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大嫌い 春なんて。

「春は出会いと別れの季節」
人生の節目としては必要だけれど、私は嫌いだ。



だってわたしは、
泣いてしまうから。



「大変お世話になりました。」
その言葉から始まる挨拶は、いつだって温かく、そして悲しい。
特別な気持ちの篭った挨拶は、聞く人にいろいろなことを思い起こさせる。
嫌なことがいっぱいあったとしても、記憶ってなぜだか美化される。ほんとに恐ろしい。


変わっていくことは仕方がないし、悪いことではないと思う。
人も環境もココロも。

それでもやっぱり、人との別れはできるだけ経験したくない。
それはわがままだろうか。


明日からみんな普通の顔で毎日を送っていく。
もちろん、この私も。
そんなところも嫌い。
人は案外強く、けろっと生きていけてしまうから。

またこの悲しい季節が来て、過ぎ去っていった。
今年もやっぱり、私は悲しくて、ちょっぴり泣いた。