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「相手に気持ちよく仕事をさせる人」に運はまわってくる

ある広告プランナーの方が自身のキャリアを話す中で「自分は運がとてもいい」と言っていた。その方は30代半ばで今は某大手総合代理店のクリエイティブ局にいるのだが、最初のキャリアはデジタルのメディアレップの営業からスタート。そこでクリエイティブの仕事をしたいと思い、二度の転職を経て今の理想的な環境に来たということなのだが、こうして順調にキャリアを積んでこれたのはそれぞれの職場で「いい人に恵まれた」からだということだった。クリエイティブの仕事をはじめてから、優秀なクリエイティブ・ディレクターと一緒に仕事をしてきて、実力と実績を積み重ねることができたと言っていた。

そして印象的だったのが、「運がよかったのは一緒に働く人たちに可愛がってもらおうとしていたから」ということ。

この話をもう少し噛み砕くと、「人に可愛がってもらうからその人から機会を与えられる、つまり運がよくなる」ということだと思った。

ここまで考えたところで、まさにこの「運がいい」状態にあるひとりの同僚が頭に浮かんだ。彼は新卒入社3年目で、わたしがいる部署の中では最も若手なのだが、とにかく優秀で「みんなから信頼され、可愛がられている」。

一緒に働いていて気持ちいい人は可愛がられる

彼はなぜ「みんなから信頼され、可愛がられている」のか。それは、とにかく「一緒に働いていて気持ちいい」と思える仕事をしてくれるからだ。

では彼はなぜ「一緒に働いていて気持ちいい」と思える仕事ができるのか。考えてみると、3つほど理由が浮かんできた。

①自分の頭で考える

彼は人に言われたことでもとにかく自分で一度考えて、その意図を理解してから発言・行動しているように見える。その瞬間を特徴的に感じるのが彼と議論をしている時で他の人が「そうですよねそうですよね」と意見に対してすぐ理解を示す場面でも彼は「あー・・・」と一度時間を置いて自分の中で考えてから「たしかに○○だからそうですよね」と、同じ理解を示す時でも自分の意見を常に加えてくる。だから、議論が常に建設的になる。

②相手の負担を極力減らす

そして、こうして自分の頭で考えてくれるというのもあり、彼と一緒に仕事をしているとこちらの負担が軽い。そして、彼は無意識にその負担軽減をしているのではなく意識的に配慮をしてくれているようだ。例えば、彼は近くの席にいるわたし含む同僚に話しかける際に必ず「今ちょっとお時間よろしいですか」と断りを入れてから要件を話し始める。こうしてくれることで急ぎのタスクがある時は後にずらすという判断をこちらが持つことができる。こうして、相手の立場に立った時に負担が軽い方法は何かを考えているのだろうなという場面が多々ある。

③嫌な顔ひとつしない

これが実は一番「一緒に働いていて気持ちいい」と思わせる理由なんじゃないかと思うのだが、彼はとにかくどんな無茶な依頼でも嫌な顔ひとつしない。例えば、どこの会社でもそうなようにこの会社では若手新卒社員が部署の飲み会の設定をする習わしになっているのだが、彼は文句ひとつ言わずむしろ積極的に幹事を担っているように見える。仮に上に書いたような自分の頭で考えて、相手の負担を減らすような配慮ができていても、それを嫌そうにやられていたら仕事を任せる側としてはあまり仕事を任せたいと思えないだろう。

相手に気持ちよく仕事をさせる人に機会は与えられる

こうして「一緒に働いていて気持ちいい」彼にはほかの人もやりたいと思うような面白そうな仕事が優先的にアサインされているように見える。つい先日も、クリエイティブ・ディレクターから「こんな案件があるんだけど」と相談されているのを見かけてまさに機会を与えられているなと思った。たしかに、わたしがクリエイティブ・ディレクターで人員をアサインする権限があれば彼のように「一緒に働いていて気持ちいい」人にまずは相談をしてみたいと思うだろう。

逆に考えると相手に気持ちよく仕事をさせることができる人には、機会が与えられるとも言えるだろう。運が悪いと感じたら、まずは周りの人を気持ちよくなってもらうにはどうすればいいか考えてみるといいのかもしれない。

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