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【悪役】帰ってきた素晴らしき悪役列伝 第四回 「星威岳哀牙」

「逆転裁判3」及び「逆転裁判成歩堂セレクション」に登場。

※本記事はネタバレを含みます

怪盗「怪人仮面マスク」を追いかける自称「名探偵」の私立探偵。

時代錯誤的なしゃべり方と服装が目立つ奇人で、彼の探偵事務所には自分を模した玩具や自分の名前をつけた菌があったり、やたらと自己顕示欲の強い謎多き男。

ヒロインの綾里真宵ですら「言っていることが意味不明」「なんか怖い」とドン引きされている始末である。

「怪人仮面マスク」の容疑がかかった天杉勇作の弁護を引き受けた主人公である弁護士・ナルホドの前に立ちはだかる。

しかし、実は彼こそが怪盗「怪人仮面マスク」そのものであることがナルホドの活躍で暴露されて高笑いとともに留置所に消えた・・・・はずだった。

ところが、捜査を進めていくうちに彼の本性はただの脅迫者で自分が行った殺人の罪を天杉勇作こと本物の「怪人仮面マスク」に着せようとした陰湿なサイコパスであったことがわかってしまった。

そして、「怪人仮面マスク」に犯行の立案を行い、おまけに盗んできた秘宝を拝借し、自作自演で自身の功名心と名誉欲を満たしていただけであった。

つまり、彼は名探偵でも怪盗でもなく周囲の承認欲求のために他人を利用し、必要になれば排除していただけであった。

また、もう少しのところで彼は窃盗の罪を認めることで逆に殺人の容疑から逃げるところであったのだ。

ギリギリのところで何とか彼を確保したナルホドは執念の尋問で彼を追い詰める…。

やがて、ナルホドの活躍で自身が行った殺人の罪・脅迫の罪などを暴露されると発狂して高笑いを始めた。


「グ愚・・・・く苦苦苦オオ悪悪悪オ・・・・
さよう! 愚にして戯なる民どもに我が高邁なる御霊など、理解不能!
貴殿らの暴戻不遜たる罵詈雑言は、悪逆無道にして人面獣心なる蛮行!
阿鼻叫喚悪人正機な百鬼夜行的蒙昧夜郎自大の阿修羅道は悪人正機な満身創痍
神出鬼没美人薄命信賞必罰夜露死苦四捨五入東西南北四字熟語
さあれ! 我をさげすむがいい!
迷探偵にして不可解人たる我をッ!
殺人者! 脅迫者!
魑魅魍魎たる我は闇を跳梁跋扈する孤高の奇人!
あーっはっはっはっはっはっはっ!
笑いとばしていただきたいッ・・・・」


「あーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ‥‥さあさあみなさん、ごらんくださあい‥‥! 天才にふさわしき好敵手を求めて、ついに自ら犯罪に手を染めた‥‥あわれなピエロでござあい‥‥」

とうとう罪を認めた彼は高笑いとともに法廷から姿を消していった。

そういえば彼の名前は何だろう「ほしいだけ あいが」だ。

彼はその名前の通り、他人からの賞賛=愛に飢えたある意味では悲劇の男であったのかもしれない。

しかし、ただのネタキャラではなく主人公のナルホド君を欺きとおし嘘を見破る勾玉「サイコロック」すらも欺きとおした・・・まさしく強敵であり、おまけに「殺人」の罪を隠すため「窃盗」で捕まるなど策略が用意周到であり、知能犯でもあった。

その冴えわたる知性のあまりに普段、ヒロインである綾里真宵や身内の関係者が絡んでいない事件には基本的に冷静なナルホド君ですら頭を抱え発狂しそうになってうなるほど追い詰める…などまさしく「強敵」であったといえるだろう。

ほかの犯罪者のように「脅迫」「人質」「権力」「霊媒」「暴行」などに頼らず己の知性のみで耐えきったその実力は地味に逆転裁判の犯人の中でもナンバーワンの知力を持っているのではないだろうか。

彼の弱点、それはたった一つ「愛に飢えていた」というだけだったのかもしれない。

余談だが、探偵というにはあまりにも自己顕示欲が強く目立ちたがりなので恐らく浮気調査などは無理だろう。

それなのに高級そうなタキシードに身を包んでいるあたり、実はもともと高級な家の出の人間なのではないかと思われる。

様々な個性的な犯人・悪人が出てきた「逆転裁判シリーズ」でも最も好きな犯人の一人に入る。

発売された当時でも人気があったらしく、彼宛のバレンタインチョコが多くカプコンに届いたことがあったそうだ。(恐らく冷やかし目的だろう。)





陰湿性:A  (脅迫・殺人・窃盗…罪を上げれば枚挙がない。)

頭脳:S (千尋さんの助けがなければナルホドを最後までだましとおしていた)

強さ:B(自称・肉体派の脳みそに頭脳派の腕っ節、拳闘部副主将代理補佐であったらしいがその実力をみることはない。)

主張:A (あいがほしいだけさ)

人望:C (友人らしい友人はいないだろう)

権力:B (一私立探偵なので権力はない)


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