会いより別れの悲しみや辛さにへこたれてしまう。
川村かおりの言葉を借りるのならハツカネズミのようにあちこち走り回っている。

この曲は川村かおりのハスキーな声質と颯爽感溢れるサウンドと帰る場所が見つからないという物悲しい歌詞で構成されている。
センチメンタルにはなるが鬱々とした気持ちにならないのは川村かおりというアーティストと強さを感じられるからかもしれない。







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