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【悪役】帰ってきた素晴らしき悪役列伝 第13回「クラレンス・ボディッカー」

映画「ロボコップ」に登場。

未来社会デトロイトの街を震え上がらせるギャング一味のボス。

強盗の最中、自分を追いかけてきたマーフィー巡査を拷問の末に惨殺してしまった。(この光景は今見ても本当にひどい)

この事件がきっかけになり、マーフィー巡査はロボコップに姿を変えてしまったのだった。

主人公マーフィーにとっては自身を殺し、ロボコップにして人生をずたずたにした憎い宿敵である。

やがて、マーフィーだったころの記憶を取り戻したロボコップと対峙することになり彼も自分が殺した警官が今度はロボットになって蘇ってきたことを知る。

1度はロボコップに半殺しにされ、敗北し逮捕されるという痛恨のミスを喫するものの…すぐにシャバの世界に出てきてしまう。(どんだけガバガバ司法なんだよ)

この男のせいでロボコップの生みの親であったオムニ社員のモートンも惨殺されてしまった。

モートンもマーフィーの死体を平然と実験台につかったひどいやつではあるが、少なくとも悪人ではなくむしろマーフィーにも優しく仲間内にはいい奴であった。

手を組んでいたオムニ社の重役ジョーンズにコブラ砲といわれる最新鋭のロケットランチャーをもらい、とうとう彼はロボコップと最終決戦に挑むことになるのであった。

性格は酷薄で残忍卑劣、本来は主人公のマーフィーも殺す必要はなかったはずだが平然と惨殺してしまった。

また傲岸不遜であり、雇い主であるはずオムニ社の重役のジョーンズすらも内心はバカにしている節がある。

根っからのサディストであり殺しや拷問が大好きで、必要であれば仲間であろうと見捨てたり、仲間の車を冗談半分で大破させる…とんでもない極悪人である。

ただの強盗ではなく覚せい剤ビジネスにも広く参入しているあたり、こいつがただのチンピラではなくそこそこの知恵が回る正真正銘のサイコパスであることが想像できる。

恐らくジョーンズと組んだあとは彼と組んで、裏の世界を牛耳ろうと模索していたのだろう。

さらに考えるとあとでジョーンズを恫喝して、彼すらも殺そうとしていたのではないだろうか。しかし、ジョーンズも古狸であるのでやすやす彼に殺されるバカなマネはしないだろう。

今でこそ禁じられているが、当時はマフィアと企業の癒着はよくあった時代の名残ともいえる描写だ。(もちろん今でもあるにはあるだろう)

また、肝も据わっており、マフィアの大物を覚せい剤工場に招き数に物をいわせて取り巻きで囲んで恫喝を行うという度胸もある。

また、ここまで書くと短絡的なチンピラに見えるが実は冷静沈着なところもあり仲間との連係プレーでロボコップを一時的にはめるなど中々頭脳もキレているところをみせている。

しかし、自分の身が危なくなるとすぐに黒幕であるジョーンズの存在をバラしたりボコボコにされるとすぐに命乞いをするなど…忍耐力にかける一面ものぞかせている。

最終的にクラレンスはロボコップに首を串刺しにされて惨殺されるというような、悪党には当然の末路が待っている。

この死に方もかなりえげつなく、絶対に経験したくない死に方の一つであるだろう。

まさに究極の勧善懲悪である。

コイツの死ぬ姿も本当にすごい、演じたカートウッド・スミスは大した役者だ。

いずれにせよ、自分にとってはこの男は子供心に画面の奥底から本気で「こいつを早くぶちのめされてほしい!!」と願った最初の悪役の一人であった。

映画の優れた悪役といえばジョーカーやシディアス皇帝を上げる人もいるだろうが、自分にとって最も優れた映画の悪役はこのクラレンスである。

本当に悪いのだ。

悪の美学すらない、このド悪党がぶちのめされる姿がまた本当に痛恨痛快なのである。

ロボコップという歴史に残る名作映画がなぜ生まれたのか、それはロボコップというカッコいいヒーローだけではなく彼という名悪役がいたからでもあるのだ。


陰湿性:S(性格は冷酷・残忍・邪悪・サディストとまあろくなもんではない)

頭脳:A(ただのチンピラではなく、かなり計算された行動を行う。)

強さ:B(恐らくギャングであるので戦闘力もあるのかもしれないが、相手がロボコップなので敵わない)

主張:C(悪の美学すらない、ただ自分の我欲を追求したいだけ)

人望:A(悪党仲間からの人望は厚く、彼がどれだけひどいことをしても付き従っていた)

権力:B(未来社会デトロイトの悪の序列ではそこそこ上だった)


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