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最後の大陸 豪州大陸

16世紀に描かれた地図、製作者ウルバーノ・モンテの地図には興味深いものが無数に描かれている。
それは現代人には目新しく、現代の歴史に沿うもの、あるいは否定されているものが混然となっている。

その最たるものは、描き方そのもの、であるだろう。

我々の世界には中心と呼べるべきものは無い。
強いて言えばそれは傾いた地軸のことを指す。

しかしモンテの描いた世界には明確な「世界の中心」が存在している。

我々の世界には終わりがない。
何故なら地球は宙に浮いているものであり、どの方角に行っても元の位置に戻ってくるようになっているからだ。

しかしモンテの描いた世界には明確な「世界の果て」が存在している。

この世界平面地図は我々の大地を8つの南極大陸が取り囲んでいる。
もちろん、その大陸には雪や氷の類がない。
そして特徴的なのが、南極大陸のひとつとしてオーストラリアがある、ということだ。
しかしこれは他に前例がない、というわけではなく、南極とオーストラリアが地続きになっている地図が他にもある。

キャプチャ3

キャプチャ5

今回、南極大陸代表として、特にオーストラリアの大地を見ていきたいと思う。

そういえば、以前から「ピリ・レイスの地図」というものが、この時まだ発見前の南極大陸を描いている、と話題になったりすることがある。
そのたびに「ただの見間違い、勘違い」ということで終るのだが、実はそんなことはない。
雪に覆われる以前の南極大陸を描いた地図などはいくらでもある。
それどころか南極大陸の一部しか描いていない「ピリ・レイスの地図」に対して、大陸の輪郭を描いている地図さえもある。
なぜ「ピリ・レイスの地図」だけが、南極未発見の題材として取り扱われているのか不思議だ。

キャプチャ7

この過程を見ればわかる通り、どういうわけか人類は南極大陸の存在を知っていたにも関わらず、一度完全に忘れたということになる。
そして19世紀になってから、改めて南極というものを再認識するのだ。
以後、南極は不可侵とされる。

これにはどういう意味、どういう意図があるのだろうか。

ではとりあえずオーストラリアを見ていくと、そこには不思議な住人たちが伸び伸びを暮らしていることがわかる。

キャプチャ30

その中でも、特にこの3人に注目してみたい。
海外の人がこの絵を、サルが鏡を見ている、というような解釈をしていたのを思い出した。
しかし本当にそうだろうか。
思うに、これは出産の場面ではないのか。
鏡と思われたものは、胎盤に包まれたまま生まれてきた新生児であり、それを抱いているのは、先に生まれていた兄か姉であろう。
だとすれば、これはサルなどではない。
愛情溢れる家族の情景を切り取ったものだ。
胎盤に包まれた赤子を抱いているその顔が、どこか微笑んでいるようにも見えてしまう。
そしてこれらの人々の上にはテキストがあり、「あまり知られていないこの国の人々は、他国との接触をあまりしたがらない」というような意味のことが書かれてある。
少なくとも冒険者たちは、これらの人々との接触を試みたようだ。
オーストラリアの歴史に詳しいわけではない。
当時の大陸には白い人々が住んでいたのだろうか。

そしてどうしても目につくものがある。

キャプチャ28

キャプチャ29

このドラゴン関連の画だ。
トカゲと呼ぶにはあまりにも違和感があるので、ドラゴンとしたい。
非常にコミカルに描かれてあるが、なかなかに味わい深い。
例えばライオンが立ち上がった際、その大きさは2~3メートルほどだろうと思う。
したがってこの翼のあるドラゴンもだいたいそのくらいと考えられる。
下段の切り抜きは巨人とドラゴンの戦いではあるが、上段のものとは少々趣が異なる。
ライオンに対しては完全に取っ組み合いの様相を呈しており、実力が均衡しているものと思われる。
そもそもどちらがどちらを捕食しようと考えたのか。
どちらが餌なのか。
そして下段のドラゴンは白い巨人に対して防戦しているかのように見える。
この巨人、明らかにライオンよりも大きい。
対ライオン戦では見られない焦りを、その大きく開けた口から飛び出した真っ赤な舌から見て取れる。
つまりこの白い巨人はライオンよりも脅威だということではないか。
大陸の食物連鎖の上位にこの白い巨人がいるようだ。
次の瞬間、白い巨人の巨大な棍棒がドラゴンの脳天を叩き割る様子が容易に想像できてしまう。
地図製作者の悪戯のようにも感じられる。
こういうのが面白い。

オーストラリアのランドマーク

そして不思議な大陸には、このような意味の解らないものがある。
大陸の中央にこれがある。
モンテはこれをどういった意味で描いたのか。
最初、これは肉食動物に食われた草食動物なのかと思った。
おそらくこの状況ではほとんどの人がそう思うことだろう。
しかし、捕食後の屍というのは、この地図上に描かれていない。
捕食の最中というものならばある。
屍体のみ、というものは無いのだ。
ならばこれはいったい何なのか、と考えてみた。
グーグルアースに協力してもらう。
これを彷彿とさせるものはないだろうか、と。
色々と地表を嗅ぎまわってみたが、あるひとつの場所に行き当たった。

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これは「ウルル」と呼ばれている大岩で、大陸の中央付近に鎮座している。
オーストラリアの観光名所だ。
こう書いていて、ちょっと強引すぎやしないか、とも思っているが、これ以外にあまり目立ったものがない。
もうひとつの候補は言わずと知れた「マウント・コナー」だが、少々大きすぎる気がした。

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いずれにしても、このふたつのうちのどちらかだろう。
このいびつな大岩を南側から見た当時の冒険者たちの記録が残っていたのだろうか。
ただ、この奇妙なものの周辺は明らかに草原が広がっている。
現在の景観とは全く違う場所にこれはある、ということだが、もしかしたら当時は現在のような荒れ地ではなく草原が広がっていたのかもしれない。
更に発展させてみると、最初の発見者はこの大岩を巨大な岩と認識できなかったのではないだろうか。
だから発見者はそのように記録し、後世の地図製作者にも伝わった。
伝わった内容は「草原の真ん中に巨大生物の遺骸のようなものがある」というように。
だからこそモンテは手足があるように描き、出血を思わせる赤い染料で着色したのではないか。
発見当時と現在とでは、見た目が大きく違っている可能性はないだろうか。
再度言いたいが、この当時にオーストラリアがどの程度知られていたのかはわからない。
言えることは、上記のウルル、または他の大岩を描いたものであるのならば、かなり早い時期に大陸の奥まで探索されていたのではないか。
そもそも現地の人々と接触を試みたと思われる記述もある。

グーグルアース上で、これら大岩の北に目を移してみると、このようなものがある。

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これは「ゴッシズ・ブラフ・クレーター」と名付けられているクレーターらしい。
これを発見してクレーターである、と思ってしまう気持ちはわかる。
そんな感じに見える。
しかしあえてそうとは思えない、と言わざるを得ない。
地質や形状などに意見しているのではなく、「この場所」にあるということが、これがクレーターではないと考えてしまう要因だ。

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大陸の中央に目印をつけてみたが、この場所に先に挙げた「ウルル」「ゴッシズ・ブラフ・クレーター」「マウント・コナー」が集中しているのだ。
クレーターなどはおそらくランダムに地表に落ちるものだと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。

これだけ広い場所があるのに、何故よりによって大陸の中央に落ちなければならないのか。

北でもなく南でもなく中央に、まるで狙いを定めたかのように大陸中央部に落下する。
この設定に恐ろしいほどの違和感を感じてしまう。
何故この場所にいくつもの特殊なランドマークが配置されてあるのだろうか。
地表から突き出た大岩ではなく、宇宙から飛来してきた隕石の落下痕ではなく、本当はまったく別のものの可能性はないだろうか。
これらのものが大陸の中央に集まっているのは偶然ではなく必然なのではないか。
だとしたらこれらは元々どんな姿をしていたのだろうか。
何故大陸の大部分が砂漠化しているのだろうか。

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