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プロパガンダ

滑り坂論法」は思考停止をもたらす恐い手法。だから、オイラは「考えること、情報リテラシーが重要」って繰り返しちゃう。

プロパガンダ:意図をもって、特定の主義や思想に誘導する宣伝戦略のこと。宣伝広告や広報活動にとどまらず、国家は思想統制に利用。
語源はラテン語の「繁殖する」「種をまく」「接ぎ木」。
それが、偏見への誘導、洗脳というネガティブな意味を持つようになったのは、17世紀。カトリック教会が設立した布教聖省(Sacra Congregatio de Propaganda Fide)は、カトリック思想に誘導するための宣伝活動を精力的に行いました。それが、対立するプロテスタント教会には大いなる脅威となったから。

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アドルフ・ヒトラーは喫煙を退廃的とし、「多くの優れた人々がタバコの害に無感覚である」ことを嘆きます。ナチス政権は、公共禁煙キャンペーン(反タバコ運動)を大々的に展開し(プロパガンダ)、大成功を収めます。

ナチスは、公共の場での禁煙だけでなく、たばこ広告の規制などを打ち出します。さらに、タバコと肺癌、心疾患との関連を初めて証明し、受動喫煙という言葉を作り出しました。

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タバコを「遺伝子の毒」とみなしたまではいいのですが、問題は喫煙が支配民族にとって不適切であり、「民族の堕落」に等しい、と唱え始めたこと。それに乗じて人種改良主義者は、喫煙が「ドイツ人生殖質」を汚染すると言い出す始末。

あろうことか、ナチスはヨーロッパのタバコ草陸揚げ拠点であるアムステルダムのタバコ業界を牛耳っているユダヤ人がドイツにタバコを持ち込んだ、との言説を広めようとしました。さらに、教会までが、それに加担。

そのナチス・ドイツが何をしたかは、申すまでもありませんね。

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もし、オイラが愛煙家の国家指導者だったら、次のような論理を展開するかも。

禁煙運動が人種差別をもたらした ➡︎ 禁煙運動は悪だ➡︎ 禁煙を唱える輩(やから)は処罰されなければならない
ってプロパガンダしたら、あなたはどうする?

プロパガンダは、とある国だけの専売特許じゃなくて、我が国の報道機関も得意としてますからね(笑)

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