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[映画]料理は時代と国境を越える[ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~]

今回紹介するのは『ラストレシピ』という映画です。タイトルを見た時になぜか勝手に自分の中では『天皇の料理番』というドラマみたいなストーリーを想像していたので、最初は観ながら「全然違うじゃん」と思っていたのですが、最後まで面白く観ることができました。

1つのレシピを巡り、色々な人の人生が左右された中で最後はアッと驚くような感動の結末が待っています。そして、綾野剛がワイルドで渋すぎます(笑)。

~1度食べたものは忘れない麒麟の舌を持つ2人の男~

私は回想シーンの多い作品や、時代や時間が行ったり来たりする物語は苦手だ。自分の頭の中で話がこんがらってしまい、いまは何を描ているのか分からなくなってしまうことも多々ある。だから、この作品でも二宮和也演じる佐々木充が主人公のはずなのに西島秀俊演じる山形直太朗を中心に時代もかなりさかのぼって話が進んでいくシーンが多かったので心の中では「おやおや…」と思っていた。(もともと、シンプルな作品が好きで複雑な作品の感想を友達とかと話すと、笑われることが多いので、私の理解力の問題だとも思います…苦笑)

しかし、物語が進んでいくにつれて、レシピに込められた思いやそこに詰まった人々の気持ちが明らかになっていき、2人の天才料理人の”人生“が重なったときはすっと心の中に入っていくものがあった。

生きた時代は違えど、料理にすべてを捧げ、自分にも周りにも妥協することなく向き合い、時には壁にぶつかりながらも自らの姿勢を貫く2人の男からはプロフェッショナルを感じた。

~政治に利用された料理~

中華料理や韓国料理、イタリアンにフレンチと日本にいれば海外料理のお店はいくらでもあり、逆に多くの外国でラーメンや寿司など日本食を食べることのできる現代だが、この作品で描かれていた1930年代では決してそんなことはなかったであろう。

満州国に天皇の料理番としてやってきた山形直太朗は112品からなるフルコースの「大日本帝国食菜全席」の考案を任される。しかし、実はそれは政治の利用するための目的として陸軍から依頼されたものであった。そして、その事実を知った山形直太朗の人生は―。

もしかしたら、いま現在でも悪い意味で食事会などが政治に利用され、誰かの命が危険にさらされていることもあるのかもしれないが、なかなか想像できないのが本音だ。同

少し強引な結び付けかもしれないが、日本中のどこにいても好きなときに好きなものを食べられるいまの世の中に感謝したいと思った。

https://www.youtube.com/watch?v=mJfQ0JOePFU

(なぜか埋め込みができなかったのでここから予告に飛んでください)



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